【YTJ】ユースシアタージャパンと他の習い事との違い
わたしは娘をYTJに通わせているのですが、よく「どんな習い事なの?」と保護者仲間に聞かれます。でも「うーん、ちょっと習い事とも違うんだけど…でも習い事なのかな…」と思いながら、説明をしています。
YTJは特徴がしっかりとしているので、他の習い事とも一線を画している感じです。
そこで今回は、YTJと他の習い事との違いについて解説していきます。
ダンススクール、英会話スクール、ボーカルスクールとの違いをそれぞれ記載したので、ぜひご参照ください。
YTJとは
まず、うちの娘が通っているYTJについてご紹介します。聞いたことがない方も多いかと思いますよね…。
YTJ(ワイティージェイ)はユースシアタージャパンの略。
YTJはミュージカル劇団です。
英語の歌をうたう劇団なので、歌やダンスだけでなく英語を学べることが特徴です。
スタジオは関東、関西、中部、九州にあり、近年スタジオがどんどん増えてきています。人気が出ているのかもしれません^^
YTJに所属している子たちは、「習い事の生徒」というよりも「YTJという劇団のメンバー」です。そのため、ちょっと習い事とは感覚が違います。
そこでここからは、YTJと他の習い事との違いをくわしく解説していきます。
YTJ(ユースシアタージャパン)とダンススクールの違い
最初にYTJと一般的なダンススクールの違いについて見てみましょう。
YTJとダンス教室の違い|チケットノルマがない
一般的にダンス教室(バレエ教室も)では、発表会でチケットノルマがあることが多いです。
教室からチケット10枚ほど購入を依頼されて、家族でチケットを消費できない場合は、親戚や子どもの友だちなどにチケットを渡して発表会に見に来てもらうのです。
チケットノルマがあることで、お教室がうまく運営できるようになることがあります。
一般的なダンス教室を経営している方も、子どもたちがこれからも習えるようしかたなくチケットノルマを採用していることも多いのです。
YTJはこのようなチケットノルマがありません。
企業の協賛や公演の売上でうまく運営しているらしく、余裕があるみたい^^
チケットをさばくのが苦手な方にはYTJが向いているかもしれませんね。
チケットノルマ | |
ダンス教室 | あり |
YTJ | なし |
YTJとダンス教室の違い|発表会の負担が少ない
ダンス教室の場合、発表会の負担が少なからずあります。
衣装代、プログラム代、振り付け代など金銭的な負担です。さらに先生へお金を包むお教室もあるかもしれませんね。保護者が手伝いをすることも。うちの娘が昔通っていたバレエ教室もいろいろお手伝いがありました。舞台にリノリウムを敷いたり、受付をしたりなど…。子どもの舞台メイクも保護者がしていたので、いろいろバタバタでした。「発表会=保護者が大変」というイメージが強かったです。
しかし、YTJの場合は、発表会の負担を極力小さくしています。
小さな小道具などをみんなでお揃いで買うことはありますが、基本的に公式ジャージやTシャツで発表会に出ることがほとんど。ほぼ衣装代はあまりかかりません。
大きな発表会やイベントに参加することもありますが、いつものスタジオで発表会を行うことも。ホールレンタル料はあまりかからないのです。YTJなら発表会の費用を気にせず、出演できるでしょう。
発表会の金銭的負担 | |
ダンス教室 | 多い |
YTJ | 少ない |
YTJとダンス教室の違い|発表会の頻度が高い
一般的なダンス教室だと、多くても春休みと夏休み(または冬休み)の年に2回が発表会かと思います。
しかし、YTJは年に3回ほど発表会があるのです。
おそらく一般的な習い事と比べると、YTJの発表会はかなり多いかと思います。
YTJミュージカル劇団なので、人前でダンスや歌を披露することを前提としてレッスンをしています。そのため、一般的なダンス教室と比較しても発表会の頻度が高くなるのです。
YTJの発表会だけでなく、地元のイベント(外部イベント)に参加することも。
たくさんの本番を経験できるのがYTJの魅力です。本番慣れしてくるでしょう。
しかし、あまり本番が好きではない子もいますよね。ドキドキと緊張するのが嫌な子もいるでしょう。
そういう子にはYTJは不向きかもしれません。
発表会の頻度 | |
ダンス教室 | 1~2回 |
YTJ | 3回ほど(外部イベントに出ることもあり) |
YTJとダンス教室の違い|独自の大会がある
一般的なダンス教室は、発表会はあってもコンテストという形をとることはあまりないかと思います。
あくまで今のレベルの「発表」であり、生徒たちを競わせて優劣をつけるということはあまりしません。
しかし、YTJではJYDFというイベントがあります。
こちらはJapan Youth Dance Festivalの略で、いわゆるダンスコンテストです。
YTJのメンバーたちはこの大会に力を入れています。
(こちらはYTJ主催のイベントで、外部イベントではありません)
エリア大会に参加して予選に通過すると、全国大会に出場できます。
このJYDFはソロ部門、グループ部門に分かれていて、自身のある子はソロでも出場しているほど。ジャンルは不問なので、それぞれ得意なダンスを披露しています。
上位入賞者にはスポンサー企業から賞金や賞品が贈呈されるので、頑張りに対する見返りもあるのが魅力です。
世の中にダンス教室はたくさんありますが、YTJのように全国規模の大会があるのは珍しいのではないでしょうか。
大会があることで、お互い切磋琢磨できますし、目標も持ちやすいですよね。
YTJ(ユースシアタージャパン)と英会話スクール・英語塾との違い
ここからはYTJと英会話スクール・英語塾の違いをまとめていきます。
YTJはそもそも英会話スクールや英語塾ではありません。YTJでは、英語をもちろん教えてはくれますが、海外の異文化を英語を通じて学び、自然と英語を取り入れることを目指しています。そのため、英語をペラペラに話せるようにするということを目的にはしていません。
YTJはあくまでミュージカル前提なので、一般的な英会話スクール・英語塾とは異なるため、英語が話せるようにさせたいと考えている保護者さん、英検を取得させたいと考えている保護者さんの場合は、YTJではなく英会話スクール、英語塾のほうがよいでしょう。
うちの娘も英語のセリフをしゃべるのはとても上手になりました。
しかし、英会話スクールに通っている子のように、日常会話をペラペラと英語で話すというわけではありません。おそらくYTJのレッスンだけで英語ペラペラにさせるのは難しいでしょう。
【YTJには英語の追加レッスンがあります】
必要に応じてYTJではフォローレッスンがあります。追加で英語を学びたい場合はこちらを受けるとよいでしょう。
しかし、こちらも英会話というよりも基礎レッスンのフォローとなるため、英語を話せるようにしたい方には不向きかもしれません。
YTJは英語をペラペラにさせるというよりも、英語を楽しむ、異文化を学ぶという感じです。
以前うちの娘が参加した発表会について解説します。
YTJの発表会には毎回テーマがあります。最近娘が参加した発表会のテーマは「Easter」でした。子どもってEasterの由来を知りませんよね…(おとなでも知らない笑!)
YTJの発表会では英語のセリフを話しながら、会話をするようにEasterという文化を学んでいきます。自分が話すセリフからEasterとは何なのかを理解していける仕組みになっています。Easterに関する英語を学びつつ、文化も学べるのがメリットです。
他にもハロウィンやクリスマスなどテーマはたくさんあるので、参加するととても楽しいです。
YTJ(ユースシアタージャパン)とボーカルスクールとの違い
YTJはミュージカル劇団ということもあり、ボーカルレッスン・ボーカルレッスンとも違います。
ボーカルレッスンであれば、歌の上達を目指しているでしょう。そのため、上手に歌うことを意識します。もちろんYTJでも上手にきれいに歌うことを目指しますが、ボーカルスクールとは違い、登場人物の心情に基づいた歌い方をします。
自分主体で歌うのではなく、そのキャラクターになり切って歌うことを重視していると思います。
またYTJは劇団なので舞台で披露することを前提としてレッスンをしています。そのため、遠くへ声が届くような発生で歌います。歌っている表情が舞台のお客さまに届くように意識します。客席の一番奥にいる人にも伝わるように…。そのため、ちょっと大袈裟に見えるかもしれません。ここもボーカルスクールとの違いです。
【YTJ】わたしが感じた他の習い事とここが違うポイント
保護者のわたしが娘を通わせて気が付いたYTJの「他とは違う」ポイントをご紹介します。
子どもを一人前として扱う
YTJは子どもを一人前として扱ってくれているように感じます。
多くの習い事では、子どもたちって「生徒」ですよね。しかし、YTJでは子どもたちは生徒ではなく「メンバー」なのです。ここにはかなりこだわりがあるみたい。YTJのスタッフの方も「生徒」ではなく「メンバー」という言葉を使用しているのが印象的です。
これは、子どもたちと対等な関係を築くことを意識しているのだと思います。
「教室」という言い方もせず、「スタジオ」という呼び方をしているのも特徴です。
どんなに小さな子どもでも、入会したらYTJのメンバーの一員として扱ってくれます。
「どうせ子どもだからできないだろう」と思いながら指導するのではなく、「YTJのメンバーのみんなならきっとやってくれるだろう」と子どもたちを信じて指導してくれます。そのため、ちょっと高いレベルのことを求められる場合もありますが、その分上達して、子どもたちも期待に応えています。
わたしも娘たちのクラスを見ていて「え、本当にできるようになったの!?」と驚いたことが何度もあります。
オーディション制を採用
ほとんどの習い事って、お金を払うと通うことができますよね。
良くも悪くも「来るもの拒まず」です。
しかし、YTJでは、オーディション制を採用しています。どういうことかと言うと、オーディションに受かった子しかYTJのメンバーにはなれないということです。
これはYTJが習い事ではなく、ミュージカル劇団だという所以(ゆえん)なのでしょう。
子どもをYTJのメンバーにさせたい場合は、まずオーディションを受けさせるところからはじめてください。
ちなみにこのオーディションはいつでも開催されているわけではありません。
興味のある方はYTJのホームページをこまめにチェックしてみてください。
費用が安い
他の習い事と比べると、YTJはかなり費用が安い印象です。
週1から2回レッスンがありますが、同じ頻度のダンス系の習い事と比べるとかなり安め。
入会金は月2000円。そこへスタジオ利用料が1時間あたり500円ほど(スタジオによって異なります)かかります。
はじめて入会したときは、1年分の会費をまとめて払うので、うんとお金がかかったように感じますが、月額で計算すると実は他の習い事と比較しても価格が低いほうなのです。
必要な費用は入会金とスタジオ利用料だけ。追加でフォローレッスンを受ける場合は追加分のスタジオ利用料がかかります。
発表会の費用もほぼかかりません。
衣装はYTJの公式ジャージやTシャツで出演することがほとんどなので、高い衣装をレンタルする必要はなし。保護者さんが衣装を手作りすることもほぼありません。
(発表会の場所までの交通費はかかります)
同じような習い事と比べると、費用はかなり抑えられていると言えます。ぜひ比べてみてくださいね。
でも安いってなんか怪しくない? と思いませんか。わたしも最初は怪しく感じて、家族に相談したほどです笑
調べたところ、YTJの安さにはちゃんとした理由があります。
費用が安い主な理由は、企業の協賛金や地域の助成金などです。
YTJのホームページを見ればおわかりになるかと思いますが、有名企業のロゴがたくさん…。企業のサポートを得ているので、安い費用が実現しています。
公演で収益も得ているので、それを運営にまわしているのも理由なのでしょう。
歌・英語・ダンス以外も重視
YTJでは歌や英語、ダンスの指導がありますが、それ以外の指導も重視しています。
それは社会性・協調性です。
どんなに歌やダンスが上手でも、態度が悪ければ観に来てくれたお客さまは気持ちよくありませんよね…。
娘がいるクラスでは次のような指導があるそうです。(娘談を含みます)
- きちんとあいさつができないとやり直し
- 先生の話を聞くときはおしゃべりNG
- モノを大切に扱う
- 鞄を丁寧に置く
- 困った友だちがいたら助ける
などです。
当たり前のことですが、幼い子どもの場合はなかなかできないこともあります。
当たり前のことが当たり前にできるように指導してくれるのがYTJです。
娘を送迎していると、よく見るのが受付でのあいさつのやり直し。大きな声でしっかりとごあいさつができないともう一度はじめからです。保護者さんと一緒にあいさつしていた場合は、ひとりでもう一度。
ちょっとスパルタっぽいけど、あいさつっておとなになっても重要ですよね。子どもの頃から指導をしてもらえるのは保護者として助かります。
(親と一緒ならあいさつができても、ひとりだとできない子はいますものね…)
先生がお話しているときに、ソワソワしている子、おしゃべりしてしまう子がいると指導されます。まるで小学校の教育のようですが、YTJではこういう社会のマナーも教えてもらえます。
モノを大切に扱う、鞄を丁寧に置くことも指導されているようです。困っている子がいたら、手助けしようという指導も大切にしているそう。
そのせいか、娘の発表会でセリフが出てこず、困っている子がいたときに隣の子どもが「〇〇だよ」と教えてあげていました。
うちの子もYTJに入ってからごあいさつがちゃんとできるようになってきました。近所の方にも自分から元気に「こんにちは!」と言えています。
また学校の準備も自分でするようになってきたので、ずいぶんしっかりしてきた印象です。
ダンス、歌、英語以外のこともしっかり学びたいなら、YTJがおすすめです。
YTJホールを所有
YTJは独自のホール(YTJホース)を所有しています。発表会はスタジオで開催することもありますが、YTJホールでやるイベントも。
なかなか独自のホールを持っているスクールは少ないのではないでしょうか。YTJ、お金持ちなのかな^^
経営状況や経済事情は知りませんが、独自ホールがあるので、それを外部に貸すことで収益を得ているようです。
キャンプがある
YTJは任意参加のキャンプがあります。
習い事では普通あまり合宿ってそんなにないですよね。(野球やサッカーではあるかもしれませんが…)
キャンプに参加することで、ダンス、英語、歌だけでなく、社会性や自立心を高められるかと思います。
幼い子の場合、家族と離れる機会は少ないでしょう。
YTJのキャンプに参加することで、はじめて保護者から離れて生活をしてみることで、自立心が芽生えてくるかもしれません。
YTJは年2回キャンプがあります。知り合いの保護者さんが以前言っていたのが、「はじめて子どもと24時間以上離れて、すごく休めた!」と言っていたのが印象的です。
毎日子育てで忙しく、24時間365日「保護者」をやっていると疲れることもありますよね。この保護者さんは子どもをキャンプに預けて、すごくゆっくり休めたとのことでした。
最初は「うちの子、家族と離れて大丈夫かな」と心配したそうですが、子どもが帰ってきてから「楽しかった」と言いながら興奮してキャンプのできごとを話してくれたので、安心したそうです。
YTJでは適度な競争があります。
たとえば選抜クラス。小学校2年生以上になると、上手な子には選抜打診というものがあります。多くのYTJの子どもたちはこの選抜クラスに入りたくてしかたありません。選抜クラスは優先的に舞台に立つことがあるからです。
上手でかっこいい子たち。それはみんなの憧れなのです。
選抜に選ばれるために、ダンス、歌、英語を磨きます。しかし、それだけではありません。日頃のふるまいも選抜メンバーに入れるかどうかの基準にあるみたい。(明確な基準はわかりませんが…)
モノを丁寧に扱っているか、きちんとあいさつができているか、など内面性や普段の行動も加味されます。このことを子どもたちも知っているので、選抜に入りたい気持ちから自然とよい行動をするようになるのです。
上限年齢がある
YTJに何歳でも入れるわけではありません。上限年齢が設定されていて、プロはたしか28歳まで。
通常のメンバーは中3までで一旦契約が終わり、それ以降も活動したい場合は、YTJプロに所属することになります。プロもいつまでも活動できるのではなく、上限(たしか28歳)があるのです。
いつまでも通ってもらえればお金になっていいですが、そうしていないのがYTJの特徴。
あくまで若手中心のミュージカル劇団というのがYTJなので、上限があるのでしょう。
ここまで解説したように、一般的な習い事とYTJはかなり違うと思います。良くも悪くもクセが強い!? ので、お子さんによっては合わないこともあるでしょう。すぐに辞めてしまう子もいるようです。
気になる方は一度オーディションを受けてみることをおすすめします。
まとめ
YTJは習い事の教室ではなく、ミュージカル劇団なので、ダンススクール、英会話教室、ボーカルスクールとも異なります。
ただダンス、英語、歌を学ぶのではなく、社会性、協調性、自立性を重んじる劇団なので、スキル面だけでなく子どもの内面も成長させたい方にはYTJは向いているでしょう。
発表会の多さ、全国規模のコンテストがあること、キャンプがあること、独自のホールがあること、費用が安いこと、チケットノルマがないこと、子どもをひとりのメンバーとして扱ってもらえること、異文化を学べること、オーディション制を採用していること、などが他の習い事の違いと言えます。
YTJはこだわりがしっかりとあるので、子どもと相性がよさそうかチェックしてから入会させることをおすすめします。保護者さんもYTJの考えに賛同できるか、事前にチェックしておきましょう。