ストリートダンスに役立てるためにバレエを習うべきか解説
バレエはあらゆるダンスの基礎となっていると言われています。ストリートダンスを習っている子も多いですが、バレエも一緒に習うと上達が早いのでしょうか。
今回は、ストリートダンスのためにバレエを習うべきか解説します。
ストリートダンスと一緒にバレエを習うメリット・デメリットも記載しました。ストリートダンスを習っていて、なかなか上達せず悩んでいる方もぜひ参考にしてください。
バレエはダンスの基礎!ストリートダンスと一緒に習うべき?
ストリートダンスと一緒にバレエは習うべきか、解説します。
結論からですが、ストリートダンスを上達させるためにバレエを習うのもおすすめですが、必須ではありません。
人によっては、ストリートダンスのためにバレエを習っても、混乱することや、かえってストリートダンスができなくなることもあるので、バレエが必ずしもおすすめとは言えません。
くわしく解説していきますね。
そもそもバレエは歴史の長いダンスで、あらゆるダンスの基礎となっていると言っても過言ではありません。
ストリートダンスよりも前からバレエは存在していて、ストリートダンスはバレエの影響も少し受けているのです。
まったくバレエの要素が入っていないということはあまりなく、ストリートダンスもある程度バレエが基礎となって、多くのダンスが合わせって完成されたダンスと言えます。
そのため、ストリートダンスの上達目的でバレエを習う人もいるのは事実です。
実際にわたしの子ども時代のバレエスクールには、ヒップホップ、タップダンス、ジャズダンスをメインでやっている子がいました。それぞれのダンスをより上達させるために、バレエを習っていたのだと思われます。(保護者がバレエもやらせたかったのもあると思いますが^^)
たしかに、ストリートダンスなど他のダンスを上達させるためにバレエを習う人もいるのですが、実際にバレエレッスンを受けて他のダンスができるようになるかは、個人差が大きいです。
ストリートダンスとバレエは、共通点はあっても、そもそも別のジャンルなので、用語やターンの仕方、姿勢が異なります。また先生が違えば、指導の仕方や言葉遣い、スクールのルールも異なるため、バレエに慣れるまでは苦戦するでしょう。
「ヒップホップではこうなのに…」と思うこともあるはずです。
わたしがお世話になっているバレエスクールには、2か所のバレエスクールに通っている生徒さんもいますが、同じバレエでさえも流派が違うだけで、「動きが違うから若干混乱する…」と言っていました。
ストリートダンス上達のために、バレエを習うことで、新たな視点でストリートダンスが見え、「こうすればいいのか!」とストリートダンスにバレエを活かすことができるかもしれませんが、異なる2つのジャンルを習うことで混乱することもあります。
バレエを習っておけばストリートダンスも上達するとは、一概に言えません。
ストリートダンスと一緒にバレエを習うメリット
ストリートダンスと一緒にバレエを習えば必ずしも上達するとは言えませんが、もちろんメリットはあります。ここではメリットを解説します。
- 柔軟性がアップする
- 運動量がアップする
- リズム感がよくなる
- 別の視点が得られる
- しなやかな動きが獲得できる
柔軟性がアップする
バレエも一緒に習うメリット1つめは、柔軟性がアップすることです。
バレエは特にしなやかな動きを重視するダンスで、より高く足が上がるようにストレッチをレッスン中にすることもあるほど。
バレエダンサーというと、体が柔らかいイメージがありますよね。
ストリートダンスと並行してバレエを習うことで、柔軟性が増します。柔軟性がアップすることで、ストリートダンスにも活かすことができるでしょう。怪我をしにくくなる、体の可動域が広がり表現力が増すなどメリットがあります。(体が柔らかすぎると、踊りにくいこともあるのですが^^;)
運動量がアップする
バレエも一緒に習うメリット2つめは、運動量がアップすることです。
バレエも習えば、レッスンが増えるため、1週間あたりの運動量も上がります。
月曜日にヒップホップだけだった子が、月曜日はヒップホップ・木曜日はバレエとなれば、増えたバレエの分だけ運動力が増えるのは当然。
運動力が増えれば、体力もつき、免疫力もアップするでしょう。
身長に対して体重が過多な子だと、健康面も心配です。子どもはダイエットをする必要は基本的にありませんが、体重過多で怪我をしやすい場合は、追加でバレエを習うことでシェイプアップにもなります。バレエも始めることで、より健康にもなるでしょう。
リズム感がよくなる
バレエも一緒に習うメリット3つめは、リズム感がよくなることです。
バレエもストリートダンスと同様に音楽に合わせて踊るので、カウントを意識して踊ります。バレエはビートで踊らず、メロディで踊るダンスではありますが、リズム感はアップするでしょう。
バレエを追加することで、音楽に合わせて踊る機会が増えるので、リズム感はアップするのは当然です。ヒップホップだとリズムが取りにくいけど、バレエだと取りやすいという子もいます。特にクラシック音楽が好きな子、ピアノやバイオリンなど楽器を習っている子だと、バレエのほうがリズムを取りやすいということもあるでしょう。
別の視点が得られる
バレエも一緒に習うメリット4つめは、別の視点が得られることです。
ストリートダンスでできなかったことが、バレエの先生からの指摘を得ることで、理解できる・できるようになることはあるでしょう。
繰り返しますが、バレエとストリートダンスは別ジャンル。バレエの視点を得ることで、ストリートダンスの見え方が変わってくることもあります。
わたしの知人の娘さんも、ヒップホップを習っていますが、回転系が苦手で目が回るそうです。追加でバレエを習い、その先生が顔のつけ方をていねいに教えてくださったそうですが、そこからヒップホップでの回転も慣れてきたとのこと。
顔のつけ方、肩の下げ方、腹筋の引き上げ方などもバレエでも学べるので、それがヒップホップで活かせることもできるでしょう。
しなやかな動きが獲得できる
バレエも一緒に習うメリット5つめは、しなやかな動きが獲得できることです。
バレエはどちらかというと強く激しいダンスというよりも、優雅で柔らかいダンスと言えます。バレエを習うことで、動きがしなやかになり、それがヒップホップでも活かせることもあります。
ストリートダンスと一緒にバレエを習うデメリット
ストリートダンスと一緒にバレエを習うメリットはたくさんありますが、デメリットも…。ここではデメリットを紹介します。
- 発表会が重複する可能性ある
- 混乱しやすい
- 出費が増える
- クセがつく可能性がある
- 振り付けなど覚えることが増える
発表会が重複する可能性ある
バレエも一緒に習うデメリット1つめは、発表会が重複する可能性があることです。
ダンスの発表会は、土日祝日がほとんどで、子ども中心のスクールの場合は、夏休みや春休みなど学校がない期間に発表会を開くこともあり、ストリートダンススクールとバレエの発表会が重複することもあるのです。
1年は365日もあるのに、なぜか不思議と発表会って重なるのですよね…。
重複すれば、メインで習っているストリートダンスを優先することになりますが、バレエの発表会を辞退するとなると、断る理由を伝えにくい、振り付けのレッスンに参加しにくいなどデメリットも…。
混乱しやすい
バレエも一緒に習うデメリット2つめは、混乱しやすいことです。
ストリートダンスとバレエでは、用語も違うので、子どもが混乱することもあります。また指導をする先生が異なれば、指摘の仕方も違うため、子どもが困ることも。
さらに、ストリートダンスとバレエではシューズが異なるので、踊りにくいと感じる子もいるでしょう。履きなれないタイツに「気持ち悪い…」と感じる子もいるかと思います。
これらの違いから、レッスンで混乱することもあり得ます。
出費が増える
バレエも一緒に習うデメリット3つめは、出費が増えることです。
習い事が1つ増えるのですから、これは当然ですよね…><
単純に月謝を払うだけではなく、バレエを追加するならレオタード、シューズ、タイツなど必要なものを一式そろえます。レッスンウェアはストリートダンスとは異なるので、注意してください。
ちなみにレオタードやシューズは、安くはありません…。子どもだとサイズアウトもしやすいので、おとなよりもお金がかかります。
さらに、発表会参加費も必要です。チュチュなど衣装をレンタルする場合は1万円ほどが必要で、発表会にはトータルで5万円くらいはかかるでしょう。
ストリートダンスに加えてバレエの発表会に出ると、かなりの出費になることがデメリットです。
クセがつく可能性がある
バレエも一緒に習うデメリット4つめは、クセがつく可能性があることです。
繰り返しますが、ストリートダンスとバレエは異なるダンスなので、動きが違います。そのため、ストリートダンスのクセがバレエに出ることもあるでしょう。反対にバレエのクセが、ストリートダンスに出てしまい、うまく踊れないこともあります。
振り付けなど覚えることが増える
バレエも一緒に習うデメリット5つめは、振り付けなど覚えることが増えることです。
ストリートダンスとバレエどちらの発表会にも参加するとなると、それぞれの振り付けを覚えなくてはいけません。「来週までにここまでやってきてね」と先生から宿題を出されることもあります。ダンスは覚えることが多いですが、2つのスクールに通うことで、覚えることが2倍になるのです…。
覚えることが増えれば、上達にもつながりますが、子どものキャパオーバーになってしまうことも…。ダンスのことを頑張りすぎて、学校の勉強がおろそかになってしまうこともあるかもしれません。やることが増えるのが、デメリットと言えます。
バレエ教室の選び方
ストリートダンス上達のためにバレエを習いたい人向けのバレエ教室の選び方を解説します。
- 同じスクール内のダンスクラス
- チケット制のバレエスクール
- レッスン頻度が高くないバレエスクール
同じスクール内のダンスクラス
バレエ教室の選び方1つめは、同じスクール内のダンスクラスです。
通っているストリートダンスのスクール内にバレエクラスがある場合は、そのバレエクラスでレッスンを受けるのがおすすめです。
同じスクール内のバレエクラスなら、別途入会金はかからず、「追加レッスン」として月謝にプラスされるだけなので、経済的です。
通いなれたスクールにあるバレエクラスなら、初めてでも子どもも安心して通いやすいでしょう。
チケット制のバレエスクール
バレエ教室の選び方2つめは、チケット制のバレエスクールです。
子ども向けのスクールだとあまりチケット制のスクールは少ないですが、ストリートダンス上達目的でバレエを習う場合は、チケット制のほうがおすすめです。
メインのストリートダンスで疲れてしまうことや、ストリートダンスのレッスンを優先したいことで、バレエを欠席することもあるでしょう。チケット制なら、都合に合わせてレッスンを受けられるので、ストリートダンスメインで習う人にもおすすめです。
レッスン頻度が高くないバレエスクール
バレエ教室の選び方3つめは、レッスン頻度が高くないスクールです。
バレエ教室は、本格的なプロを養成するようなところは週5~6日レッスンをしていることもありますが、趣味や教養としてのレッスンであれば週1です。
本格的にプロを目指す、コンクール上位を目指すバレエ教室に、遊びで入会することはほぼできません。「バレエを学びたいのではなく、ストリートダンスの上達のためにバレエの基礎を習いたい」と言うと、確実に断られてしまうでしょう。
週5~6日レッスンをするような本格的なスクールは、入会するのにも審査があることも多く、厳しいので、あくまでメインをストリートダンスとする場合は、趣味として楽しく習える週1~2回のレッスン頻度のスクールがおすすめです。
ストリートダンスのためにバレエ教室に通う注意点
ストリートダンスのためにバレエ教室に通う注意点を解説します。
- 「本業はストリートダンスだから」と開き直らない
- バレエにも全力で取り組む
- 他にも習い事をしていると伝える
- すぐに上達するわけではない
「本業はストリートダンスだから」と開き直らない
注意点1つめは、「本業はストリートダンスだから」と開き直らないことです。
これは絶対にやってはいけないことです。
バレエの先生は、生徒のためを思って指導をしてくださっています。いじわるで指摘をしているのではなく、成長・上達してほしいと思っているから。ときには精神的な成長ができるようにと、あえて叱責をすることもあります。
しかし、生徒が「自分はバレエではなくストリートダンスがメインだから」、「バレエはストリートダンスのためにやっているだけだから」と、開き直ってた態度でレッスンを受けていると、先生も本気で指導をしよう! と思えなくなってしまいます。
生徒は平等に扱うべきですが、先生だって人間ですから、バレエを本気で学びたい人を優先したいのです。
バレエがメインではないと思いながらレッスンを受けていると、態度に出てしまうこともあるので、注意をしてください。
バレエにも全力で取り組む
注意点2つめは、バレエにも全力で取り組むことです。
メインがストリートダンスであることは悪いことではありませんが、だからといってバレエで手を抜く、先生の話を聞かない、自宅で練習しないことは、先生に失礼に当たります…。バレエを頑張って習っている他の生徒にもよくはないですよね…。
先生は指導のプロで、多くの子どもを見てきています。手を抜いている子は見ればすぐにわかるものです…。
たとえバレエがサブ的であっても、可能な限り全力で習ってください。
他にも習い事をしていると伝える
注意点3つめは、他にも習い事をしていると伝えることです。
入会前などで手続きをする際に、「他に習い事をしていますか?」と質問されることがあります。このときに、正直にストリートダンスを習っていると伝えることをおすすめします。
万が一、発表会がバッティングしたときに、「実はストリートダンスのほうの発表会と重なってしまって…」と言いやすくなります。これだとストリートダンスを優先するのか…と先生に思われてしまいますが、後から別の発表会に出ていたと発覚するよりもよいので、素直に伝えることをおすすめします。
ただし、先生によっては他にもダンススクールに通っている生徒を嫌がることもあります…。わたしがおとなになってから通ったバレエの先生はこのタイプで、比べられている感じが嫌みたいでした…。一部にはこういう先生もいます。
「ストリートダンスをすでに習っていますが、バレエも全力で取り組みます」と伝えることをおすすめします。
すぐに上達するわけではない
注意点4つめは、すぐに上達するわけではないことです。
バレエ未経験の場合は、入門クラスに入ることになるでしょう。自分はストリートダンスを習っているのでバレエもすぐに上達するだろう! と思っていると、苦戦するかもしれません。
ストリートダンス経験者なら、リズム感もよく、振り覚えもよいかもしれません。しかし、先述したようにストリートダンスとバレエは違うダンスなので、すぐに上達するとは限らないのです。
YTJのためにダンススクールに通うのはアリ?
最後にYTJについてです。
うちの娘は、YTJというミュージカル劇団に所属していて、毎週2~4時間の歌・ダンス・英語・演技の指導を受けています。
YTJについてはこちらを見ていただければ、なんとなーくどんなところだかおわかりいただけるかと思います。
国際的に活躍する若者を輩出するユースシアター(劇団)-ユースシアタージャパン(YTJ)
最大の特徴は、英語パフォーマンスと言えます。
そんなYTJですが、ダンスのレッスンもしているのに、別のダンススクールに通ったほうがよいのでしょうか。
YTJから、別でダンススクールに通うことをすすめられることはまずありません。
しかし、ミュージカル公演で活躍する子、JYDFというYTJ主催のダンス大会の上位者、ダンスソロで活躍する子、特別選抜クラスで活躍する子は、別でダンススクールに通っていることも多いです。
かつてダンススクールに通っていて、その後ダンススクールを辞めてYTJに絞って活動しているなど、ダンススクールと並行して通っていた子はかなりいます。
実際にわたしたちYTJの保護者で会話をするときに、「やっぱりダンススクールに通っている子のほうが、目立つよね」、「ダンススクール経験者じゃないと、JYDF上位には入れないよね」と話すことはあります。
YTJでより活動したい子や目立つポジションで踊りたい子は、ダンススクールも一緒に通うとよいかもしれません。
ですが、YTJのレッスンは週1~2回でさらに発表会が年間4回はあります。外部イベントに参加するなど、かなり活動は忙しいと言えます。
しかもセリフや振り付けを覚えるなど、やることはたくさん。
ここにダンススクールも加わると、かなり子どもが忙しくなることは明らかで、保護者の送迎負担も大きくなるでしょう。YTJのためにダンススクールに別途通い始めたことで、YTJのレッスンがおろそかになってしまうことも…。
YTJでより活躍するためにダンススクールに通っている子ももちろんいますが、両立することはかなり大変と言えます。
YTJは追加レッスンがおすすめ
YTJのためにダンススクールに通う子もいると記載しましたが、YTJには追加レッスンというものがあります。
参加は任意ですが、YTJではバレエのレッスンが受けられます。
このYTJの追加のバレエレッスンは、補助的な位置づけで、バレリーナを目指すものではありません。あくまでミュージカルダンスの基礎をかためるためのバレエなので、トウシューズを履くこともありません。
しかし、このバレエがミュージカルダンスに活かすことはできるので、別のダンススクールに通わず、まずは追加でレッスンを受けることをおすすめします。
YTJの追加レッスンはかなり安く、月2,000円から3,000円です。外部のダンススクールに通うと、こんなに安くダンスを習うことはなかなかできません。
別途入会金がかかることもなく、いつものYTJのスタジオでバレエが習えるので、経済的です。
まずはYTJの追加レッスンでバレエを受けてみて、それでも物足りない場合は外部のダンススクールも検討してみてください。
まとめ
ストリートダンスのためにバレエは習うべきか解説しました。
バレエはあらゆるダンスの基礎なので、習うことでストリートダンスのパフォーマンスが上がることもありますが、個人差も大きいです。
ストリートダンスのためにバレエを習うメリットは、次のとおり。
- 柔軟性がアップする
- 運動量がアップする
- リズム感がよくなる
- 別の視点が得られる
- しなやかな動きが獲得できる
デメリットは次の5つです。
- 発表会が重複する可能性ある
- 混乱しやすい
- 出費が増える
- クセがつく可能性がある
- 振り付けなど覚えることが増える
ストリートダンス上達のために通うおすすめのバレエスクールは、次の3つ。
- 同じスクール内のダンスクラス
- チケット制のバレエスクール
- レッスン頻度が高くないバレエスクール
バレエスクールを通うときの注意点は次の4つです。
- 「本業はストリートダンスだから」と開き直らない
- バレエにも全力で取り組む
- 他にも習い事をしていると伝える
- すぐに上達するわけではない