続・バレエの上達方法!回転系のパ(ピルエット)を上達するコツ
前回の記事でバレエの上達方法について記載しましたが、コツはまだまだあります。
今回は続編として、回転系のパ(ピルエット)を上達するためのコツをご紹介します。
比較的子どもは回転系が好きですが、苦手意識がある方もいるでしょう。特におとなからバレエを始めた方だと、目が回るのが怖いという方も少なくはありません。ぜひコツを参考にしてください。
回転系のパの上達のコツ
回転系のパの上達のコツを紹介します。
- ルルベで立つ
- 体を反らない
- 怖がらない
- 素早く腕を追いかける
- 引き上げる
- プリエで床を踏む
- 1/4、1/2で練習する
- 体を水平にする
- ピルエットボードを使う
ルルベで立つ
バレエの回転系のコツ1つめは、ルルベで立つことです。
ピルエットは、かかとを付けた状態ではなく、ルルベ(かかとを上げた状態)で回ります。
このルルベができていないと、そもそも回転することはできません。まずしっかりと上に立つことを意識してください。
おうちでは、足をルティレにしてルルベをキープ。できれば腕はアンオーにしましょう。
タイマーを使ってどれくらいルルベをしていられるか計ってみてください。毎日続ければ、体幹が鍛えられ、ルルベの時間も長くなりますよ。
ピルエットが苦手な人の多くは、回転が終わる前にかかとがついてしまっています。ルルベが耐えられない状態になっているので、まず上に立つことを意識してください。頭のてっぺんがピーンと上から引っ張られるように立つとよいですよ。
スタジオでピルエットをするときは、「もうおりたい、かかとを付けたい」と思っても、あと1秒でいいから我慢。これで前よりも回転できるようになります。これを繰り返すことで、ルルベをしている時間が長くなり、以前より回れるようになるでしょう。
体を反らない
バレエの回転系のコツ2つめは、体を反らせないことです。
ピルエットを回る前に、力み過ぎて4番プリエの状態で背中が反っている人を見かけます。
自分が反っている自覚がある方は、背中をまっすぐにする練習をしてください。
一度ピルエットをしている動画を撮影するのもよいですよ。
背中が反っていないか、きちんと立っているか、チェックしましょう。
姿勢をよくしようと思って、かえって反ってしまう人もいるので、ピルエットの前のポーズを鏡でチェック。スタジオで回るときも、一瞬鏡を見て確認してください。
怖がらない
バレエの回転系のコツ3つめは、怖がらないことです。
すみません、これは根性論になってしまいますが、ピルエットをはじめ、回転系が苦手な人の多くは、強い苦手意識や恐怖心があります。
- 過去に目を回したことがある
- 乗り物酔いをする
- 過去にピルエットなどで滑って転倒したことがある
上記にあてはまると、回転系のパに恐怖心を抱きます。
怖がると、体が萎縮してしまいうまく回れません。
恐怖心がある人は、おうちで少しずつ練習して体を慣らしていきましょう。
滑って転倒した経験はとても怖かったかと思います。おうちで練習するときは、広い場所で練習しましょう。家具に体が当たらないように注意してください。
素早く腕を追いかける
バレエの回転系のコツ4つめは、素早く腕を追いかけることです。
ピルエットの前にプリエをしますよね。そのときに腕を開きます。アンデオール(右を引く回転、時計回り)の場合は、腕を素早く動かして左腕が右腕を追いかけるようにしましょう。
アンデオールの場合、「右へ、右へ」と意識するかと思います。そうすると右腕のことばかり意識をしてしまい、左腕がおろそかになりがち。右利きだとなおさらです。ピルエットのときに左腕を素早く右に動かしましょう。このとき右手も左手も平行に動かしてください。
引き上げる
バレエの回転系のコツ5つめは、引き上げることです。
筋肉が引きあがっていないと、回転はできません。
回転軸は細いほうが回りやすいのは、コマを想像すればわかるかと思います。細い軸を作るには、体を引き上げなくてはいけません。
腹筋を引き上げましょう。
先述したルティレのルルベをするときは、引き上げも意識してください。腹筋は肋骨の中に収めるイメージです。
プリエで床を踏む
バレエの回転系のコツ6つめは、プリエで床を踏むことです。
ピルエットをする前はプリエをしますが、このときなんとなく膝を曲げるのではなく、足の裏でしっかりと床を踏んでください。床を踏んだ力を使ってルルベで上に立つと、回転しやすくなります。
【床を踏むって…?】
床を踏むってかなり難しいですよね。だってわたしたちは宙に浮いていないので、立っているとき常に床を踏んでいるのですから。それなのに先生は「もっと床を踏んで!」と言うのです。
体が斜めになって立っていると、床をきちんと踏めていません。
姿勢よく、まっすぐに立つことを意識して鏡の前で立ってみましょう。そうすると足の裏で床を押すことができます。
床を踏む=正しい姿勢で立つ、ということです。
鏡の前でまっすぐ立つ、お尻・背中・首の裏がまっすぐになっているか確認しましょう。お尻が出ている方は引っ込めてくださいね。
ただし、ギュッと踏むと土踏まずがつぶれてしまうので、注意です。土踏まずはつぶさないようにしましょう。
1/4、1/2で練習する
バレエの回転系のコツ7つめは、1/4、1/2で練習することです。
いきなり1回転をするのではなく、まずは1/4回転から始めましょう。
バレエ初心者でも、1/4回転ならできるはずです。ただ1/4回転まわるのではなく、姿勢、ルティレを意識します。すぐに足を床に下すのではなく、ギリギリまでルルベ・ルティレでキープ。
1/4に慣れてきたら、1/2です。これを続けて、1回転を目指しましょう。
ダブルを目指す方もこれと同じ要領でやってみましょう。
体を水平にする
バレエの回転系のコツ8つめは、体を水平にすることです。
ピルエットは、体が水平ではないと回れません。
肩の高さがバラバラ、骨盤が斜めになっている…このような状態だときれいに回れないのです。
コマを回すときも、コマ本体が斜めになっているとグラグラしてしまいすぐに倒れて回転が終わってしまいますよね。コマがまっすぐではないと長く回転できないのです。
おうちで練習するときは、鏡の前でレオタード着用の状態で回りましょう。
より上達したい方は、ガムテープを肩、腰に貼ってください。体にガムテープの横線が入るようにして貼ります。
ガムテープがまっすぐになるように意識して、回転をしましょう。
ピルエットボードを使う
バレエの回転系のコツ9つめは、ピルエットボードです。
こちらは、ネットで2,000円ほどで売られているので興味があれば買ってみませんか。ピルエットボードに軸足を乗せて、くるっと回ります。ピルエットボードは反っているので、回りやすいのです。
ただし、足を乗せるだけで勝手にくるくる回ってしまうので、目が回ったり、よろけたりすることがあります。
ピルエットボードは、回転に慣れるために使うのがおすすめです。1回転もまわれないという人は、ピルエットボードで1回転や1回転半をまず体験してみましょう。回ることに体が慣れると、ピルエットへの恐怖心も和らぐはずです。
またピルエットはルルベの状態で使うのには向いていません。アテールで乗りましょう。
ピルエットボードでたくさん回ることを目指すのではなく、ボードから落ちないように軸を安定させることを目指してください。
さて、バレエの先生からは「顔をつけて」、「スポットを見て」と言われますよね。顔をつけるって結構難しいです。顔の高さの位置にある適当なものを「目標」とします。回転しているときに、ギリギリまでその「目標」を見て、「もう首が耐えられない!」となったら、反対側にくるっと頭を動かして再び「目標」を見るのです。
※言葉での説明は難しいので、YouTubeなどでピルエットの動画を参考にしてください。
スタジオでレッスンをするときは、鏡に映った自分の顔をスポットにするのがおすすめです。
なぜスポットを見るのかというと、目が回らないようにするためです。顔を付けることで、ピルエットをしても頭は180度しか動かないため、目が回りにくくなります。
まだ1回転もピルエットができない、という方は、「体を平行に…、しっかりルルベで立って、腹筋を引き上げて…あ、顔もつけなくちゃ」とあれこれ考えているかと思います。でもこれだと混乱しませんか。最初は顔をつけること、つまりスポットを見ることは一旦無視をして、1回転回ることに集中することをおすすめします。
ピルエットに慣れてきたら、顔をつける練習をしましょう。
目が回ったときの対処法は?酔い止めを飲んだほうがいい?
ピルエットをやっていて目が回った経験はありませんか。1回まわっただけなら大丈夫でも、レッスンで何度もピルエットやシェネ、ステニュー、フェッテなどをしているとクラクラすることがありますよね。
過去に、お子さんをバレエ教室に通わせているお母さんから、「娘がバレエで目が回るのを怖がっているので、酔い止め薬を飲ませたほうがいい?」と聞かれたことがあります。
こちら、結論ですが、バレエで目が回っても酔い止めを飲む必要はないです。
車に乗るときは、長時間揺れるので酔ってしまうこともありますよね。
しかし、ピルエットで回るのは一瞬です。一瞬視界がクラクラはしますが、慣れてくるとすぐに元に戻ります。そして、慣れると目が回らなくなるのです。
目が回ったときの対処法もあるので、よほどのことがない限りは酔い止めは必要ないと言えます。
目が回ったときの対処法
バレエを踊っていて目が回ったときの対処法は、手のひらを見ることです。
手のひらを手鏡だと思ってください。手鏡で自分の顔をのぞきこむ感覚で、手のひらを見ます。ジーっと見ていると、目がまわるのがおさまってきます。人によって差はありますが、10秒以内にクラクラが落ち着いてくるでしょう。
これはわたしの先生が教えてくださった方法で、実際にわたしもよくやりました。おすすめですよ。おまじないだと思ってやってみてください。
バレエダンサーでも目が回る?
バレエダンサーでも目が回るものなのでしょうか。
こちら個人差はありますが、プロのダンサーでも目が回ることがあります。
普段スタジオで回転系のパをするときは、あまり目がまわりません。それは鏡に映った自分の顔をスポットして見ているからです。
しかし、舞台に上がったときは鏡がないので目が回ることがあります。黒鳥のグランフェッテのあとは、目を回すダンサーもかなりいます。
また、グランパドドゥをするときに、女性ダンサーは男性のソロ中は袖で必死で酔いを醒ましていることも。笑 で、酔いが覚めないうちにコーダが始まってしまうこともあるのです^^;
プロでもこのようなことはあります。
ちなみに、わたしの友人は、子どもからバレエをやっているかなりの上級者。しかし、仕事が忙しく1年ほどレッスンに行けなかった時期がありました。久しぶりに踊ろうと、体験レッスンに行ったそう。
バレエ経験年数が長い人が体験で来たので、先生も気持ちよくなってしまったのか、グランフェッテ、シェネ、イタリアンフェッテなど回転系をたくさんやったとのこと。レッスン中は集中していて大丈夫だったそうですが、終わったら突然めまいがしたそうです。
友人は車で体験レッスンに行ったのですが、とても車を運転できる状態ではなく、お母さんにお迎えに来てもらい、その後自宅で嘔吐してしまったと言っていました!
この友人の例は極端で、初心者でこのようなことはありませんが、経験者でも目を回すことはあるとご理解ください。
まとめ
前回の記事に引き続きバレエの上達方法をまとめました。
回転系のパの上達方法は次のとおりです。
- ルルベで立つ
- 体を反らない
- 怖がらない
- 素早く腕を追いかける
- 引き上げる
- プリエで床を踏む
- 1/4、1/2で練習する
- 体を水平にする
- ピルエットボードを使う
苦手意識がある人もいますよね。特に小学校高学年以降にバレエを始めた子、おとなからバレエを始めた方にはあるあるかと思います。
目が回るのはある程度慣れていきます。おうちでも練習して、クルクルに体を慣らしていきましょう。ただし、急に回転系をたくさん練習すると体に悪く、吐き気をもよおすこともあります。少しずつ練習量を増やしてくださいね。