子どもをさんすう・数学に強い理系にする方法
さんすうの授業が難しくなる前に慣れ親しませて、我が子を理系にしたいと考える保護者も少なくはないでしょう。学生時代で理系科目に苦戦した保護者であれば、自分の子どもには同じ思いをしてほしくない、理系になってほしい! と考える人もいますよね。
そこで今回は、子どもを理系にする方法と理系にするためのおすすめの習い事を解説します。
理系脳・文系脳とはなにか、文系・理系は遺伝するのか、理系は将来的に有利なのかも調べたのでぜひ参考にしてください。
このページは次の構成で書かれています
- 子どもをさんすう・数学に強い理系にする方法
- 子どもを理系にさせるおすすめの習い事
- 子どもの考え方を尊重することが大切
- 理系脳・文系脳とは
- 理系・文系は遺伝が関係する?
- 理系の子どもの特徴
- 理系は就職に有利って本当?
子どもをさんすう・数学に強い理系にする方法
子どもを算数・数学に強い理系にする方法を解説します。
おすすめの方法は次のとおりです。
- 理系・文系と型にはめない
- パズルなど知育玩具で遊ばせる
- 子どもに疑問を抱かせる
- 計算ドリル・マス計算をやらせる
- 子どもに説明させる
- ゲームを取り入れる
文系・理系と型にはめない
子どもをさんすう・数学に強くするおすすめの方法1つめは、文系・理系と型にはめないことです。
高校や大学などで文系・理系に分かれて進学するため、自分は理系だ・文系だと認識しているおとなは多いかと思います。しかし、小学生の幼い子どもにはこのような感覚はありません。
「パパもママも文系だから、あなたはさんすうが苦手なはず」と勝手におとなが子どもを型にはめるのは、おすすめしません。子どもが思い込んでしまい、潜在能力が発揮できないことがあるからです。
たとえば、保護者から「あなたはきっと文系だよ」と伝えられた子どもがいたとしましょう。さんすうの成績が悪いと、「自分は文系だから、成績が悪いのは仕方ないのか」と感じてしまい、努力して勉強しようとしなくなるのです。
自分は文系だと思い込むことで、「さんすうは難しい」と言う先入観を抱いて、勉強をやりたがらないこともあります。勉強する前から難しそうで、やらないこともあるでしょう。「きっと難しいからさんすうは勉強したくない」と思うこともあるのです。
保護者が子どもを文系・理系と決めつけるのはおすすめしません。
パズルなど知育玩具で遊ばせる
子どもをさんすう・数学に強くするおすすめの方法2つめは、パズルなど知育玩具で遊ばせることです。
未就学児であれば、積極的に知育玩具で遊ばせましょう。小学生になったら、立体パズルやルービックキューブなどのおとな向けパズルもおすすめです。
知育玩具のおすすめの選び方は、対象年齢を確認することです。長く遊べるように、対象年齢に余裕があるものを選んでください。極端な例ですが、9歳の子どもに対象年齢5歳からのオモチャは楽しく感じられないこともあります。
やや背伸びをして9歳の子どもでも、対象年齢が10歳からのものを選ぶとよいでしょう。ただし、対象年齢に満たしていないオモチャを遊ばせる場合、怪我や誤飲のトラブルの危険性もあります。対象年齢に満たない場合は、保護者が付き添って遊ばせてください。
また、オモチャは子どもに選ばせることもおすすめします。本人が遊びたくないものを無理矢理やらせてもあまり効果は期待できません。子どもが遊びたいと思うものを選ばせましょう。
子どもに疑問を抱かせる
子どもをさんすう・数学に強くするおすすめの方法3つめは、子どもに疑問を抱かせることです。
未就学児や小学校低学年の子どもの場合は、保護者への質問が多いかと思います。
「おうちの水はどこからやってくるの?」と質問されたとしましょう。すぐに答えを教えるのではなく、「どうしてだろうね、どうしてだと思う?」と子どもに逆質問をして、考えさせてください。
必要に応じて保護者も一緒に考えて、ネットなどを使い調べましょう。
子どもが質問をしてこないときは、疑問を促してください。
たとえば秋に一緒におでかけをしたときに、金木犀のよい香りがしたとします。「なんかいい香りがするけど、どこからかな、なんの香りかな」と子どもに質問をしてみましょう。「お花の香りみたいだけど、どのお花だろう、探して見ようか」と声をかけるとよいでしょう。
一緒に金木犀を探し、どの時期に咲く花なのか、花期を調べてみてください。
日常的に疑問を持つことは、学習によいことです。知的好奇心が育まれるので、ぜひ子どもに考える習慣を身につけさせてください。
また、保護者も子どもと同じように疑問を抱き、自分で調べることもおすすめします。子どもはおとなを手本とします。子どもの見本となるように行動しましょう。
計算ドリル・マス計算をやらせる
子どもをさんすう・数学に強くするおすすめの方法4つめは、計算ドリル・マス計算をやらせることです。
さんすう・数学と言ったら計算能力は欠かせません。日頃から計算をさせてください。
計算ドリルやマス計算は、足し算・引き算のかんたんなもので構いません。かんたんな問題をたくさん解くことで「計算は難しくない」と子どもに認識させましょう。
成功体験をたくさん積むことがおすすめなので、1学年前の内容などでもよいので、たくさん問題を解かせてください。
特にマス計算は、途中の式を書かずに、たくさん問題を解けるのがメリット。時間に余裕があれば保護者がマス計算を作るのもよいでしょう。
市販の教材もあるので、計算ドリルやマス計算を解かせて、子どもに自信をつけさせてください。
コツはかんたんなものでよいので、たくさん解くことです。問題集は、途中で挫折しないように薄いものをおすすめします。100円ショップにも子ども向けの計算ドリルが売られているので、探してみませんか。
子どもに説明させる
子どもをさんすう・数学に強くするおすすめの方法5つめは、子どもに説明させることです。
インプットをしたつもりでも、しっかりと理解できていないこともあります。
みなさんもこのような経験があるのではないでしょうか。資格試験などでテキストを読んで、「よし、わかった!」と理解したつもりでも、いざ問題を解こうとしてみると、まったく解けず内容が理解できていないことがあるものです。
子どもでもこのようなことがあるので、インプットだけでなくアウトプットもさせましょう。
子どもがさんすうや数学の宿題をやっていたら、「今なにをやっているの?」と聞いてみましょう。「どうしてそうなるのか、わかる?」と子どもに質問をするのもおすすめです。
なかなか育児や家事をしていると時間がなく忙しいかと思いますが、「パパ(ママ)に説明できる?」と言って、子どもに説明させるのもおすすめです。
ゲームを取り入れる
子どもをさんすう・数学に強くするおすすめの方法6つめは、ゲームを取り入れることです。
マインクラフト、テトリス、ぷよぷよがよいでしょう。ゲームと勉強は対極にあるイメージを持つ方も多いかと思いますが、子どもの理系知能を育むゲームもあるので、ぜひ遊びに取り入れてみましょう。
パズルゲームがおすすめです。楽しみながら理系脳を育めます。
子どもを理系にさせるおすすめの習い事
子どもを理系にさせるおすすめの習い事は次のとおりです。
- 実験教室
- そろばん教室
- 知能教室・幼児教室
- プログラミング教室
- 将棋教室
- 自然体験教室
子どもを理系にするおすすめの習い事|実験教室
子どもを理系にするおすすめの習い事は、実験教室です。
実験教室でおこなう内容の多くが理科実験です。習い事で実験に親しむことで、理科を好きになることもあるでしょう。実験をする過程で「どんな結果になるのか」と子どもが考えるはずです。理系科目への知的好奇心も芽生えるので、子どもを理系にしたい方は実験教室に通わせてみませんか。
実験教室は単発のものや月1のものが多く、1回あたりの費用相場は、2,000円から4,000円です。
子どもを理系にするおすすめの習い事|そろばん教室
子どもを理系にするおすすめの習い事は、そろばん教室です。
そろばんというと、計算ですよね。スクールによって級が設定されているので、子どもが楽しみながら学習できるでしょう。そろばんが得意になると、暗算ができるようになります。
計算が楽しくなり、さんすうや数学が好きになることもあります。
習い続けることでフラッシュ暗算ができるようになる子どもも。
子どもを理系にさせたいなら、そろばん教室もおすすめです。
そろばん教室の月謝相場は、4,000円から8,000円です。
子どもを理系にするおすすめの習い事|知能教室・幼児教室
子どもを理系にするおすすめの習い事は、知能教室・幼児教室です。
未就学児におすすめです。(多くの知能教室や幼児教室は6歳までと年齢制限があります)
知能教室や幼児教室では、パズルを使った教育をしていることが多く、右脳を育ててたい方に向いています。
また、おはじきを使用した繰り上がりの概念の説明をするスクール、時計の見方を教えるスクールも多いので、さんすうの基礎を学ばせたい方は、知能教室や幼児教室に通わせてみませんか。
知能教室・幼児教室の月謝相場は、5,000円から8,000円です。
子どもを理系にするおすすめの習い事|プログラミング教室
子どもを理系にするおすすめの習い事は、プログラミング教室です。
学校ではプログラミング教育が始まっています。
参考:文部科学省
プログラミングは、まず全体の構成を考えてから、細かな部分を組み立てていく必要があり、理系脳が鍛えられます。論理的な思考が必要になるため、プログラミングを習うことで理系の考え方が身につく可能性があります。
実際にプログラマーは理系が多いです。
プログラミング教室に通うなら、早期がおすすめです。子どもが「プログラミングは難しそう」という先入観を抱く前に習うと、楽しみながら通いやすいのです。
スクールに通う前に、プログラミングアプリで学習するのもよいでしょう。
プログラミング教室の費用相場は、6,000円から10,000円です。
子どもを理系にするおすすめの習い事|将棋教室
子どもを理系にするおすすめの習い事は、将棋教室です。
藤井聡太さんの影響から、子どもで将棋を習う子も増え、子ども向けクラスもあります。
将棋は、計算と同じようにルールがあります。そのルールに基づいて戦略が考えます。順序だてて物事を考える力も育まれるので、理解にしたい子どもによいでしょう。
実際に将棋の棋士は、理系が多いそうです。藤井聡太さんも自分でパソコンを作るほどの理系とのこと!
また、将棋をすることで集中力も高まります。脳の持久力もつくので、ぜひ習わせてみませんか。
月謝の相場は、4,000円から6,000円です。
子どもを理系にするおすすめの習い事|自然体験教室
子どもを理解にするおすすめの習い事は、自然体験教室です。
理系の人は、子ども時代に自然体験をして遊んでいたり、自然に興味を持っていたりします。
自然体験をすることで、「なぜそうなんだろう?」という思考を育み、それが理系科目への興味へのつながります。
子どもを理系にしたいのであれば、自然体験教室に通わせるとよいでしょう。
自然体験教室は単発で開催されるか、月1の頻度での開催が多いです、1回あたりの費用は内容にもよりますが、だいたいの目安は1,000円から3,000円です。
未就学児や小学校低学年の場合は、公園に連れて行って自然に触れさせるとよいでしょう。
子どもの考え方を尊重することが大切
さて、ここまで子どもを理系にする方法やおすすめの習い事を解説しました。
これらの方法で、理系科目に興味を持つ子、理系的な思考が身につく子もいますが、将来的に理系に進むかどうかは子ども次第です。
理系かどうかは思考が関係します。子どもの思考までは保護者は制限できません。「理系になってほしいから、こう考えなさい」と指示するのはおすすめしません…。
また、子どもが将来的に文系に進みたいと言ったら、その気持ちを尊重することをおすすめします。
理系脳・文系脳とは
文系脳・理系脳という言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。ここでは文系脳・理系脳について解説します。
文系脳とは
文系脳とは、言葉の意味を深くとらえること、物事の背景や感情的な部分を読み取ることに長けた能力、その持ち主のことです。
文系脳の人は、根拠立ててわかりやすく筋道を作って考える・説明するのが得意な特徴があります。
事実や理論よりも、その言葉の意味や定義・解釈について考える傾向にあります。
理系脳とは
理系脳とは、物事に対して数値的な確かさや客観的に根拠のあるものを重視する傾向にある能力、その持ち主のことです。
論理的な筋道や裏付けを求めます。そのため、理屈っぽく感じることもあるかもしれません。
理系脳と文系脳はただの傾向
理系脳・文系脳と分けようとすることが多いですが、実際には傾向の違いです。
理系科目が得意でも文系的な思考をする人ももちろんいます。
あくまで「このような考え方をする傾向がある」というだけで、文系脳・理系脳にはっきりした区別はありません。思考の傾向だと考えてよいかと思います。
理系・文系は遺伝が関係する?
さて、文系や理系は遺伝するものなのでしょうか。
結論から書くと、文系や理系は遺伝の影響を受けます。
やや専門的な内容ですが、人の理解力には遺伝子が関係していて、なかでもSNAP25という遺伝子は知性や認知能力と密接に関係しているそうです。
人の学習能力の3割から5割は遺伝要素が影響していて、残りは環境や本人の努力です。この遺伝要素は先天性で、生まれつき理系脳の傾向にある、文系脳の傾向があると判断することができます。
しかし、生まれつき理系か文系かはどうやってわかるのでしょうか。それは遺伝子検査です。
興味がある方は遺伝子検査を受けるとよいでしょう。
子どもの遺伝子から理系・文系どちらの傾向があるか、チェックすることができます。
ちなみに、文系カップルから理系の子どもが生まれる可能性も十分あり得ます。
しかし、これはあくまで遺伝子の傾向で、「あなたは遺伝子検査で文系だからさんすうは苦手なんだよ」と決めつけた情報を子どもに与えることはおすすめしません。あくまで子どもの思考の傾向を知る目的や、習い事選びの参考に検査するとよいかと思います。
理系の子どもの特徴
理系の子どもの特徴について見てみましょう。
さんすう・数学の成績がよい
理系の子どもの特徴は、さんすう・数学の成績がよいことです。
他の科目と同じように勉強をしていてもさんすう・数学の成績は、無理なく高得点が取れる子どもは、理系である可能性が高いです。
小学校低学年の問題は、基礎的な内容なので文系・理系であまり差はでません。小学校4年生以降になると、差が出てきます。小学校4年生以降でさんすう・数学が得意な子どもは理系の可能性が非常に高いです。
パズルが好き
理系の子どもの特徴は、パズルが好きなことです。
ルービックキューブやピタゴラス、平面パズルなどが好きな子どもは理系の傾向があります。テレビゲームやポータブルゲームでもパズルゲームを好む子やパズルゲームが得意な子は、理系かもしれません。
展開図が書ける
理系の子どもの特徴は、展開図が書けることです。
小学校4年生のさんすうでは展開図があります。これが問題なくスラスラできる子どもは、理系の可能性が高いと言えます。
数字を覚えるのが得意
理系の子どもの特徴は、数字を覚えることが得意・好きなことです。
電話番号を覚えるのが好き、車のナンバーを暗記するのが好きな子どもは、理系かもしれません。
ただ数字を暗記するのではなく、無意識に覚えやすいように頭のなかで数字の規則性を作っていることもあります。
たとえば、「いい国作ろう鎌倉幕府」の1192年を覚える場合は、「11」と「92」を分けて覚える子どももいます。「1+1」で下一桁の「2」になる。真ん中の「1+9」で10になる、と覚えるなど、数字に規則性を作って覚えることもあるのです。
方向感覚がいい
理系の子どもの特徴は、方向感覚がいいことです。
よく文系は地図が読めない、理系は地図が読めて方向感覚がいいと聞きませんか。これは空間認知能力の違いです。空間認知能力が高いと、方向感覚がよくなります。
たとえば、大きなビルが右側にあったとしましょう。クルっと向きを変えて、ビルが真後ろになったときに、すぐに「来た道はこっち」と頭のなかで考えられる子どもは、空間認知能力が高く、理系である可能性があります。
子どもと初めての場所にでかけたときに、来た道をたどれるか、帰りは子どもに道案内をさせてみてください。すんなり来た道をたどれると空間認知能力が高いと言えます。
理系は就職に有利って本当?
ここまで理系について解説してきました。なんとなく、「理系=天才的なイメージ」、「理系=優れているイメージ」を抱く方も多いのではないでしょうか。
理系は就職において有利なことがあるのか、調べてみました。
旺文社教育情報センターの調査によると、2018年の大学生の進路決定率は90.0%でした。
さらに進路決定率を文系・理系に分けて見てみると次のようになっていました。
- 文系の進路決定率→88.3%
- 理系の進路決定率→93.1%
この調査結果によると、文系よりも理系のほうが就職に有利のように感じられます。これは学部によっても違いがあるでしょう。
しかし、着目すべきは就職率ではなく、「進路決定率」であることです。
大学院によっても傾向がありますが、大学院は理系が多い傾向にあることから、理系のほうが進路決定率が高い可能性も考えられます。(理系は就職せずに大学院に進むと人が多い)
まとめ
子どもを理系にする方法・おすすめの習い事、理系脳・文系脳とはなにか解説しました。
子どもを理系にするおすすめの方法は次の6つです。
- 理系・文系と型にはめない
- パズルなど知育玩具で遊ばせる
- 子どもに疑問を抱かせる
- 計算ドリル・マス計算をやらせる
- 子どもに説明させる
- ゲームを取り入れる
子どもを理系にしたい方におすすめの習い事は次のとおり。
- 実験教室
- そろばん教室
- 知能教室・幼児教室
- プログラミング教室
- 将棋教室
- 自然体験教室
ただし、これらは、子どもの理系脳を育む、理系的思考を育むためのもので、理系になるとは限りません。それは理系か文系かは遺伝要素も強いからです。
子どもの能力や思考を尊重した上で、理系的思考を伸ばしたいですね。