ダブルスクールとは?ダンスはダブルスクールをしたほうがいいの?YTJの場合は?
ダンススクールに通っていてもなかなか上達せず、もう1か所通ったほうがいいのかな…と悩むこともあるかと思います。他のダンススクールに通うこと(ダブルスクール)はどうなのでしょうか。
今回は、ダンスのダブルスクールのメリット・デメリットについて解説します。
ダンススクールをダブルスクールしていいものなのか、YTJのダブルスクール事情についても記載しました。
このページは次の構成で書かれています
- ダブルスクールとはなにか
- 子どもは習い事を何種類している?
- 【ダンス】ダブルスクールをするメリット
- 【ダンス】ダブルスクールのデメリット
- 【ダンス】ダブルスクールはご法度?
- YTJのメンバーはダブルスクールをしている?
ダブルスクールとはなにか
ダブルスクールの定義について解説します。
まず一般的なダブルスクールの定義は、同時に複数の学校で勉強をすることです。大学生や短大生が資格試験を取るために、学校に通いながら、新たに専門学校にも通うことを意味します。
今回のブログでのダブルスクールは、2か所のスクールで同じ分野の習い事をするという意味で使用します。通常の使い方とはやや異なるので、ご留意ください。
子どもは習い事を何種類している?
まず、子どもは習い事を何種類くらいしているのでしょうか。
習い事情報サイトのケイコとマナブが、習い事をしている小学生以下の第一子を持つ保護者に実施したアンケート結果は次のようになっていました。
参考:『ケイコとマナブ』2016年 子どもの習い事ランキング
子どもひとりあたりの習い事の数は、2014年で1.9個、2015年で2.0個、2016年で2.0個です。やや古いデータですが、小学生以下の子どもは平均2つの習い事をしていると言ってよいでしょう。
しかし、これは同じ分野の習い事をしているとは限りません。
たとえば、ピアノ教室と英語教室、ダンス教室と幼児教室、のように異なるジャンルの習い事を2つしている可能性が高いです。
また、2022年現在のデータはありませんが、少子化の影響からひとりあたりの習い事の数は増えている可能性があります。しかし、2022年10月現在は、モノの価格が上昇し、生活費に負担がかかっている状況です。今後は子どもの習い事の数が減る可能性もあるでしょう。
【ダンス】ダブルスクールをするメリット
さて、ここではダンスのダブルスクールについて解説します。
ダンスを習う子どもは、ダブルスクールをしていることもあるのです。実際にわたしが現在通っているバレエスタジオには、ベリーダンスをやっている方が通っていました。
ベリーダンスの先生から「バレエはあらゆるダンスのジャンルに通じているから、一度基礎クラスを習ってみては」と提案されたそうです。
ダンスのスキルが偏らないように、幅広いジャンルのダンスを習わせる保護者もいて、ダンス教室のダブルスクールする人もいます。
日本舞踊とバレエ、ヒップホップとバレエなどです。わたしがずっとバレエをやってきているので、ややバレエ推し傾向もあるのですが(笑)、長くバレエをやっていて思うのは、他のジャンルのダンスと一緒にバレエもやる人は多いです。
ダンス教室のダブルスクールをする人がいることはわかりましたが、ダブルスクールのメリットはなんでしょうか。解説します。
主なメリットは次のとおり。
- 視野が広くなる
- 踊りの幅が広がる
- 別の角度から改善点を指摘してもらえる
- レッスン頻度が増える
【ダンス】ダブルスクールのメリット|視野が広くなる
ダンス教室のダブルスクールをするメリットは、視野が広くなることです。
たとえば、ヒップホップのみを習っているよりも、ジャズダンスも一緒に習ったほうが、ヒップホップダンスのことをより理解できることもあります。ジャズダンスの柔らかさを活かしてヒップホップを踊るなど、よいところを取り入れてダンスができるでしょう。
【ダンス】ダブルスクールのメリット|踊りの幅が広がる
ダンス教室のダブルスクールをするメリットは、踊りの幅が広がることです。
わたしが通うバレエスタジオに通っていたベリーダンスを習っている人は、「バレエを習うことで、肩を下げることを学んだ」、「引き上げのコツがわかった」、「より柔らかい動きを意識するようになった」と言っていました。
複数のジャンルのダンスを踊ることで、自分の踊りの幅が広がることがメリットです。
【ダンス】ダブルスクールのメリット|別の角度から改善点を指摘してもらえる
ダンス教室のダブルスクールをするメリットは、別の角度から改善点を指摘してもらえることです。
いつも同じ講師からダンスを習っていると、講師は「この人はいつもこうだから、もう指摘するのはやめよう」と思うことがあります。講師も人間なので、同じことを指摘するのは避けたいこともあるのです。
別のダンスス教室に行き、いつもとは違う講師からレッスンを受けることで、今までとは違った新たな指摘を受けることもあり得ます。
この普段とは違う視点の指摘が、上達の近道になることもあるのです。
【ダンス】ダブルスクールのメリット|レッスン頻度が増える
ダンス教室のダブルスクールをするメリットは、レッスン頻度が増えることです。
これはとてもシンプルな話で、ダンススクールに2か所通えば、レッスンを受ける機会もそれだけ増えます。そのため、上達もしやすいのです。
【ダンス】ダブルスクールのデメリット
さて、ここまでダンスのダブルスクールのメリットを記載してきました。ここからはデメリットについて解説します。
デメリットは次のとおりです。
- 多忙になる
- スケジュール調整がしにくい
- メソッドの違いがある
- 講師の表現に違いがある
【ダンス】ダブルスクールのデメリット|多忙になる
ダンス教室のダブルスクールをするデメリットは、多忙になることです。
ダンス教室を2か所通うということは、レッスンも増えます。学校に通っている子どもであれば、多忙になるでしょう。ダンスはただレッスンを受けるだけではありません。宿題を出されることもあります。学習塾のような宿題ではなくても、「この振り付けを練習してきてね」と言われることもあるのです。
練習していなくてもわからないだろう…と感じる方もいるかもしれません。しかし、プロの指導者は生徒の動きを見ていて、「この子は、1週間練習してこなかったな」とすぐに気がつきます。
ダブルスクールをするメリットは多くありますが、多忙になりすぎると、子どもがレッスンに集中しづらくなることもあるのです。どちらのレッスンも中途半端になってしまうこともあるでしょう。
【ダンス】ダブルスクールのデメリット|スケジュール調整がしにくい
ダンス教室のダブルスクールをするデメリットは、スケジュール調整がしにくいことです。
習い事の数が増えるということは、それだけスケジュールの調整がしにくくなります。一般的なダンススクールは、週1回のレッスンです。
すでにダンススクールに通っている場合は、同じ日にならないように調整する必要があります。普段のレッスンの調整はできて、「月曜日にAダンススクール、金曜日にBダンススクール」とスケジュールを組んだとしましょう。しかし、ダンススクールの発表会は土日開催が多く、バッティングしてしまうこともあり得るのです。
発表会そのものがバッティングしなくても、同じ時期に発表会が開催されることはよくあります。1ヶ月以内に2回発表会の予定があるということもあるでしょう。これだと、どちらも十分に練習して振り付けを覚えるのは難しいですよね。
このような調整負担があることが、ダブルスクールのデメリットです。
【ダンス】ダブルスクールのデメリット|メソッドの違いがある
ダンス教室のダブルスクールをするデメリットは、メソッドの違いです。
ダンスにはメソッドがあります。スクールによっては指導方法が異なり、ダブルスクールをしているとその違いに子どもが困惑することがあります。
わたしはダブルスクールはしていませんでしたが、バレエ教室を変えたことがあります。そのときに、メソッドの違いを感じました。ピルエットの違いや、トンベパドブレのやり方が違っていて、あれ? と思ったのです。
当時は子どもながらにショックを感じました。バレエをずっと習ってきて、別のスクールに移動したときは「バレエの経験者が入ってきた」という空気になっていたので、メソッドが違いに困った様子を見せるのが少し嫌でした。
このようにダンススクールによって、メソッドが異なります。特にクラシックバレエの場合は、ワガノワ派、チケッティ派などがあり、パが少し異なるのです。
ダブルスクールをする場合は、メソッドが同じところがよいかもしれませんね。
【ダンス】ダブルスクールのデメリット|講師の表現に違いがある
ダンス教室のダブルスクールをするデメリットは、講師の表現に違いがあることです。
講師は人間ですから、人それぞれ表現が違います。
これもわたしはすごく経験しました。
バレエを経験して何人もの講師に教えていただいたのですが、「背中を伸ばして」と指示を出してくださる先生が多かったです。姿勢をピンとよくするために背中を伸ばして、と指示を出す先生がいますが、これだと頭を反らせてしまう人もいます。ある先生が「背骨を伸ばして」と言っていました。そのときに「背骨は頭の真下の首の付け根まで伸びているんだよ」と補足してくださって、首までまっすぐ伸ばすように生徒が意識したのです。
指導の表現が違うこともデメリットの1つと言えます。
A教室の先生はわかりやすい指示だけれど、B教室の先生はわかりにくいということもあるでしょう。これはA教室の先生の指示に慣れているからです。
ちなみに、バレエの用語についても講師によって言い方が違います。わたしが子どものときに教えてくれた先生は「アントルラッセ」と呼んでいたパを、今の先生は「アントラッセ」と呼んでいます。
バレエ以外でもスクールが違うことで用語が異なることはあるかと思います。
このように表現にも違いがあるのです。
【ダンス】ダブルスクールはご法度?
ダブルスクールのメリット・デメリットを解説しました。
ダンススクールを2か所通っている子どもはいますが、業界によってはダブルスクールはご法度とされていることがあります。
わたしの感覚ですが、バレエではダブルスクールはご法度とされることが多い印象です。その理由について解説します。
ご法度とされる理由は次のとおりです。
- 講師のプライド
- 発表会のバッティング
- 所属スタジオの問題
講師のプライド
ダンスの講師は、指導に対する高いプライドを持っています。プロ意識も高いため、他のスクールに生徒が通うことで、プライドが傷つくことがあります。
あえて他のダンスのスクールに通っていると言わなくても、講師の知られてしまうこともあるのです。ダンス講師は別のスタジオに所属していても、お互い情報交換をする仲であったり、つながっていたりすることがあります。
講師にはダブルスクールを内緒にしているつもりでも、知られている可能性があるのです。
ちなみにわたしの経験だと、ダブルスクールをしている生徒さんで冷遇されている人がいました。講師は生徒に平等であるべきと思いますが、どうしても「他のスクールでも習っているから、これくらいは知っているだろう」とう考えがあるのか、講師があからさまに指導が少なくすることがあったのです…。わたしの先生は、「他のスクールで習ったことがある人」、「他のスクールも現在通っている人」があまり好きではないようでした…。(すべてのダンス講師がこういう考えではありませんのでご安心ください)自分の指導が比べられている気がして嫌だったのかもしれません。
このようなことがバレエだとあり得るので、ダブルスクールには注意をしたほうがよいかもしれません。
発表会のバッティング
先述したようにダブルスクールをすると、発表会がバッティングしてしまうことがあります。
ダンススクールにとって発表会は一大イベント。講師は誰にどんな立ち位置でどんな役にするかを、本番のずいぶん前から考えて構想を練っているのです。
ダブルスクールをされると、発表会のバッティングが懸念され、「〇〇さんは他のスクールにも通っているし、発表会に出てくれるのだろうか」と不安になることがあります。講師としては自分のスクールの発表会を欠席して他のスクールの発表会に出演されるとよい気がしません。そのためダブルスクールをしていることがわかっている生徒は主演にしないこともあり得ます。
ダブルスクールをしている生徒だと、発表会に出てくれるかどうかわからないため、舞台の配役で冷遇されてしまうこともあるのです。
所属スタジオの問題
所属スタジオの問題もあります。これはどういうことかというと、ダンスのコンクールや大会に出場するときに、所属スタジオを出す必要があります。
「〇〇ダンススタジオ所属の〇〇さん」というように紹介されて、コンクールなどに出ます。これで上位に入ると、「このスタジオはコンクール上位者を輩出した」、と評価が上がるのです。
ダブルスクールをしている生徒がダンスのコンクールに出る場合、どちらのスタジオに所属とするかで問題になることがあります。多くは、コンクール出場の声をかけてくれた講師のスタジオで、その講師がコンクールの手配をし、コンクールのための振り付けを指導してくれます。その指導してくれた講師のスタジオ所属とするのが一般的ですが、もう1つの別のスクールからすると、「うちの生徒がコンクールに出たのに、所属をどうしてうちにしていないのだろう」と思うこともあるのです。
わたしはクラシックバレエしか経験していませんが、ダブルスクールはご法度な印象です。スクールによっても違うでしょうし、講師の考えによっても異なるかと思います。しかし、多くの場合はダブルスクールはあまりよいイメージがないようなので、他のスクールで習いたい方は、気を付けたほうがよいかもしれません…。
YTJのメンバーはダブルスクールをしている?
YTJのダブルスクールについても解説します。
YTJはミュージカル劇団で、特徴は英語でのパフォーマンスです。歌やダンス、英語のレッスンがあるのですが、ダンスのダブルスクールをする子どももいます。ちなみにうちの娘はダブルスクールはしていません…^^;
わたしの娘のYTJのお友だちで他のダンススクールに通っている子もいます。その保護者とはとても仲がよく、よく話をするので、以前から「他にもダンススクールに通ったほうがいいかな」という会話はしたことがありました。
ここでは、YTJのメンバーがダンスのダブルスクールをする理由を解説します。
(なお、ダブルスクールをしている子どもはごく一部です。)
主な理由は次のとおりです。
- よりたくさんの指導を受けさせるため
- 選抜メンバーになるため
- JYDFのため
YTJのメンバーがダブルスクールをする理由|よりたくさんの指導を受けさせたいから
YTJのメンバーがダブルスクールをする理由1つめは、よりたくさんの指導を受けさせたいからです。
YTJは自主性を伸ばすことを重視していて、あまり「〇〇やりなさい!」と厳しくいうことはありません。指導も少なく、まずは子どもを自由にダンスさせることを重視しているようで、子どものやる気を尊重しています。
年中や小学校低学年のキッズメンバーのレッスンの場合は、指導は少なく子どもたちが自由にしていることが多いのです。物足りなさを感じる保護者もいるでしょう。保護者からすると、「これで本当に上達するのかな」と気になる人もいて、もどかしく感じることもあります。キッズメンバーの場合は、ダブルスクールをする人もいます。
これはYTJキッズメンバーあるあるかもしれません笑
年中から小学校低学年のキッズメンバーの場合は、下校時間も早くダブルスクールがしやすく、YTJ以外にもスクールに通っている子もいます。
YTJのメンバーがダブルスクールをする理由|選抜メンバーになるため
YTJのメンバーがダブルスクールをする理由2つめは、選抜メンバーになるためです。
YTJメンバーの憧れである選抜メンバー。選抜に選ばれると、選抜のジャケットがあり、これを着たくて子どもたちはみんなレッスンに励みます。選抜に選ばれると、出演できる舞台が増えて、出演時間が長くもなります。
子どもたちは「選抜の〇〇ちゃんは、すっごく上手でかっこいいな」と憧れることもあるのです。うちの娘がまさにそうで、今年の春にYTJの合宿に参加して、年上の選抜メンバーのお姉さんにとてもよくしてもらったようでした。そこから憧れたようで、「わたしも〇〇ちゃんみたいになりたい!」とよく言うのです。普段のレッスンでは会うことのないお姉さんメンバーですが、同じスタジオなので町で会ったことがあります。そのときはすごく嬉しそうでした。
選抜メンバーに選ばれるためには、スキルが必要です。スキル面以外に内面も重視されますが、ダンスのスキルも大切です。そのため、選抜メンバーに選ばれるために、YTJとは別にダンススクールに通うことがあります。
実際に選抜メンバーで他のダンススクールに通っている子は、結構いるようです。
YTJのメンバーがダブルスクールをする理由|JYDFのため
YTJのメンバーがダブルスクールをする理由3つめは、JYDFのためです。
JYDFとは、ジャパンユースダンスフェスティバルのことで、YTJが主催しているダンスコンテストです。YTJのメンバーたちはこのコンテストにも力を入れていて、上位を目指しています。
上位の子の演技を見ると、YTJだけでなく他のダンススクールにも通っているのだろうな、という感じがします。「この子はバレエの要素が強いから、バレエスクールにも通っているのだろうな」という子も。
YTJの保護者と話したときに、「やっぱりYJDFの上位の子は、ダンススクールに通っている子が多いよね。YTJだけでは無理なのかな」と話すこともあるほど。JYDFで上位を目指したいため、ダンススクールにも通わせる人もいます。
ダブルスクールをする人もいますが、YTJでもしっかりとダンスの指導があり、YTJのメンバーたちはダンススキルもかなり高いです。実際に運動会や学芸会などで活躍できる子どもはいっぱい。ただ、YTJ内でも上位を目指すのであれば、ダンススクールにも通うダブルスクールもよいかもしれません。
まとめ
ダブルスクールについて解説しました。
ダブルスクールのメリットは次のとおり。
- 視野が広くなる
- 踊りの幅が広がる
- 別の角度から改善点を指摘してもらえる
- レッスン頻度が増える
デメリットは次のとおりです。
- 多忙になる
- スケジュール調整がしにくい
- メソッドの違いがある
- 講師の表現に違いがある
ダンススクールのダブルスクールはご法度とされることも多いので、事前にいろいろ下調べしたほうがよいかもしれません。