「ごめんなさい」が言えない…謝れない子どもの対処法
みなさんの子どもは「ごめんなさい」とスムーズに言えますか。年齢によっては、なかなか謝罪の言葉が出てこない子もいますよね。
今回は、「ごめんなさい」が言えない子への対処法をまとめます。
注意点や謝れない原因もまとめたので、参考にしてください。
謝れない子どもへの対処法
「ごめんなさい」と謝れない子どもへの対処法を紹介します。
- 子どもに事実確認をする
- 一緒に謝る
- 「ごめんなさいは?」と促す
- 「こんなときはなんて言うんだっけ?」と促す
- 謝れなかった気持ちを汲んで代弁する
- 相手の保護者に対して謝る
- なぜ謝るのか子どもに理解させる
- 謝れたら褒める
子どもに事実確認をする
子どもが謝れないときの対処法1つめは、子どもに事実確認をすることです。
たとえば公園で自分の子どものすぐ隣でお友だちが泣いていたとしましょう。
「どうしたの?」と保護者としては心配になり、駆け寄りますよね。泣いている子が、「いじわるされた!」と言ったら、自分の子どもに「なんでそんなことするの! お友だちに謝りなさい!」と言ってしまうことがあるかと思います。
相手の保護者も公園にいれば、なおさらこのように言ってしまうこともあるでしょう。
しかし、事実は違うかもしれません。
相手の子どもが勝手にオモチャを取って、それを自分の子どもが取り返しただけの可能性も。
まず、どんなことがあったのか、子どもに話を聞いて、事実確認をしましょう。可能な限り、双方の意見を聞いてください。
思い込みで自分の子どもに謝罪を強要すると、悪いことをしていないのに謝る子どもになってしまいます。
一緒に謝る
子どもが謝れないときの対処法2つめは、一緒に謝ることです。
子どもが悪いことをして、どうしても自分で謝れない場合は、一緒に謝ってください。
このときの注意点としては、「ママが代わりに謝るから」と言わないことです。これだと子どもが「代わりにママが謝ってくれるなら、ボクは謝らなくていいや」と思ってしまうのです…。
「ママと一緒に謝ろう」と伝えるのがおすすめです。小さな声で「せーのっ」と言い、子どもが口を開くことを促してください。
「ごめんなさいは?」と促す
子どもが謝れないときの対処法3つめは、「ごめんなさいは?」と促すことです。
幼い子どもの場合は、まだごめんなさいとひとりで言えないこともあります。恥ずかしくて言えない、悔しくて言えないこともありますが、保護者に促されれば言いやすいこともあるので、「ごめんなさいは?」と伝えましょう。
ただし、無理矢理謝罪させることは注意が必要です。
子どものプライドが傷つくことがあります。毎回、頭ごなしに怒鳴りながら「ほら! 謝りなさい!」と伝えると子どもの自己肯定感が低くなる可能性があるので、子どもが強く嫌がるときは様子見がよいでしょう。
「こんなときはなんて言うんだっけ?」と促す
子どもが謝れないときの対処法4つめは、「こんなときはなんて言うんだっけ?」と促すことです。
いけないことをしてしまったときに、「ごめんなさい」と言うことはすでに理解している子には、「こんなときなんて言うんだっけ?」とヒントを出して、謝罪の言葉を引き出しましょう。
子どもの成長とともに、「ごめんなさいは?」と言わずに、かんたんなヒントを出して、見守ってきましょう。
謝れなかった気持ちを汲んで代弁する
子どもが謝れないときの対処法5つめは、謝れなかった気持ちを汲んで代弁することです。
お友だち同士でトラブルがあっって、謝まらなければいけないシチュエーションは、子どもがショックを受けています。そんなつもりはなかったのに手があたってしまい、「ごめんね」と言わなければいけないシーンでは、子どもがオロオロとしてしまうでしょう。「わざとじゃないのに…」という気持ちが強くて、謝れないこともあるのです。
このようなときにも、「ほら、ごめんなさいは?」ときつく言うと、子どもが余計にショックを受けます。まず子どもの気持ちを汲んであげましょう。そして、「わざとじゃなかったんだよね」、「手が当たってびっくりしちゃったんだね」と子どもの謝れない気持ちを代弁してあげてください。
このとき、相手の子どもの気持ちも代弁しましょう。「手が当たって痛いって言っているよ」、「ちゃんと並んでいたのに横入りされて、悔しい気持ちなんだよ」と伝えてください。
相手の保護者に対して謝る
子どもが謝れないときの対処法6つめは、相手の保護者に対して謝ることです。
我が子がなんらかのトラブルで謝らなければいけない立場となったとしましょう。なかなか謝らなくて自分の子どもにかまって「ほら、ごめんなさいは? どうして言えないの?」と言って時間がかかっていると、相手の保護者が困惑することがあります。「自分の子どものことばっかりで、全然謝らない、うちの子のことはどうなるの?」と思う人もいるので気を付けましょう。
言い方は悪いですが、「まずは親が謝ってよ」と感じる人もいるので、相手の保護者に対して先に「すみません、大丈夫でしたか?」と謝るとよいでしょう。子どもへの手本にもなります。
その後、子ども本人に「自分でもごめんなさいしようね」と伝えてください。
なぜ謝るのか子どもに理解させる
子どもが謝れないときの対処法7つめは、なぜ謝るのか子どもに理解をさせることです。
子どもの年齢によっては、謝ることの大切さを理解していないことがあります。
謝ることはコミュニケーションの1つでもあります。
子どもには次のように説明しましょう。
「大切にしているオモチャをお友だちに急に取られてしまったら嫌な思いをするよね。相手のお友だちがなにも言わなかったらどう思う? 嫌な気持ちになるよね」と話し、謝ることの大切さを伝えてください。
謝れたら褒める
子どもが謝れないときの対処法8つめは、謝れたら褒めることです。
子どもの年齢によっては、なかなかごめんなさいが言えないことがあります。
勇気が必要です。子どもが「ごめんなさい」と言えたら、おとなが褒めましょう。
ただし、シチュエーションによっては、過剰に褒めることはおすすめしません。
子どもが他のお友だちのオモチャを奪ってしまった、列に横入りしてしまった、など子どもに非がある場合、過度に褒めると、「オモチャの横取りや横入りをしても、ほめられる」と思ってしまうので、過剰に褒め過ぎないようにしましょう。
子どもが謝れない原因とは
子どもが謝れない原因を見てみましょう。
- 事実と異なるから
- 悪いことをした自覚がないから
- ショックを受けているから
- 気まずくて謝れないから
事実と異なるから
謝れない原因1つめは、事実と異なるからです。
みなさんも本当は自分は悪くないのに、周囲に勘違いされて謝らなければいけないような状況になったとき、嫌な気持ちになりますよね。なんで自分が謝らなくてはいけないんだ…と思ってしまうでしょう。
子どもも同じで、事実と異なっている状態だと謝ることに抵抗があり、「ごめんなさい」と言わなくなります。先述したように、必ず事実確認をしましょう。
悪いことをした自覚がないから
謝れない原因2つめは、悪いことをした自覚がないからです。
そもそも子どもが悪いことをしたという自覚がなくて、謝れないこともあります。
子どもに非がある場合は、どんな行動が悪かったのかおとなが説明しましょう。
相手がいる場合は、相手の気持ちも子どもに説明してください。
「叩くのはいけないんだよ。痛くて、悲しい気持ちにもなるんだよ。だからごめんねしようね」と伝えるとよいでしょう。
ショックを受けているから
謝れない原因3つめは、ショックを受けているからです。
思いがけずトラブルを起こしてしまった、悪いことをするつもりはなかったのに結果的にしてしまったことで子どもがショックを受けていて、なかなか謝れないことがあります。
ショックを受けて泣いていることもあるでしょう。「自分で悪いことをしたのに泣かないの!」と言わずに、「びっくりしたんだね」などと子どもの気持ちを代弁して、まずは落ち着かせましょう。
気まずくて謝れないから
謝れない原因4つめは、気まずくて謝れないからです。
これはおとなでも結構ありますよね^^; 罪悪感をおぼえる年ごろの子どもであれば、気まずくなり「ごめんなさい」と言えずにうつむくこともあるのです。
謝らないので、保護者としてはイライラすることもあるかと思いますが、悪いことをしたという自覚がある証拠でもあるので、子どもの気持ちを代弁しましょう。
子どもが気まずそうにしているのがわかったら、しつこく謝ることを促すことはおすすめしません。すでにショックを受けているので、より謝りにくくなります。
謝れない子にやってはいけないこと
子どもが謝らないときにやってはいけないことがあります。
それは次の2つ。
- 厳しく叱ること
- 叩くこと
謝れない理由にはさまざまなものがあることはお分かりいただけたかと思います。子どもなりに理由があり、悪いことをしてしまってパニックになっているのです。そして感情を処理している最中なのかもしれません。
そのときに厳しく叱ると、子どもが「謝らない=怒られる」というイメージを持ち、謝ることにネガティブな印象を持つのです。そのため、かえって謝ることに抵抗を感じるので気を付けましょう。
また、叩くこともNGです。「謝らないと叩かれる」と理解すると、いっけん子どもが謝りそうですが、こちらも逆効果で、「謝れない=叩かれる」というネガティブなイメージとなるため、謝ることに抵抗を感じてしまいます。
目には目を歯には歯をとして、子どもがお友だちを叩いたら、同じように叩いて子どもに痛みを理解させる方もいるかもしれません…。これだと、子どもがお友だちに叩かれたら、叩き返してもいいと理解する危険性があるので気を付けてください。
謝るのは誰のためか間違えないようにしましょう
謝ることは誰のためにすることなのか、子どもに説明しましょう。
謝るのは相手のため、と考えている方もいますよね。はい、こちらは半分正しいですが、半分は間違っています。
たしかに、我が子がお友だちのことを叩いてしまったら、お友だちのために謝りますよね。だって、お友だちが傷みを感じ、嫌な気持ちになったのですから。
しかし、謝るのは相手のためだけではないのです! 子ども自身のためでもあります。
我が子が悪いことをしたというネガティブな気持ちを切り替えるためにも、自分のために謝る必要があるのです。自分の行動の非を認め、次に活かすためにも謝る必要があります。
まれに保護者のメンツを保つために、子どもに謝らせる方もいます。
「〇〇ちゃんは謝れない子なのかな」、「謝れない子に育ってしまったのかな」と思われるのが嫌で、神経質になって「謝りなさい!」と子どもに言ってしまう方もときどきいるのです…。
これだと、子どもがなんのために謝っているのか理解できないままになるので、子どもの気持ちを代弁しながら、なおかつ、なぜ謝るのか説明しながら、謝罪を促してください。
何歳から「ごめんなさい」が言えるようになる?
さて、子どもは何歳から謝ることができるのでしょうか。
成長には個人差がありますが、だいたい4歳と言われています。4歳になると社会性が身に付きやすく、相手の気持ちを少しずつ理解できるようになるからです。
ある日突然「ごめんなさい」と言えるようになるわけではなく、段階的に謝れるようになります。
まず、保護者に促されて一緒に謝ることができるようになり、保護者に促されたらひとりで謝ることができるようになり、最終的に保護者に促されなくてもひとりで謝ることができるようになるのです。
このように、子どもがひとりで謝れるようになるには、段階を踏みます。
ごめんなさいが言える子になるためにおうちでできること
ごめんなさいが言える子になるために、おうちでできることを解説します。
- 絵本を読む
- アニメを見る
- 公園に行く
- 児童館に行く
絵本を読む
おうちでできること1つめは、絵本を読むことです。
子どもがごめんねと言えるようになるための絵本がたくさん出版されています。絵本を使って、謝ることを楽しく学ぶことをおすすめします。
おすすめの本は次のとおりです。
- 『ごめんねともだち』作:内田麟太郎 絵:降矢なな
- 『ごめんなさい』作:中川ひろたか 絵: 長新太
- 『ごめんなさい』作: サトシン 絵: 羽尻利門
- 『おかあさん ごめんなさい』作・絵: みやにしたつや
謝るシチュエーションも学べます。上記からもわかるように、絵本のタイトルには「ごめんなさい」と入っていることが多く、とてもわかりやすいです。
本屋さんの検索機能で、「ごめんなさい」と入力して絵本を探すのもよいでしょう。
アニメを見る
おうちでできること2つめは、アニメを見ることです。
主人公がなにかしらいけないことをして、謝るまでを描いた教育系アニメもあります。
しまじろうのアニメや絵本でも謝ることをテーマにしている作品があるので、探してみてください。
公園に行く
おうちでできること3つめは、公園に行くことです。
子どもを公園に連れて行って、遊ばせてみましょう。公園にはさまざまな年齢の子がいるので、積極的に遊ばせるようにしてください。年齢の違うお友だちもできるでしょう。
公園で遊んでいると、誤って手が当たってしまう、滑り台にみんな並んでいるのに横入りしてしまうなど、トラブルもときどきあります。公園なら「ごめんなさい」を実践できるシーンが多いので、実際の現場で学ぶことをおすすめします。
もちろん謝るシチュエーションにならないことが理想的ですが、ほぼそれは無理です。子どもは失敗をしながら成長していきます。お友だちに謝り、謝られることで覚えていきましょう。
児童館に行く
おうちでできること4つめは、児童館に行くです。
児童館も公園と同様、さまざまな年齢の子どもがいます。年上の子がお友だちに「ごめんね」と言っているシーンに出くわすこともあれば、自分が他のお友だちのオモチャを取ってしまい、謝らないといけないシーンになることもあり得ます。
このとき、保護者が「ごめんなさいしようね」と伝えることが大切ですが、児童館には知識のあるスタッフがいるので、謝ることへのアドバイスをしてもらえます。
児童館のスタッフは、子どもの教育のスペシャリストです。
行政が指定する養成学校を卒業している、保育士の資格がある、教員免許がある、社会福祉士の資格があるなど、専門の知識を有しているので、子育てに関するアドバイスも得られるでしょう。
なかなか子どもが謝れないときは、児童館のスタッフに相談するのもおすすめです。
YTJに入ると謝れるようになる?
最後にYTJについてです。
わたしの娘はYTJというミュージカル劇団に所属して、毎週レッスンを受けています。
くわしくはこちらをご覧ください。
国際的に活躍する若者を輩出するユースシアター(劇団)-ユースシアタージャパン(YTJ)
ダンススクールのように習い事ではなく、どちらかというと教育機関のようなところで、子どもたちの自主性、社会性を大切にしている劇団です。
子どもが自分で「ごめんなさい」と言えるように、スタッフが促すこともあるようです。
「こんなときはなんて言うのかな?」とヒントを与えてくれるそう。
ミュージカル劇団なので、誰かが欠けるとレッスンはしにくいです。ダンスのフォーメーションもひとりでも欠けると難しいのですよね…。そのため、なるべくレッスンには欠席や遅刻はしないことを推奨していて、責任感を持って参加すべきとされています。
どうしても休んでしまうときは、事前に連絡を求められていて、娘に聞いたところ、遅れてきてしまった子は「おはようございます、遅くなってすみません」とひと言伝える子がいるようです。
娘も先輩のこのような行動を見ながら、YTJの一員としてふさわしい行動をするようになりました。
また、YTJには選抜クラスというものがあります。選抜クラスに入ると、より多くの舞台で活躍できるようになるのです。出演時間が長くなることもあるみたい。(うちの娘は基礎クラスにいて、選抜ではありません)
選抜クラスはYTJの子たちの憧れの存在でもあり、基礎クラスの子はみんな入りたくて仕方ないのですが、選抜クラスにはダンスや歌などのスキル面だけでなく内面も加味されます。
きちんと謝れるか、あいさつができるか、周囲に配慮しながら行動できるか、片づけをきちんとできるか、など行動や内面もチェックされるため、謝れる子がたくさんいます。
社会性や自主性を身につけさせたい方は、子どもをYTJに入れてみませんか。
まとめ
謝れる子になる方法を記載しました。
子どもが謝れるようにする方法は次のとおりです。
- 子どもに事実確認をする
- 一緒に謝る
- 「ごめんなさいは?」と促す
- 「こんなときはなんて言うんだっけ?」と促す
- 謝れなかった気持ちを汲んで代弁する
- 相手の保護者に対して謝る
- なぜ謝るのか子どもに理解させる
- 謝れたら褒める
子どもが謝れない理由は次のとおり。
- 事実と異なるから
- 悪いことをした自覚がないから
- ショックを受けているから
- 気まずくて謝れないから
子どもが謝れないときに注意すべきことは次の2つ。
- 厳しく叱ること
- 叩くこと
子どもが謝れるようになるためにおうちでできることは次のとおり。
- 絵本を読む
- アニメを見る
- 公園に行く
- 児童館に行く
集団生活をするようになり、少しずつ社会性を獲得し、成長とともに謝れるようになることが多いです。神経質になりすぎないようにしてくださいね。