ダンス大会に出場するメリットと上位を目指すコツ
ダンスを習っていると、大会を勧められることがあります。別のスクールの子たちも参加し、順位もつくので、自分のレベルを客観的に理解することができてよい反面、大会ってちょっと怖いイメージもありますよね。
そこで今回は、ダンス大会に出場するメリット・デメリットを紹介します。
これから大会に出ようか悩んでいる方、上位を目指したいけれどどうしたらいいかわからない方は、ぜひ参考にしてみてください。
ダンス大会に出場するメリット
ダンス大会に参加するメリットを紹介します。
- 自信につながる
- レッスンをより頑張れる
- モチベーション維持になる
- ダンスが上達する
- スカラシップなど特典がある
- 受験・就職に有利になる
- 新たな目標ができる
自信につながる
ダンス大会に参加するメリット1つめは、自信につながることです。
ダンス大会の規模の大小、レベルに関わらず、ステージの上で全力を出すというだけでも、自信につながります。
「自分は~~ダンス大会に出場したんだ!」と子どもの自信につながり、それはダンスパフォーマンスの向上にもなるでしょう。
たとえ入賞ができなくても、ダンス大会に出るのは全員ではなく、スクールのなかでも選抜された子のみのことも多いため、大会に出られたこと自体も、素晴らしいこと。これも自信になり、自分のダンスが好きになるかもしれません。
レッスンをより頑張れる
ダンス大会に参加するメリット2つめは、レッスンをより頑張れることです。
ダンス大会に出るとなれば、よい成績を目指したくなり、レッスンにも身が入ります。普段先生からのご指摘をそのまま流してしまっている子も、帰宅してからしっかりとメモをして、おうちで練習することもあるでしょう。
実際に大会前や発表会前はクラスレッスンの雰囲気が違います。
「ここがわからないんです」、「これで合っていますか?」と先生に積極的に質問する生徒や、スタジオにスマホを持ち込んで、自分の踊る様子を撮影して自宅で振り返る生徒などが出てきます。
このように、いつもよりもレッスンが頑張れて、先生からのご指摘の吸収力もアップするでしょう。
モチベーション維持になる
ダンス大会に参加するメリット3つめは、モチベーション維持になることです。
ダンスを習っていると、辛いこともあります。
なぜか全然踊れない日、自分のなかで納得できない日もあるんですよね。思ったように体が動かず、自己嫌悪になることや、先生からお叱りを受けて落ち込むことなど…。
ダンスをある程度長い年数続けていると、「もう辞めてしまおうかな」と思うこともあるほどです。(もちろん個人差はありますが)
しかし、ダンス大会にエントリーしていると、嫌なことがあっても、「大会はキャンセルしなくないし、頑張らなくちゃ」と奮起するため、モチベーションの維持にもなるのです。
また、普段はレッスンでわからないところ、不安なところ、苦手なところがあっても、そのままにしてしまう子もいるでしょう。特にわからないところを、先生に聞いていいのかって難しいこともあります。(わたしが通っていたスクールは、気軽に先生に質問できる雰囲気ではありませんでした)
しかし、ダンス大会に出る場合は、わからないところや不安なところを放置しているわけにはいきません。自分なりに解決できるように工夫するはずです。問題解決能力も向上すると言えます。
ダンスが上達する
ダンス大会に参加するメリット4つめは、ダンスが上達することです。
先述していますが、ダンス大会に出るのなら、たくさん練習をして、わからないところは自分から解決できるようにたくさん練習をします。
ダンスの発表会に出た経験がある方ならわかると思いますが、おうちでもストレッチをしたり、振り付けの確認をしたり、いつもより早くスタジオに入って踊ったりしますよね。
このように、舞台に立つときは、自然と練習時間が増えるのです。
そうすれば、ほぼダンスは上達します。大会に出る前と比べて、出てからはできるようになったこともたくさん。体力や柔軟性もアップするでしょう。
ダンスを上達させたいなら、積極的に大会や発表会に出ることをおすすめします。
スカラシップなど特典がある
ダンス大会に参加するメリット5つめは、スカラシップなど特典があることです。
これはダンス大会にもよりますが、上位者になればスカラシップが得られます。
バレエだと海外のバレエ学校のスカラシップが獲得できることが多く、スカラシップにもいくつか種類があります。
【スカラシップとは】
スカラシップとは、奨学金のこと。学費を支援するための制度です。スカラシップにはフルスカラシップというものが最高位で、学費・寮費・渡航費が全額免除されます。
部分スカラシップというものもあり、これは入学許可が得られるだけで、部分スカラシップを使って留学する場合は、別途学費や渡航費などお金が必要です。
上位になればなるほど、よい待遇のスカラシップが得られます。
ダンス大会はスカラシップだけではありません。賞金が出る大会も。また、チャコットなどが協賛している場合は、グッズや商品券がもらえることもあります。
ほとんどの大会では、参加者全員に記念品がもらえるので、上位に入れなくても思い出にもなるでしょう。
受験・就職に有利になる
ダンス大会に参加するメリット6つめは、受験・就職に有利になることです。
「ダンスを習っている」と面接でアピールすることや、履歴書に書くことは自由。しかし、ただ習っていると書類に書いても、実力はなかなか伝えられません。「発表会では毎回ソロに選ばれています」と言っても、客観的なレベルは伝えられないのです。
しかし、大会であれば、順位が付くため、実力を証明しやすくなります。
大会によっては証明書を発行してもらえるので、ダンスの実力で特待生制度を受けることも可能です。(すべてのダンスの特待生制度があるわけではありません)
就職でも有利になることは十分あります。
なにかに本気になって頑張ったことは、企業から評価されるでしょう。特にダンスは協調性が必要なので、ダンスで評価された人は、高い協調性を持っていると評価され、就職でも有利になる可能性が高いです。
実際にわたしが会社員だったときに、競技ダンスの日本代表に選ばれた同期がいました。もともとは宝塚音楽学校を目指していたのですが、残念ながら落ちてしまい、その後競技ダンスを始めて実績を得たとのこと。仕事にも全力で打ち込める素晴らしい動機でした。
新たな目標ができる
ダンス大会に参加するメリット7つめは、新たな目標ができることです。
普段はダンススタジオのみでレッスンをしているので、同じスクールの子として交流がないでしょう。しかし大会になると、他のスクールの子のダンスを見ることができます。
自分のスクールにはいないようなとっても上手な子、表現力がある子などに出会えるでしょう。楽屋が一緒の他のスクールの子と友だちになったり、連絡先を交換したりすることもあるかもしれません。
また、上手な子のダンスを見て、刺激を受けることも。そこから、「~~ちゃんのようになりたい!」と新たな目標が芽生えることもあるかもしれません。
ダンス大会に出場するデメリット
ダンス大会に出場することに、デメリットもいくつかあります…。ここではそのデメリットもご紹介します。
- お金がかかる
- 失敗がトラウマになる
- 良くも悪くも結果が出る
- 評価基準が不明確
- 近所で開催されるわけではない
- 追加レッスンが必要になる
お金がかかる
ダンス大会に参加するデメリット1つめは、お金がかかることです。
発表会もお金がかかりますよね。ダンス大会に必要なお金は、発表会よりも高いことが多いです。
発表会はスクールが主催していることもあるので、日ごろの月謝をスクールがやりくりして、発表会参加費は安くなるように工夫しているスクールもあります。
しかし、ダンス大会は、外部が主催しているため、スクールの先生が参加費を安くできるように調整することはまずありません…。
ダンス大会の参加費は、20,000円から35,000円が相場。これをスクールの先生が徴収して、ダンス大会本部に振り込みます。
大会に出るには衣装も必要なので、新しく作る・買うことにもなるでしょう。バレエであれば、タイツは新品を買い、シューズも新しいもので参加する子もいます。(トウシューズは履きなれたもので参加します)
大会の成績に関係なく、終わったら先生にお礼が必要で、スクールの慣習によっては現金を包むことも…。先生にお花を贈る、打ち上げパーティーに実費で参加するなど、大会が終わったあともお金がかかるのがデメリットです。
大会の参加費+5万円はかかると考えておくと安心です。
失敗がトラウマになる
ダンス大会に参加するデメリット2つめは、失敗がトラウマになることです。
ダンス大会は自信につながる、とメリットで書きましたが、全員が実力を発揮できるわけではありませんよね。残念なことですが、失敗してしまう子もいます。
大勢の観客の前で失敗すれば、それがトラウマになることも…。わたしも、子ども時代の発表会でミスをして、
そのときにかけられた言葉は今でも忘れられず、トラウマとしても残っています。当分は、人前でパフォーマンスをするとき、「頭が真っ白になったらどうしよう」、「失敗したらどうしよう」と心臓がバクバクして、その鼓動は他人からも聞こえるのではないかというほど。
失敗から学ぶこともたくさんありますが、場合によってはトラウマになり、その後の発表会などにも影響が出ることがあります。
「もうダンスは辞める!」と言うこともあるでしょう。実際にコンクールや大会で傷ついて、お休みする子や辞めてしまう子はいます。
誰しもが本番で実力を発揮できるわけではない、ミスをする可能性もあり、それが子どもにとってのトラウマになることは大会参加の大きなデメリットです。
良くも悪くも結果が出る
ダンス大会に参加するデメリット3つめは、良くも悪くも結果が出ることです。
結果が出ることは、ダンス大会のだいご味ですが、これに納得できない子もいます。普段レッスンでは自分のほうが実力が上だと思っていた子が、大会では自分より上位に入るということもあるのです。子どもが「どうしてわたしより~~ちゃんが上なの?」と傷ついたり、怒ったりすることもあり得ます…。
この順位の結果から、ダンス仲間との関係がギクシャクしてしまうこともあるかもしれません。実際にわたしが子どもの頃は、上位の子に妬んでしまう子はたくさんいました。
結果がよくても、慢心してしまう、練習に手を抜いてしまうこともあり得ます。
大会では結果はつきものですが、精神的に左右されすぎないようにしましょう。
評価基準が不明確
ダンス大会に参加するデメリット4つめは、評価基準が不明確なことです。
ダンス大会は、みんな同じ曲・同じ振り付けで踊るわけではありません。ダンスは芸術要素が強い競技なので、評価基準が不明確に感じることもあります。
たとえば、100メートル走であれば、一番速くゴールした人が優勝です。これってわかりやすいですよね。タイムも表示されるので、「あっちの人のほうがすごいのに、おかしい!」ということはありません。同着もありますが、勝敗は明確です。
しかし、ダンスの場合は、評価基準があいまいになりやすいのが特徴。芸術性の捉え方の違いも出てきます。
評価基準は不明確なことがありますが、偏りが出ないよう、審査員は複数いるのが一般的。その審査員もさまざまな人がいます。バレエ出身、ジャズダンス出身、劇団出身など、複数の観点からダンスの評価ができるよう、審査員も偏りがないように工夫されているのです。
それでも、人によっては大会の結果に納得できないこともあるでしょう。
近所で開催されるわけではない
ダンス大会に参加するデメリット5つめは、近所で開催されるわけではないことです。
ダンス大会やダンスコンクールは全国でたくさん開催されていますが、自分のダンスのジャンルに合うもの、自分のレベルに合うものが近くで開催されているとは限りません。
大会の開催場所によっては、前泊をしてから参加することも。交通費や宿泊費がかかることもあります。
追加レッスンが必要になる
ダンス大会に参加するデメリット6つめは、追加レッスンが必要になることです。
これはスクールによって異なるのですが、少なくともわたしが在籍したことのあるすべてのスクールで、大会前は追加レッスンがありました。
強制参加とは言われていませんが、実質強制のようなところもあり、「コンクールに出る子を対象にした特別レッスンのお知らせ」というようなプリントが保護者に渡され、コンクール参加と伝えた以上は、特別レッスンも受けなければ…と保護者が思うようです。
追加レッスンなので、通常レッスンとは異なり、月謝には含まれていません。つまり、追加でレッスン費がかかるということです。スクールによってはマンツーマンレッスンになる可能性もあり、普段のレッスン費用よりかなり高額になることもあり得ます。
上記のように、ダンス大会への参加はメリットばかりではありません。お金もかかるので、よく家族で話し合ってから出場を決断しましょう。
【ダンス大会】ソロとグループどっちがいい?
ダンス大会の多くには、「〇〇部門」というように、部門が分かれています。ほとんどの場合は、ソロ部門とグループ部門に分かれているのですが、どちらにエントリーするとよいのか悩む方もいるかもしれません。
まず、ソロ部門とグループ部門のどちらがいいとは一概に言い切ることはできません。
ダンスの先生から勧められるはずなので、勧められた方にエントリーしましょう。
ソロ部門
ソロ部門とは、ひとりで踊る部門のこと。舞台上で、仲間はいません。自分ひとりで最後まで踊ります。
ソロ部門は、自分の特徴に合った振り付けをしてもらえるので、自分を出しやすいのがメリット。また、無理のないレベル・自分の実力を十分に発揮できて、魅力を伝えられるレベルの振り付けをしてもらえるので、舞台上で自分らしいパフォーマンスができるのもメリットです。
仲間がいないということは、周囲に合わせる必要はありません。
個性がある子は、誰かに合わせることなく自分らしく踊ることができるでしょう。
「大会の結果=自分の実力」と評価が直結するため、結果によっては大きな自信となります。
ただし、ソロ部門の場合、参加費はグループ部門より高額です。
グループ部門
グループ部門は、2人以上の複数人で踊る部門です。「グループの子たちは、ソロに選ばれなかった子たちでしょ?」と発言した友人がいましたが、これは違います。
たしかにソロ部門は、スクールの中でも上手な子が選抜される傾向があるのは事実ですが、グループ部門に選ばれる子は、協調性がとても高い子、周囲に合わせるのが上手な子、リーダーシップがありグループを引っ張っていける子などが抜擢され、決して下手な子たちではありません。
ダンスをそろえるのは、とても難しいです。足の高さの位置だって、「わたしはここまで上がるんだ!」と思いっきり高くすればよいわけではなく、みんなに合わせることも必要になり、苦戦する子がとても多くいます。
実際にわたしが子ども時代にバレエスクールで一緒だった子は、発表会でもソロで活躍をしていましたが、バレエ団に入ってから、合わせることに苦労をしたと言っていました。
グループ部門は、迫力があり、きれいにシンクロするダンスは圧巻です。
仲間全員で成功することへの喜びが得られるのも、グループ部門ならではです。
ダンス大会で上位を目指すコツ
ダンス大会で上位を目指すコツを紹介します。
- 振り付け・選曲はよく相談をする
- 無意識でも体が動くようになるまで練習する
- 自分の雰囲気・性格に合った振り付け・曲で踊る
- 背伸びをしない
- スタジオで練習したとおりのことをする
- ステージに出る前後10秒も本番だと意識する
- なにを伝えたいのか明確にする
- 受動ではなく能動を意識する
- マンツーマンレッスンを受ける
- ルーティンを作る
- できないと言わない
振り付け・選曲はよく相談をする
上位を目指すコツ1つめは、振り付け・選曲はよく相談をすることです。
ほとんどの場合は、ダンスの先生が振り付けをして、曲も選んでくれるかと思いますが、振り付けはもう少しこうしたい、この振り付けは少し苦手だ、となにかあれば、先生にしっかりと相談しましょう。
曲も、事前にこれがいいというのがあれば、先生に相談を持ち掛けるのもよいかと思います。
ただし、先生は生徒のことをよく考えて、振り付けや曲を選んでくれています。それを否定するような発言にならないよう注意をしましょう。
無意識でも体が動くようになるまで練習する
上位を目指すコツ2つめは、無意識でも体が動くようになるまで練習することです。
これは発表会でも言えること。人前でダンスパフォーマンスをする鉄則です。
ダンスを踊っているときに、なにか考えてしまうこともあるかもしれません。「次はなんだっけ?」、「えーっと次は~~だよね」と考えて踊っている子もいますが、これだと本番失敗する可能性大です。
緊張すると頭が真っ白になることがあるからです。「振り付けなんだっけ?」と思っても、いつもなら思い出せることでも、舞台上では頭が働かず思い出せないこともああります。
何度も何度も振り付けを踊って、体にダンスを染み込ませましょう。
仕組みは違いますが、自転車に乗ることを想像してください。自転車の乗り方はもう体に染み込んでいますよね。考えなくてもスムーズに乗れるでしょう。
このような感じで、ダンスもなにも考えずに踊れるくらい、やり込んでください。そうすれば、緊張で頭が真っ白になったとしても、音楽がかかれば体が動くはずです。
普段できることも本番ではできなくなるかもしれない、つもりで反復練習しましょう。
自分の雰囲気・性格に合った振り付け・曲で踊る
上位を目指すコツ3つめは、自分の雰囲気・性格に合った振り付け・曲で踊ることです。
バレエには「はまり役」というものがあります。
どんな役でも踊れたらよいのですが、やはりその人の持ち味がいかんなく発揮できる役がよいのです。プロフィギュアスケート選手の羽生結弦さんは、現役時代SEIMEIがはまり役でした。ご本人もそれを理解していたので、2シーズン披露していましたよね。
羽生結弦さんはとても能力の高いスケーターで、どんな作品でも演じ切ることができますが、その中でもSEIMEIはらしさがよく出ていたのです。
このように、自分らしさが出せるものを踊りましょう。無理をしてらしくない雰囲気を出していると、審査員はわかります。ダンスの審査員は、たくさんのダンサーのパフォーマンスを見てきているので「この子は、演じているだけで本当の自分を出していないな」と感じるものです。
自分らしい振り付けをしてもらえるよう、よく先生と相談をしましょう。
背伸びをしない
上位を目指すコツ4つめは、背伸びをしないことです。
ダンス大会で上位を目指したい気持ちはよくわかります。上位を目指すなら、難しい振り付けにチャレンジしなくては…と思うこともありますよね。
しかし、無理をしていると間違えないことや踊ることに精一杯で、自分らしさを出すことができません。
舞台上で自分をよく見せようと、練習のときにはしていないようなことに本番でチャレンジすることがあります。たまーにそういう子がいるのですが、失敗するリスクが高いです。「いつもより高く足を上げよう」、「1回多く回転してみよう」と欲を出さずに、やってきたことをそのまま踊りましょう。
ステージに出る前後10秒も本番だと意識する
上位を目指すコツ5つめは、スター時に出る前後10秒も本番だと意識することです。
舞台袖では緊張しますよね。1つ前の子のダンスを見ていて、「わー、あの子上手だな」、「間違えてしまったらどうしよう」など、袖ではいろいろなことを考えてしまいます。そうこうしているうちに名前を呼ばれ、自分の出番が来てしまい、踊るモードが作れないままステージに上がる子もいます。
舞台袖はステージが見えるので、圧倒されてしまうこともありますが、袖はもう本番だと思ってください。袖に行った時点で集中しましょう。
ダンスが終わったあとも同じです。ステージから去るときも審査員に見られています。よくあるのが、ご挨拶(レベランス)をしたあと、安心してしまうのか、はけるときに姿勢が悪くなり、一気に抜けてしまう子です。もう見られていないと思ってしまうのでしょう。
しかし、これはNG。舞台にいる限りは、まだ自分のステージで、審査員もお客さまも見ています。袖に入ってから、しばらくはまだステージモード、本番モードを維持してください。
なにを伝えたいのか明確にする
上位を目指すコツ6つめは、何を伝えたいのか明確にすることです。
なんとなく踊っているだけでは、ダンス大会の上位には入ることはできません。そのダンスを通じて、何をと伝えたいのか、明確にしましょう。ダンスのテーマを作るのもよいかと思います。テーマや伝える内容は、自分で勝手に作るのではなく、先生と相談することをおすすめします。
受動ではなく能動を意識する
上位を目指すコツ7つめは、受動ではなく能動を意識することです。
これはどういうことかというと…ダンスの振り付けは最初は覚えながら・考えながら踊るので、受動的に動きます。しかし、いつまで経っても受動的に踊っていては、上達はしません。
大会の上位の子はただ踊るだけではなく、どう自分を表現するか、なにを見てもらいたいかを考えています。それは受動ではなく能動です。
どう踊るか、どう練習するか、なにを伝えるか、自分でも考えてみましょう。わからない場合は、必ず先生に相談してくださいね。
マンツーマンレッスンを受ける
上位を目指すコツ8つめは、マンツーマンレッスンを受けることです。
スクールにマンツーマンレッスンがある場合は、ぜひ受けてみましょう。もちろん普段指導してくれている先生のマンツーマンレッスンがおすすめです。
わたしも何度もダンスの先生のマンツーマンを受けてきましたが、やっぱり違います。先生が自分だけを見ているので、できないところ、できるところをしっかりと指摘してくれるのです。マンツーマンレッスンはお金がかかりますが、グループレッスンのときよりもよく見てもらえるので、上達できますよ。
ルーティンを作る
上位を目指すコツ9つめは、ルーティンを作ることです。
少し前だと、ラグビーの五郎丸歩選手のルーティンが有名になりました。2023年10月現在の幕内力士の北勝富士関も土俵の上で独特のルーティンをしています。
ジンクスやゲン担ぎとして「これをやれば心が落ち着く」というルーティンを作ってみるのもよいでしょう。
できないと言わない
上位を目指すコツ10つめは、できないと言わないことです。
これはかつてのわたしの恩師の教えです。「先生は生徒のことを期待して課題を出してきている。できると思って挑戦させているのだから、できないと答えてはいけない」と言っていました。
先生は生徒のことを普段からよく見ています。
毎回のレッスンで生徒のダンスの実力や精神力を理解しているので、「今はできないけれど、頑張ればここまではできるはずだ」というのをわかっているのです。
生徒にとって、無理難題に思えても、きちんと努力をすればできるようになることもたくさんあります。最初からできないと言わないようにしましょう。先生に失望されたり、この子はすぐに諦める子だと判断されてしまいます。
まずは挑戦してみて、先生に出された課題は絶対できるはずだと信じて練習をしてください。
主な国内のダンス大会
国内のダンス大会を紹介します。
- 高校生ダンスバトル選手権
- マイナビダンスアライブ
- JYDF
高校生ダンスバトル選手権
1つめは、高校生ダンスバトル選手権です。
国内最大級の高校生を対象にした大会なので、ヒップホップなどを踊っている子はぜひ参加してみせんか。ダンスディライトのサイト内では、大会だけでなくショーケースなどダンスイベント情報を多数掲載しています。ショーケースだと順位がつきませんが、気になるものがあれば出場してみませんか。
DANCE DELIGHT WEB SITE – ダンスディライト公式サイト
マイナビダンスアライブ
2つめは、マイナビダンスアライブです。
こちらも国内最大規模のダンス大会です。
おとなのダンサーはもちろんですが、キッズダンサーも参加ができるイベントです。開催場所は国技館で、有名アーティストが立つような舞台でのパフォーマンスは一生の思い出になるでしょう。
予選からハイレベルですが、挑戦してみませんか。
JYDF
3つめは、JYDFです。
こちらはジャパンユースダンスフェスティバルの略で、うちの娘が通うYTJが主催しているダンス大会です。
こちらについてはくわしく後述します。
ジャパンユースダンスフェスティバル – 主催ユースシアタージャパン (jydf.jp)
YTJのJYDFとは
JYDFは、YTJ主催のダンス大会です。
地方予選から本選を目指して、エントリーします。ソロ部門とグループ部門があり、さらに年齢で部門が分かれています。
ジャンルは不問とされていますが、ミュージカル劇団のYTJの大会なので、ジャズダンスが多いと言えます。
エントリーは誰でもでき、YTJ以外の子も参加が可能。毎回テーマが設けられていて、そのテーマをダンスで表現します。ただ上手かどうかではなく、テーマに忠実か、世界観ができているか、メッセージ性があるか、などが審査基準です。
ジャパンユースダンスフェスティバル – 主催ユースシアタージャパン (jydf.jp)
YTJのメンバーならJYDFで優遇される?
YTJが主催のダンスイベントなら、どうせYTJの子が優遇されるんでしょ…と思ってしまいがち。
たしかに、上位の子はYTJの子も多いです。それは、YTJの子たちが積極的に参加しているから。
主催イベントなので、レッスンを受けていて、YTJから「JYDFに出ませんか」となるのは当然です。実際にレッスンもJYDF向けの内容になるので、自然と出場することになります。そのため、どうしてもYTJ出身の子の参加率が高いのです。
しかし、審査員は平等に審査をします。
誰がYTJの子なのか、外部の子なのかは審査員はわかりません。
直近の大会で、YTJの劇団代表も審査員として入っていますが、劇団代表としての審査もするというだけで、YTJの子だけを高評価しようというわけではないはずです。
外部のダンス好きの子もぜひ参加してみませんか。
まとめ
ダンス大会に参加するメリット・デメリットを解説しました。
メリットは次のとおり。
- 自信につながる
- レッスンをより頑張れる
- モチベーション維持になる
- ダンスが上達する
- スカラシップなど特典がある
- 受験・就職に有利になる
- 新たな目標ができる
ダンス大会に参加するデメリットは次のとおり。
- お金がかかる
- 失敗がトラウマになる
- 良くも悪くも結果が出る
- 評価基準が不明確
- 近所で開催されるわけではない
- 追加レッスンが必要になる
上位に入賞するコツは次のとおりです。
- 振り付け・選曲はよく相談をする
- 無意識でも体が動くようになるまで練習する
- 自分の雰囲気・性格に合った振り付け・曲で踊る
- 背伸びをしない
- スタジオで練習したとおりのことをする
- ステージに出る前後10秒も本番だと意識する
- なにを伝えたいのか明確にする
- 受動ではなく能動を意識する
- マンツーマンレッスンを受ける
- ルーティンを作る
- できないと言わない