YTJとはなに?|保護者のわたしが思わず共感した理念とは

わたしの娘は、今までバレエを習っていましたが、それを辞めてYTJというところに通っています。YTJという名前を聞いたことがない方も多いですよね。

そこで今回は、YTJとはなにか解説していきます。

数ある習い事などのなかから、わたしと娘はYTJを選びましたが、YTJに決めたポイントは理念です。保護者として魅力に感じたYTJの理念についても、まとめたのでぜひご参照ください。

YTJとは

うちの娘はYTJに通っています。このように話をすると、保護者仲間から「YTJ? それってなに?」とよく聞かれるのです。名前を聞いたことがない方も多いですよね。

まずYTJとはなにか解説します。

YTJは、「ユースシアタージャパン」の略称で、ミュージカル劇団のことです。
わたしの周りの保護者は、YTJ(ワイティージェイ)と呼んだり、「Y」(ワイ)と呼んだりしています。

ミュージカル劇団としての特徴は、2つ。

  • 英語を積極的に取り入れていること
  • 若手中心であること

この2つが大きな特徴だとわたしは考えています。

舞台には、英語のセリフがあるため、子どもたちが自然と英語を身につけられるようになっています。
そして、YTJは若手中心であるため、子どもでもしっかりと本番で活躍することができるのです。

YTJでは年中からメンバーになることができ、中学3年生まで所属しています。高校生以降になると、YTJプロという扱いになるのです。現在、YTJプロは28歳までいて、このプロの人たちのパフォーマンスはとにかくすごいです^^ かっこいいのですよ。うちの娘も憧れています。

YTJはミュージカル劇団なので、習い事とはちょっと違い、こだわりがいくつかあるのです。わたしが共感できたこだわりについて解説します。

保護者のわたしが共感したこと

【「教室」という言葉を使わないこと】
YTJの方たちは、「教室」という言葉を使っていません。基本的に「スタジオ」と呼んでいます。
これは、習い事ではなく、劇団という性質があるからだと思います。
もちろん、歌やダンス、英語を教えてくれるので、そういう意味では「教室」ではありますが、原則として子どもたちの活動をメインとしているため、「教室」ではなく、「スタジオ」と呼んでいます。

【「先生」という言葉を使わないこと】
うちの娘は、YTJの先生のことを「〇〇(苗字)さん」と呼んでいます。学校や塾みたいに「〇〇先生」と呼んではいません。

こちらも、習い事ではなく劇団であるからでしょう。スタッフの方も、子どもたち(YTJメンバー)も同じYTJの一員であるということにおいては、対等です。そのため、「さん」付けなのだと考えています。

YTJのこだわりは一貫しているので、きちんとしたスタッフ教育があるのだろうと感じました。

わたしがYTJを選んだポイント

社会性・協調性・自主性を重視していること

YTJは、習い事ではないということはすでに記載したので、お分かりかと思います。単純に、ダンス、歌、英語を教えるのではなく、社会性、協調性・自主性を重んじているのも特徴です。

年齢にかかわらず、YTJでは社会人としてのマナーを求められます。これは幼い子にはちょっと難しいかもしれませんね…。

最初に学ぶのはごあいさつから。レッスンのときにスタジオに来たら、まず元気にごあいさつをします。きちんとできていなかったら、もう一度。こうして、レッスンを受ける姿勢が学べるのです。

ごあいさつだけでなく、基本的なお返事のマナーも重視されています。
「ありがとうございます」、「ごめんなさい」、「よろしくお願いします」。これらがちゃんと言えるように、自然な流れで指導があります。

習い事だと、お金を払っているので教えてもらうのは当たり前。生徒や保護者はお客さま。こんな考え方が生まれます。YTJは習い事ではないため、教わる側の姿勢が重視されるのです。
精神面の自然な成長もあるかもしれませんが、うちの子はYTJに通ってからはしっかりとあいさつができるようになりました

スタジオでは「はい!」とよいお返事ができるように。(家でもいい返事をするようになってきた!)
近所の方やお友だちの保護者さんへのあいさつもしっかりとできるようになり、ときどきお褒めの言葉をいただくことも出てきました。これは親としてとっても嬉しいです^^

子どもへのかかわり方に十分配慮していること

YTJは、子どもとのかかわり方に十分に配慮していると感じます。

YTJのメンバーには、ティーンエイジャーもいます。思春期の子も。
この時期のおとなとのかかわり方はとても重要ですよね…。おとながかけた何気ないひと言でも、子どもには忘れられないことになる場合があるのです。状況によっては深く傷つけてしまうことやトラウマにつながりかねない…。

【子どもたちに強く影響を与えない】

YTJでは、スタッフの指導を徹底しているようで、スタッフの方の個性や好みが、子どもたちに影響を与えすぎないように配慮しているとのこと。

偏った思考を持つ先生に教わるのって、保護者としては不安に感じることもありませんか。YTJでは指導をなるべく統一しているので、この点は安心です。

【パートナーシップを築く】

また、YTJでは誰とでも対等なパートナーシップを築けるよう配慮されています。

どうしても習い事だと、「先生のお気に入り」、「ひいきされている子」がいることもありますよね…。上手な子だと、先生も自然と好んでしまいます。(気持ちはわからなくもないけど…^^;)
子どもたちからすると差別に感じられることもあるのです。

【平等に扱う】

YTJでは、その子のレベルに合った指導が受けられるようクラス分けがされていますが、子どもたちにかけるスタッフの労力は同じ。同じ時間を指導にかけてくれます。

平等に扱ってもらえるので、わたしはYTJを気に入っています。

【個人的なつながりを持たない】

また、YTJのスタッフと子どもたち(メンバー)の個人的なつながりは、禁止されています。メンバーとスタッフの方が、SNSやLINEでつながることはNGです。
個人的につながることで、不平等が生まれるのを防ぐことを目的としているのでしょう。他にも子どもに強く影響を与えないためだと考えられます。

同様に保護者とYTJのスタッフの方たちとの距離感も一定です。特定の保護者を特別待遇しないように配慮されています。

社会人としてのマナーを求めていること

YTJでは、子どもたちに社会人としてのマナーを求めています。

すでに紹介したように、あいさつはしっかりと指導されますが、それ以外にもマナーは重視されているのです。たとえば、お話を聞くときの態度。きちんと相手の目を見ているか、YTJのスタッフはチェックしています。

忘れ物はしていないか、持ってきた荷物の置き方はていねいか、スタッフから指導を受けたときに直そうとする姿勢があるか、など。

子どもたちが社会に出ても困らないよう、ダンス、歌、英語以外の人間性への指導もしっかりとしています。

YTJのスタッフの方とお話してきました

わたしは娘の送迎をしています。YTJのスタッフの方にごあいさつをしたときに、少しだけおしゃべりをする機会がありました。

そのときにおっしゃっていたのは、「歌やダンス、英語の上達ももちろんしてほしいけれど、メンバーたちには自主性をしっかりと身に着けてほしい」ということでした。

おとなから言われなくても、自分で考えて率先して練習をするようになってほしいとのこと。
そうすれば、自然と歌やダンス、英語といったスキルがついてくるとおっしゃっていたのです。

たしかに歌やダンス、英語が上手でも自分で練習できる子でなければ、どんどんみんなに追い抜かされてしまうでしょう。
自主性が身につくよう、指導には気を付けているみたいでした。
「あれをしなさい」、「これをしなさ」。こんな風に指示をたくさん出せば、子どもたちは動くでしょう。しかし、これだと、今何をすべきか自分で考える子どもにはならないのです。

社会に出ても自分の頭で考えて行動できるよう、YTJのスタッフの方は指示を出しすぎず、見守るようにして、ときにはヒントを与えて指導をしているそうです。

YTJのレッスンは厳しい?

ここまで読んでいただき、YTJが一般的な習い事ではないのは、十分理解していただいたかと思います。子ども相手に社会性や自主性、協調性を求めるなんて、なんか厳しそう…と感じる方もいるでしょう。

はい、最初はわたしも「うちの娘はついていけるかな…」と心配しました。ここでは、YTJのレッスンが厳しいかどうか、解説していきます。

楽しめる子とそうでない子がいる

まず、YTJを楽しめる子とそうでない子がいます。ま、これはどんな習い事にも言えることですよね。しかし、YTJはかなり合う合わない、好き嫌いがはっきり分かれるのではないかなと。

【受け身の子にはYTJは不向きかも】

自主性が求められるので、言われないと動けない子(受け身の子)にはレッスンが辛く感じることもあるでしょう。もちろん、このような子にもYTJのスタッフが促してくれます。レッスンに集中できていない子がいると「周りのみんなを見てごらん?」、「次はどうしたらいいのかな?」とやさしく教えてくれます。

これである程度自然と自主性が芽生えてくるのです。

とは言っても、母子分離ができていない子、引っ込み思案の子にはかなりキツイかもしれません。
YTJは原則、保護者はスタジオに入りません。そのため、年中、年長の幼いメンバーではギャン泣きする子もいるのです。

引っ込み思案な子だと、大きな声を出してパフォーマンスするだけでもストレスに感じられ、すぐに辞めてしまうこともあります。

合わないと感じたら、YTJを辞めることができます。
入会して1か月以内に、「やっぱりうちの子には合わない…」と感じて退会する場合は、全額返金保障制度がありまる。

これでは長く続けられそうにないと感じた場合は、無理に続けず退会することも選択肢の1つです。

退会はマイページから行えます。こちらの記事もご参照ください。

「ユースシアタージャパン(YTJ)をやめたい」と思ったときにできること – 音楽・ダンス教育ママの体験日記 (kyoikumama.com)

YTJでは絶対できないことを求められることはない

母子分離できていない子、引っ込み思案の子にはちょっと辛いかもしれないYTJ。厳しく感じる方もいるでしょう。わたしも最初はそう感じましたが、今はこう思っています。

「YTJのスタッフの方たちは、絶対にできないことは求めてこない」
「できることだから求めてきている」

こう考えるようになったのです。
新しい振り付けを教えられたときに、「2週間ですべての振り付けを覚えます」とYTJのスタッフの方が言っていて、いやいやさすがに無理でしょ! と思いました。しかし、実際に本当にうちの娘をはじめ、子どもたちが2週間で振り付けを覚えたのです!

最初からできないと思っていると、本当にできません。わたしはスタッフの方たちを信じて、娘をゆだねています。

スタッフは子どもたちのことを信じてくれている

わたしもYTJのスタッフの方たちを信じるようにしていますが、YTJのスタッフの方たちもメンバーである子どもたちや保護者を信じてくれています

「この子たちなら、きっとこれができる!」と信じているからこそ、指導をしてくれているのです。
以前、YTJのスタッフの方とお話をしたときに、こうおっしゃっていました。
「子どもたちに信じてもらい、ついてきてもらうためには、まずはスタッフが子どもたちを信じることから始めています。みなさんのことを信じています」と。

この発言にとても共感できて、これからも娘をYTJにいさせようと考えました。

習い事はスタジオの考え方でも選んでみよう

わたしはYTJの考え方にも共感・納得できたから、娘を継続させています。習い事の先生の考え方に共感できるかどうかは、とても重要ですよね。ぜひ習い事を選ぶ際は、先生の考え方も選択肢の1つにしてみてください。

考えが異なるお教室に長く通うことのストレス

自分と考えが異なるお教室に通うのは、保護者としてはストレスになります。

たとえば、バレエ。
バレエ教室と言ってもいろいろなスクールがあります。

  • コンクールに出場させること、ダンサーにさせることを目的にするお教室(週5で通う)
  • 一般的な趣味の1つとしてのお教室(週1ほどで通う)

など目的は教室によって異なります。

趣味でバレエをやりたい人であれば、コンクールは出たくないかもしれません。このような場合に先生からコンクールを勧められたらストレスになりますよね。

お教室の先生の考えと、生徒や生徒の保護者の考えの方向性がズレていると、レッスンを続けにくくなります。

習い事を選ぶ際は、その教室の考え、方針、目的をチェックしましょう。

考え方に納得できると先生を信じられる

習い事の先生の考え方に納得できると、その先生を信頼できるようになります。そしてよいパートナーシップが生まれるのです。

わたしとYTJのスタッフの方がまさにこんな感じ。

安心して子どもを預けられるようになります。

この記事では、YTJをべた褒めしましたが、辞めたいと思ったこともあります。くわしくはこちらもご参照ください。
あーもうYTJ無理!辞めたい!辞めさせたい…と思ったときのこと – 音楽・ダンス教育ママの体験日記 (kyoikumama.com)

習い事のお教室の考え方、理念を知る方法

考え方に納得できるお教室を選ぶと続けやすくなりますが、どうやってお教室の考えや理念を知ればよいのでしょうか。ここでは、習い事の教室の考えを知る方法をご紹介します。

ホームページをチェック

気になるお教室のホームページをチェックしてみましょう。

「わたしたちの理念」、「教室の目的」などが書かれているページがないかチェックしてみてください。
「実績」ページを見るのもよいでしょう。

「実績」にコンクールがたくさん書いてあれば、コンクールをメインにした習い事のはずです。

子どもたちの楽しみを目的にしているのか、コンクール入賞を目的としてプロの育成を目的にしているのか、チェックしてみてください。

体験教室に参加する

ホームページをチェックするだけでなく、体験教室に参加してみましょう。

体験教室だけでも、教室の目的や理念はある程度わかるはずです。
幼い子の場合は、体験教室に参加させる際、可能であれば保護者さんも同席しましょう。

お教室の考え、指導レベルが合っているかチェックしてくださいね。

授業見学・レッスン見学会に参加する

授業見学会・レッスン見学会に参加してみましょう。

ここでもある程度、教室の理念がわかるはずです。指導が自分の考えに合っているか、子どもに合っているかチェックしてみてくださいね。

先生に聞いてみる

考えや理念がわからない場合や、不安な場合は、先生に直接聞いてみましょう。

「うちの子は、楽しく趣味として続けられたらいいなと考えているのですが、こちらのお教室でご迷惑にならないでしょうか」

このように聞いてみるとよいかと思います。

反対に、本格的に習いたい子の場合は、

「いずれはプロを目指したいと考えていますが、こちらのお教室でも指導をしていただけますか?」と聞いてみてください。

YTJはオーディション制です

さて、ここまで習い事選びでは、お教室の理念や考え方が合うかは重要だと記載してきました。

YTJの考えに合っているのか、子どもにYTJは合っているのか、気になる方もいるでしょう。

YTJはオーディション制を採用しています。

誰でも入れるのではなく、最初にオーディションが実施されていて、選考に合格した子のみYTJに入会することができます。

オーディションの目的

わたしはYTJのスタッフではないので、正確な目的はわかりません。

おそらく、YTJでストレスなく活動できるか事前にチェックするのが目的と考えられます。

入会してから、合わなくて子どもに大きなストレスがかかてしまうことはYTJは望んでいないはずです。
せっかく入会しても辞めてしまうのはもったいないので、事前にYTJに合う子かどうかチェックしているのでしょう。

このオーディションはいつでも開催されているわけではないので、好きなときに入会できるわけではありません。

【5月5日まで】新規メンバーの募集をしています

オーディションは常に開催されているわけではありませんが、ちょうど現在新規メンバーを募集しています。

ダンス・歌・英語を一緒に学ぶ!2022年6月活動開始新メンバー募集 – ユースシアタージャパン (ytj-studio.jp)

対象の子どもたちは
2008年4月2日~2018年4月1日生まれの男女で国籍不問です。

高校生以上の子は、プロとしての募集がされているので、上記のリンクをご確認ください。

応募は無料で、ウェブで審査されます。
ウェブ上の一次審査に合格すると、二次審査に進めます。二次審査は対面で、ここではある程度、歌やダンス、英語などのスキルを見られます。

スキル面だけでなく、やる気など内面も重要視されているはずです。
そういう意味では、スキルはまだ発展途上でもやる気があれば伸びしろがあると判断され、合格する可能性は十分にあるでしょう。
反対に、スキル面が素晴らしくても、子どもにやる気が見られない場合は、YTJに向いていないと判断されることも…。

YTJに向いているかどうかは、プロの方が判断してくれます。

気になる合格率ですが、こちらは不明。合格基準も明示されていないのでわかりません。
わたしから言えることは、応募しないと受からないということです。

少しでもYTJに興味がある方は、試しに選考試験を受けてみるのがおすすめです。力試しにもなりますよ。
選考試験を受けてみてから、自分や子どもにYTJが合うかどうか判断するのもよいかもしれませんね。

まとめ

習い事選びは、教室の理念や考え方に共感できるかも重要です。

YTJは英語、ダンス、歌といったスキル面だけでなく、社会性、協調性、自主性も重視されています。

ごあいさつができるか、話を聞く態度がちゃんとしているか、お返事ができるか、自分から行動できるか、忘れ物をしないでスタジオに来ているか、なども見られています。

スキル面ではなく、子どもの内面性の成長を重視したい方には向いていると言えるので、興味があれば選考試験を受けてみましょう。