子どもに演劇を習わせるメリット・デメリットとは

うちの子はユースシアタージャパンという劇団に入って、演劇を習っています。演劇を習う魅力ってどんなものがあるのか気になりませんか。

海外では演劇教育(ドラマ教育)というものがあります。演劇部というものもあり、子どもの情操教育によいとされているのです。

そこで今回は、子どもに演劇を習わせるメリット・デメリットについて解説します。

これから演劇を習わせたい方はぜひご参照ください。

習い事としての演劇

演劇を習い事として始めるお子さんがいます。ちょっと珍しい習い事ではありますが、人気もあるのですよ。

演劇サークル、演劇教室、子ども劇団などがあります。少人数でやっている劇団もあれば、全国規模で1,000人以上の劇団員がいる劇団も。

演劇を習うメリットとは

演劇という習い事があるということはお分かりいただけたかと思いますが、どんなメリットがあるのでしょうか。ここでは、演劇を習うメリットをご紹介します。

演劇を習うメリット|発声方法を学べる

演劇を習うメリットとして、発声方法が学べることが挙げられます。

劇団員の方、舞台俳優さん、子役さんを想像してみてください。ハキハキとしゃべって、通る声を想像しませんか。これは舞台に立って演技をするときに、観客席の奥にいる方にもしっかりと聞こえるように声を出すために、日頃から練習をするからです。

マイクに頼ることを前提としていないので、(舞台の規模によってはマイクが設置されていますが)基本的に大きな声を出す必要があるのです。

多くの劇団では、発声練習をします。
お腹からしっかりと声を出すのです。

このことから、劇団に入ることで自然と声が通るようになり、ハキハキしたしゃべり方になるのです。

引っ込み事案な子、声が小さくて話すことに自信がない子をあえて劇団に入れて、克服させたい保護者さんもいます。

演劇を習うメリット|歌やダンスが上達する

演劇を習うメリットとして、歌やダンスが上達することも挙げられます。

演目によっては歌やダンスがあるため、基礎練習としてリズム練習、歌唱練習がある劇団は多いのです。ダンス教室のように、がっつり踊ることはなくても、劇団でも基本的なダンスはしっかりと学べます。

演劇で披露するダンスのジャンルはたくさんあります。その演目によって披露するダンスが異なるため、劇団なら幅広いジャンルのダンスを学べるでしょう。

ジャズダンス、バレエ、ヒップホップ、タップダンスなど、ダンス全般を身に着けることができるのも魅力です。

演劇を習うメリット|演技が身につく

演劇を習うメリットとして、演技が身につくことが挙げられます。演劇なので、当然ですよね笑^^

ここから、演劇や演技に興味を持って、舞台でもっと活躍したがる子や、ドラマや映画に出演したがる子もいるでしょう。子どもの将来が広がります。

実際に活躍している俳優さんで劇団出身の方、子ども時代に演劇をしていた方もたくさんいます。

また、演技が身につくことで、小学校の学芸会で活躍できるかもしれません。

ちなみにわたしの小学校の同級生にも子ども劇団にいた男の子がいて、よく覚えています。その子は声がとても綺麗で、国語の音読がとっても上手。

学芸会でその男の子が演技をすると、みんな「おおー」と言っていました笑。学芸会でも堂々としていて、声が通っていたので、ひとり別格だった記憶がすごくあります。

演劇を習うメリット|礼儀作法が身につく

演劇を習うメリットは、礼儀作法が身につくことです。

演劇教室はマナー教室ではありませんが、礼儀作法を重視していることが多いです。
うちの子が通っているYTJ(ユースシアタージャパン)という劇団も同様で、ごあいさつなどのマナーはしっかりとした指導があります。

うちの子がいるクラスでは、ごあいさつがしっかりできていないと、やり直しになることも…。

演劇は、礼に始まり、礼に終わります。観てくれるお客さまがいることで、はじめて演劇が成り立つのです。感謝の気持ちを忘れてはいけません。

日頃から、礼儀に対しての指導が受けられるので、ごあいさつができるしっかりとした子どもになるでしょう。

演劇を習うメリット|コミュニケーション能力が身につく

演劇を習うメリットとして、コミュニケーション能力の向上があります。

演劇はセリフがありますよね。自分が演じるキャラクターになりきって、セリフを話します。キャラクターを演じることで、コミュニケーション能力がアップするのです。

ほとんどの演劇はひとりではおこないません。(ひとり劇もありますが…)
劇団のメンバーと一緒に「ここの演技はもっとこうしよう」と話し合うこともあるでしょう。ひとりではできない演劇をすることで、対話力が身につき、相手の話をよく聞ける子になるはずです。

うちの子が通うYTJも同様で、「話している人がいるときは、しゃべらない」、「わからないときは質問しよう」、「お礼をしっかり言おう」と教えてくれます。社会で生きていく上で必要な社会性を学べるのです。

うちの子は、YTJに半年ほど通ったあたりから、しっかりと人の話を聞けるようになってきて、大きな変化を感じます。ごあいさつもしっかりとできるようになってきました。

演劇を習うメリット|自己アピール力が身につく

演劇を習うと、自己表現、自己アピール力が身につきます。

台本を読んで、感じたこと、思ったことを言葉にして表現するようになるのです。演技でも自信を持って表現できるようになるでしょう。

すでに記載しましたが、舞台での演技は客席の最後尾の人まで伝わる必要があります。どうしたら今の感情が伝えられるのか、考えながらレッスンしていくことになります。

舞台や発表会でよい役をもらうため、ダンスソロ、歌ソロを獲得するためにも、レッスンで自分の能力をアピールする必要があります。

みんないい役をもらいたいので、クラスの仲間と切磋琢磨することもあるでしょう。周囲の子を見ることで、どうしたら自分の魅力がアピールできるのか、学ぶことができるはずです。

ちなみにうちの子は、YTJの発表会で自分よりもうんと上手な子のパフォーマンスを見る機会がありました。子どもなりに刺激を受けたみたいで、「かっこいい! すごい!」と大興奮。娘なりに、どうしたらよく見えるのか、学んだようで、家で練習するときの表情も変わってきました。

演劇を習うメリット|チームワークを学べる

演劇を習うことで、チームワークが学べます。

ほとんどの演劇はひとりではなく、みんなで作り上げます。
舞台上にいるメンバーだけでなく、照明スタッフ、脚本家、指導してくれた先生など、たくさんかかわる人がいます。

みんなで1つの作品を作り上げるため、チームワークを学べるでしょう。

また、本番はなにがあるかわかりません。セリフが飛んでしまう、ダンスを間違えてしまう、当日急遽欠席してしまうメンバーがいる、などトラブルがあるかもしれません。そんなときに、舞台上でさっとフォローしてくれるメンバーもいるでしょう。

こうして、臨機応変に対応するチームワークならではのことが学べます。

演劇を習うメリット|身振り手振りの所作が身につく

演劇を習うメリットは、身振り手振りの所作が身につくことです。

舞台上でより魅力的に見せるために、先生から所作の指導も受けられます。「もっとこうしたほうがよりきれいに見える」とアドバイスしてもらえることも多く、実際にうちの子もYTJに入ってから見た目も変わってきました。

具体的に言うと、姿勢です。背筋はかなり変わると思います。
姿勢がいいほうが舞台では映えるので、よく指導してもらえるのです。

「下を向かないで」、「自信を持って」、「もっとピシっと!」と指導をいただくことも多いです。

劇団で活動することで、堂々とした所作の子どもになることでしょう。

演劇を習うメリット|共感力が身につく

演劇を習うことで、共感力が身につき、人の気持ちがわかる子になるというメリットもあります。

自分が演じるキャラクターの心情を考え、それを追求して 演技をします。「このキャラクターはどうしてこういうセリフを言ったのかな」と考えることが多いのです。

先生が「このときのキャラクターの心情を想像してみよう」と誘導してくれることも。みんなでキャラクターの気持ちを考えるのです。

劇団に入ることで、自分とは違う境遇の役柄の気持ちを、相手の立場になって考える機会が増えます。

学校のお友だちの気持ちがわかるやさしい子になるでしょう。他社の気持ちによりそえるということは、簡単なようで、なかなかできないおとなもいます。誰にでもやさしい子になってほしいですよね^^

演劇はお金がかかる?費用・月謝は?

演劇を習わせるメリットはたくさんあることがわかりましたね。うちの子にもやらせてみたい! と思っている方も多いのではないでしょうか。

ここでは演劇を習うのにどのくらいお金がかかるのか解説します。

入会金

演劇を習うのに、演劇サークル、劇団などに入ると多くは入会金が必要になります。入会金の相場は、2万円から3万円くらい

なかには入会金不要の劇団もあります。

劇団によって費用は異なるので、複数調べてみて費用の比較をしてみましょう。

月謝

演劇を習うのに必要な月謝の相場は、だいたい1万円から2万円です。

こちらも劇団によって異なります。小さなサークルで、公共施設(体育館や公民館)などで活動している劇団であれば、月謝が安い可能性があります。

月謝もしっかりと比較してくださいね。

演劇は負担が大きいこともある

劇団の入会金相場は、約2万円から3万円で月謝は約1万円から2万円ですが、それ以外にもお金が発生することがあり、結果的に結構お金がかかってしまうこともあるのです。

ここでは、入会金、月謝以外に必要な演劇の費用についてご紹介します。

衣装代

演劇で必要になる費用で、衣装代があります。

本番で舞台に上がるとき、役に合った衣装が必要になります。全員でおそろいの衣装を着ることもあるでしょう。家にある私服で舞台に上がれないことも多いので、衣装を買うパターンも多いのです。

複数の役を演じる場合や、着替えがある役であれば、いくつか衣装を用意することもあるので、その分費用がかかります。

劇団によっては、保護者さんに衣装の制作をお願いされることも…。手芸が苦手な方であればちょっと負担ですよね。
手作り衣装だと保護者の時間的な負担もかかってきます。

発表会代

演劇を習うと、発表会がほぼ必ずあります。基本的に、発表会を前提にしたレッスンなので、参加は必須のことがほとんど。発表会を断る子はあまりいません。

その発表会に出るためには、別途費用がかかることが多いのです。発表会をするためには、ホールや体育館などの会場をレンタルする必要があり、それにはお金がかかります。

この費用がかかるため、生徒がある程度費用を負担することになるでしょう。

場所代以外にも、プログラム代、小道具代、CD代、DVD代、写真代などがかかります。

チケットノルマ

場合によっては、チケットノルマがかかることも…。

3人家族なのに、チケットは5枚からの購入をお願いされることがあるのです。3人家族で5枚チケットを買えば、2枚余ってしまいますよね…。この場合は、祖父母などに声をかけて、チケットを購入してもらい発表会を見に来てもらうのです。

このチケットノルマは保護者の負担になることもしばしば。チケットをさばくのに苦戦する保護者もいます。

保護者会への協力

保護者会への協力を求められることもあります。

たとえば、発表会後の打ち上げの幹事をお願いされたり、費用のとりまとめや、子どもたちの着替えのお手伝いをお願いされるなど、保護者会で役割がある劇団もあります。

働いている保護者さんであれば、大きな負担になることもあるでしょう。

忙しい保護者さんであれば、保護者会制度のない劇団をおすすめします。

ちなみにうちの子が通っているYTJでは保護者会制度はありません。YTJを選んだのは、親の負担の少なさもあります。気楽に習わせたい方は、保護者のサポート負担が少ない劇団がよいでしょう。

【子ども】どんなところで演劇は習えるの?

演劇はどこで習うことができるのでしょうか。一般的に演劇を習える場所をまとめてご紹介します。

芸能プロダクション

芸能プロダクションに所属することで、演劇を習うことができます。
将来的に子役、モデル、俳優、女優、タレントとして活動したい子に向いています。

芸能プロダクションであれば、演技を身に着けるのは当然なので、無料で習えるのではないか…と思う方もいるでしょう。しかし、実際は多くの芸能プロダクションで演劇レッスンは有料です。

プロダクションの場合、所属している子どもを営業スタッフが売り込んで、メディアなどで活躍させる作業があるため、その分費用がかかる可能性もあります。

YTJなど劇団

うちの子が所属しているYTJのような劇団に所属することで、演劇を習うことができます。純粋に演劇のみを習わせたい方には劇団がよいでしょう。

YTJであれば、年中さんから入ることができます。幼いときから演劇を習わせたい方におすすめです。他にも有名な劇団で言うと、劇団四季さん! 日本を代表する劇団ですよね! わたしも大好きで、親子で観劇したことがあります。

劇団四季さんは、演目によって子役を募集することがあります。いつでも募集をしているわけではないので、憧れのある方はぜひこまめにチェックしてみましょう。オーディション情報は、劇団四季さんのホームページの「お知らせ」に掲載されることがあります。

劇団四季 | 公式サイト (shiki.jp)

劇団はたくさんあります。地元でも探してみませんか。
「東京 劇団」など地域名に加えて「劇団」と入れて検索すると、劇団が見つかるでしょう。

ワークショップ

劇団に所属しなくても、劇団が開催しているワークショップで演劇を学ぶことができます。

たとえば、劇団が月に1回など定期的に開催している劇団に、1回限りで参加することで演劇を学ぶことができます。

ワークショップであれば、気軽に参加できるはずです。参加費も安いことが多く、場合によっては無料のことも。お試しで演劇を始めたい方にもおすすめです。

児童劇団

児童劇団に所属することでも演劇を学べます。

児童劇団は子どもに特化している劇団です。児童劇団というと、中学生以上の子は入れないのでは…と考える方も多いかと思いますが、実際は高校生まで所属できる児童劇団もあります。

有名なところで言うと、児童劇団「大きな夢」があります。こちらもスタジオが多いので、ご自宅の近くでレッスンを受けられるかも。

興味のある方は調べてみてくださいね。

児童劇団「大きな夢」子どもミュージカルオフィシャルページ (ookinayume.jp)

【子どもの習い事としての演劇】劇団の選び方

演劇を学ぶ劇団のおすすめの選び方をご紹介します。

立地で選ぶ

劇団は立地(場所)で選ぶとよいでしょう。長く通うことを考えれば、送迎がしやすい場所にある劇団がよいでしょう。電車で1時間半かかる劇団に毎回通うのは、負担ですよね…。続けたくても続けられなくなってしまうこともあり得ます。

通いやすい場所にある劇団がおすすめです。

活動目的で選ぶ

活動目的で劇団を選びましょう。

テレビや映画など出演を目的にしている方であれば、プロダクションがおすすめです。メディアへの出演希望をせずに、子どもの表現力を伸ばしたい方の場合は、プロダクションではなく劇団をおすすめします。

演目で選ぶ

得意な演目で劇団を選ぶのもよいでしょう。

オリジナル脚本をメインに活動している劇団もあれば、有名な演目を主にしている劇団も。
古典劇をする劇団であれば、子どもにはちょっと難しいかもしれません。

歌が多いミュージカルをメインとした劇団もあれば、ダンスが本格的な劇団も。劇団によって演目には特徴があるので、事前に調べてみてください。

うちの子が所属しているYTJであれば、英語に触れられる演目が特徴です(英語のセリフがある、英語の歌をうたう)。演劇とともに英語にも触れさせたい保護者さんに選ばれています。

レッスン内容で選ぶ

レッスン内容で劇団を選ぶのもおすすめです。

  • バレエレッスン
  • ダンスレッスン
  • 演劇レッスン
  • 発声レッスン
  • ヨガレッスン
  • マイムレッスン
  • 朗読レッスン

など、劇団によってレッスン内容が異なります。

習わせたいレッスンがあるかどうかでも劇団を選びましょう。

体験レッスンで選ぶ

体験レッスンで劇団を選ぶのもよいでしょう。

劇団で体験レッスンやワークショップがある場合は、参加してみて子どもとの相性を見てみてください。教え方がうまいかどうか、活動理念に共感できるかどうか、などの目線を持って選んでみてください。

お子さんが「やってみたい」という劇団だと、相性がいいと判断できますよね。子どもの反応でも選んでみましょう。

YTJとは

うちの子が所属しているYTJについて解説します。
YTJとはユースシアタージャパンの略称で、ミュージカル劇団です。

比較的大きな劇団で、関東、関西、中部、九州にスタジオがあります。

YTJ出身の俳優さんもいます。黒木華さんもかつて所属していたのですよ。

最大の特徴は、英語に触れられること。YTJには英語レッスンがあるので、幼いうちから英語に触れられます。さらに異文化に触れることもできるのがYTJの魅力。

YTJでは定期的にイベントが開催されていています。イベントは毎年異なりますが、うちの子が経験したイベントだと、イースター、ハロウィンがありました。

海外の文化を学べるのもYTJの魅力と言えます。

YTJは企業の協賛があるため、費用もかなり抑えられています。入会金として月2,000円がかかるほか、スタジオ代として1時間500円ほどがかかります。(料金はスタジオによって異なります)

基本レッスンの他、希望すればバレエレッスンなどフォローレッスンを受けることができます。費用をなるべくかけずに英語に触れられる劇団に通わせたい方は、YTJがおすすめです。

まとめ

演劇を習うメリットはたくさん。発生方法が学べる、歌やダンスが上達する、演技力がつく、礼儀作法が身につく、コミュニケーションが身につく、自己アピールできる子になる、チームワークが学べる、身振り手振りの所作が身につく、共感力が身につくなどがあります。

演劇を習うにはお金がかかりますが、YTJはかなり費用が抑えられています。その理由は企業の協賛。

少しでも安く演劇を習わせたい方には、YTJがよいかもしれません。