人前で話せない・音読が嫌い・学芸会が苦手を克服するおすすめの対処法

みなさんは人前で話すのが得意ですか? おとなでも緊張しますよね。知っている人の前ならよくても、知らない大勢の前だと緊張するでしょう。

そこで今回は、人前で話すのが苦手な子ども、音読や学芸会が苦手な子ども向けの克服方法をご紹介します。

おとなでも実践できる対処法もあるので、ぜひご参照ください。

人前で話すのが苦手な原因とは

子どもが人前で話すのが苦手な原因をご紹介します。

  • 経験が少ないから
  • 自分に自信がないから
  • 過去のトラウマから
  • 声へのコンプレックスから
  • 視線が苦手だから

など。

【経験が少ないから】

まず最初に挙げられるのが、経験の少なさから。人前で話したことがほとんどない子どもであれば、緊張してしまうことがあります。

未経験なことはどんなことが起きるのかわからず、ドキドキしたこともみなさんありますよね。実際に経験してみると、意外と大変なことではなく、乗り越えられることも。

子どもも未経験なこと、経験値の少ないことには不安を感じるのです。

【自分に自信がないから】

自分に自信がないことで、人前で話すのが苦手な子もいます。話してもいいのか、聞いてもらえるか、失敗したらどうしよう、という不安な気持ちから人前で話せないこともあります。

【過去のトラウマから】

過去のトラウマから、人前で話せないこともあり得ます。

たとえば、小学校の国語の音読で、漢字を読み間違えてしまったとしましょう。そのときにクラスメートに笑われる経験をして、恥ずかしく感じるとそれがトラウマになり、人前で話すのを嫌うことがあります。

声が変だと言われた、音読で声が出なくなった経験がある、などもトラウマになることがあります。

【声へのコンプレックスから】

自分の声へのコンプレックスから、人前で話すことを嫌うこともあります。

声が高い、低いなど、他者と比べて変わっているように子どもが感じると、嫌がる傾向にあると言えます。

【視線が苦手だから】

視線が苦手で、人前で話すのが嫌な子どももいます。大勢を目の前にすると緊張してしまい話せなくなるものの、学校の国語の音読のように、クラスメートが自分を見ずに教科書に目をやっていれば読める子も。

人前で話すのが苦手な子どもの対処法

人前で話すのが苦手な子どもは少なくはありません。学校では、どうしても人前で話すことがありますよね。

  • 研究の発表
  • 学芸会
  • 音読
  • 日直のあいさつ
  • ディベート

などです。

学校を卒業して社会に出たおとなでも、人前で話すことはあるかと思います。

  • プレゼン
  • 会議
  • ミーティング
  • 結婚式のスピーチ

などです。

人前で話すことは、なかなか避けられないはずなので、対処法を知りましょう。

1.台本を作る

人前で話すのが苦手なことを克服したいのであれば、台本を作りましょう。

話す内容をそのまま書いた台本を作るのです。台本の作り方は自由ですが、不安がある子は、一言一句作るとよいでしょう。

文字をズラズラと書いてしまうと、読みにくくなるので、後から自分で読みやすいように音節を区切って書きます。小学校低学年の場合は、保護者がサポートしましょう。

強弱が付けられるように、強調したい部分は蛍光ペンでマーカーを引くとよいですよ。読み間違えないように、フリガナを振る、息を吸う場所を書くなど、自分なりの目印を付けましょう。

2.鏡の前で練習する

台本が作れたら、鏡の前で読んで練習してみましょう。勉強机に向かって、鏡を置きます。その鏡に写った自分をときどき見ながら、台本を読んでください。

鏡に写る自分を、クラスメートなど他人だと思うと、視線が苦手な子には有効な練習になるでしょう。チラチラと鏡を見ながら読むかと思いますが、鏡の自分とは目が合いますか? それも確認してみてください。ほとんど目が合わなかったら、自分が下を向いて読んでいる証拠です。

人前で話すときは、なるべく聞く人を見るとよいです。自分が下ばかり向いているように感じたら、「ここで前を見る」というポイントをいくつか作りましょう。

前を見るポイントを台本に書き込むとよいですよ。

3.録音して練習する

自分が台本を読む様子をスマホなどで録音して聞いてみましょう。台本を読んでいるときは、一生懸命で自分がどこでつまってしまったかが客観視できないかと思います。

録音してその音声を聞くことで、自分の読み方や話し方の特徴がわかるはずです。
ちょっと早いなと感じたら、ゆっくりと話すように心がけましょう。声がモゴモゴしていて聞き取りにくく感じたら、ハッキリと話すことを意識してください。

子どもが幼い場合は、保護者も手伝いましょう。一緒に音声を聞いて、「もう少しこうしたほうがいいかもしれないね」とアドバイスをしてあげてください。

自分の声にコンプレックスがある子どもの場合、録音を嫌がることがあります。保護者は「素敵な声だよ、だから大丈夫」と安心させてあげてください。ただし、無理は禁物で、強く嫌がる場合は、録音は避けましょう。
「あなたの声は低いから、高めに出したほうがいいよ」、「あなたはちょっと声が聞き取りにくいから、もっとはっきりはなしなさい」と伝えるのはおすすめしません。
「今でもいい声だけど、もう少し高くするともっとよくなるかもしれないよ」など、子どもの本来の声を肯定しましょう。

4.録画して練習する

録画をして人前で話す練習もおすすめです。

ある程度、人前で話す内容がまとまって頭に入ったら、ぜひ録画をしてみてください。スマホで保護者が撮影しましょう。

下を見ずに堂々と話せているかをチェックしてください。もしも可能であれば、ただまっすぐに前を向くのではなく、右斜め前、左斜め前など視線を周囲に配りながら話せるとよいでしょう。

慣れてきたら、ボディーランゲージをつけて、録画でその様子を確認してください。

【録画のチェックポイント】

  • 下を向いていないか
  • 視線を周囲に配っているか
  • 姿勢はいいか
  • 身振り手振りを増やした方がいいか

5.家族の前で練習する

鏡の前、録音、録画と、ここまで練習してきたら、かなり自信がついてきているかと思います。いや、まだ自信がついていない…という方も、何度も台本を読んだはず。すでに頭に内容が入ってきていることでしょう。

今度は家族の前で練習してみましょう。

保護者、きょうだいなど家族を集めて、みんなに目の前に座ってもらいましょう。そして、自分は立って話す練習をします。

台本は見ても見なくてもどちらでもOKです。
家族の前でも緊張することはあるかと思います。「家族の前なのに緊張してしまった…どうしよう」と思わないでください。この緊張を本番前に経験しておくことが重要です。

誰でも人前で話すときは緊張します。緊張してどうだったかを考えてください。話すスピードが速くなる、手が震える、頭が真っ白になる、自分が今どこを読んでいるのかわからなくなる、などいつもと違うことが起きたかと思います。

これは本番当日にも起こる可能性があるので、冷静になれるように今から対処に慣れていきましょう。

「緊張するのは当然だ」、「緊張は誰にでも起きることだ」と理解することが大切です。その緊張を克服するためには、緊張しないようにするのではなく、緊張してどれだけ冷静に対処するかです。

【緊張したときのおすすめの対処法】

  • 一旦止まって、深呼吸をする
  • 緊張している、と正直に言う
  • いつもよりゆっくりと話す
  • 心の中で「大丈夫」と唱える

などです。

正直に緊張していると伝えると、場が和むことがあります。おとなにはこの方法がおすすめです。
「すみません、少々緊張していて…あたたかい心で見守ってくださると幸いです」と伝えると、笑いが起きることや、あたたかい拍手をしてもらえることもあります。

毎回本番のつもりで練習する

台本で練習する際は、必ず毎回本番のつもりで練習しましょう。

クラスメートの前で話す予定がある場合は、頭の中に教室を思い浮かべながら練習してください。みんなが今自分を見ている、と感じながら、常に本番のつもりで練習しましょう。

そうすることで、緊張対策になります。

緊張感を持つことが大切です。

大まかな流れを書いた台本を用意する

台本を一言一句書いた方は、最後に大まかな流れを書いた台本を用意しましょう。

一言一句書いている場合は、それを読むだけになっていたかと思います。これだと、読んでいるだけで伝わりにくいので、自分の言葉で説明できるように、台本には大まかな流れやポイントとなるキーワードのみを書いてみてください。

桃太郎の話を例に挙げて解説します。

【一言一句書いた台本】
あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に…(中略)桃太郎はおじいさんとおばあさんの家に帰り、幸せに暮らしました。

【大まかな流れを書いた台本】
おじいさん・おばあさんのこと
桃太郎登場
犬・サル・キジ登場
鬼と戦う

上記のような違いがあります。台本をざっくりと書くことで、視線が台本に向かなくなります。前を向いて話しやすいので、ぜひキーワードとなる言葉のみを書いてみましょう。

音読の練習方法、上達のコツ

小学生、中学生、高校生であれば学校で音読をさせられることもありますよね。苦手意識がある方向けに上達のコツをご紹介します。

人前で練習する

まずは人前で練習すること。家族の前、友だちの前で練習してみてください。

すでに記載したように、台本を作って練習するのもおすすめです。

ゆっくり読む

音読はゆっくり読むとよいですよ。緊張してしまうとスピードが速くなる人が多いです。これだと、聞いている側がついていけなくなるだけでなく、つっかえてしまうこともあります。

普段からゆっくり読むように練習してください。

少し先を見て読む

難しいことですが、少し先を目で読んで頭で理解しながら読むとスムーズに読めます。
口に出して読むところよりも目は先に進んでいるとスムーズですが、慣れないと難しいです。

「先に目で読む」と意識して、少しずつでいいので練習してみましょう。

区切りを意識して読む

音読は、句読点を意識しましょう。緊張して音読をすると、どこで息継ぎをしたらいいかわからなくなりませんか。間を置かず読んでしまい、よくわからない音読になることもあるでしょう。

「、」は、心のなかで「いち」と数える、
「。」は、心の中で「いち、に」と数える、

ことをおすすめします。特に小学校低学年の子どもは、心の中で数えるとよいでしょう。

また、「、」で1回うなずく、「。」で2回うなずく練習を家ですることで、間が上手に取れるようになります。これは小学校低学年の子どもにおすすめです。

意味のまとまりで分けて読む

意味のまとまりに分けて読むこともおすすめです。

桃太郎の文章を例に挙げて解説します。
「あるところにおじいさんとおばあさんがいました。」

これをそのまま読んでしまうと、ロボットが話しているかのようになってしまうので、次のように区切りましょう。

「あるところに/ おじいさんと/ おばあさんが/ いました。」

意味のまとまりに斜めの線を入れて区切りながら音読をしましょう。

通る声で読む

音読はただ口に出して読めばよいわけではありません。クラスメートに聞こえるように読む必要があるため、なるべく通る声を出しましょう。

お腹から声を出すことを意識してください。

緩急をつける

緩急をつけることも意識してください。

読むスピードを変える、声の高さを変えるのがおすすめです。

また桃太郎の例を出します。
あるところに/ おじいさんと/ おばあさんが/ いました。

この場合は、「おじいさんとおばあさん」を強調するように読むとよいのです。
誰がいたのかを説明する場面なので、説明したいことを理解して、強調しながら読みましょう。

学芸会が苦手な子の対処法

学芸会が苦手な子の対処法について解説します。

別の自分になり切る

学芸会が苦手な場合は、別の自分になりきりましょう
今は自分は俳優さん(女優さん)なんだ、と思うと、別の自分になりきれて、緊張もしにくいです。
いつものおとなしい自分は忘れ、今は別の人間! と思うことで、殻を破りやすいです。

普段は声が小さい子の場合は、声が大きな人になりきるとよいでしょう。

クラスメートの子になりきるのもおすすめです。その子の特徴を思い浮かべてください。声が大きい、いつも笑顔、ハキハキしている…など想像ができたら、その子になりきって大きな声で話してみましょう。

一言一句そのまま話さなくてもいいと理解しておく

学芸会の台本があると、そのセリフを暗記しようと頑張りますよね。それは正しいことですが、どうしても覚えられないこともあるでしょう。

セリフは、意味が通じて、場面にふさわしければ若干変わってもOKです。

暗記しなくちゃと思っていると、余計にドキドキしてしまいますが、少しくらい語尾が変わっても問題はないので、安心しましょう。

息を吐いてからセリフを話す

自分のセリフの番が近づくと、ドキドキしますよね。いざ、話そうと思うと、声が裏返ってしまう、声が出ないこともあり得ます。

話す前には「スッ」と息を吸ってからセリフを話すと、声が出ます。
自分のセリフの直前に深呼吸をして落ち着いておくとよいでしょう。

まっすぐ前を見て話す

学芸会は高い舞台に立って演じますよね。お客さんは下にいるかと思います。お客さまを見ながら話すと、下を向いているように見えるので、舞台の上ではまっすぐ前を見ることを意識してください。

舞台の上でまっすぐ前を見れば、お客さまは視界に入りません。これなら視線が苦手でも落ち着いて演技ができるでしょう。まっすぐよりもやや上を見ると、かっこよく見えます。

裏方の仕事にする

あまりにも緊張をする場合、舞台にどうしても立ちたくない場合は、裏方の仕事をしましょう。

学芸会には裏方の役割もあります。これも立派な仕事です。照明係、ナレーションなど直接舞台に立たない役割をやりませんか。

YTJに入れば人前で話せるようになる?

YTJに入れば人前で話せるようになるのか解説します。

まずYTJについて解説しますね。
YTJはユースシアタージャパンのことで、ミュージカル劇団です。年中から28歳までが所属している若手中心の劇団で、最大の特徴は英語でのパフォーマンス。これは他の劇団とは一線を画している部分かと思います。

地元の小さな劇団はアットホームで素敵ですが、YTJは規模が大きいので、大きなイベントがあるのが魅力です。

イベントについてはこちらをご確認ください。

パフォーマンス | Youth Theatre Japan (ytj.gr.jp)

ただし、YTJには誰でも入れるわけではありません。選考試験があり、それに合格した子のみがメンバーになれるのです。選考試験の二次試験では、YTJの審査員の前で歌やダンスを披露するため、ある程度人前で話せる子のみがYTJに入ってきているかと思います。

しかし、園児や小学校低学年のメンバーの場合は、シャイな子も多く、スタジオに入る前にすでに泣いていることも…笑。そういうお年頃ですよね^^;

人前で緊張してしまい全く話せない子どもの場合は、YTJのレッスンは大変かもしれません。年に複数回の発表会や公演があるので、人前に出るのが苦手な子は、それだけ緊張してストレスを感じるでしょう。

それでも、何度も本番を経験することで、人前で話すのが苦手なところを克服できることも多いです。拍手をもらうことで、それが喜びとなり、緊張が楽しさに変わることもあるでしょう。

発表会が終わるとニコニコ。「楽しかったー」、「またやりたい」と言う子も。

お客さまの前でパフォーマンスをするのがミュージカルなので、ミュージカル劇団であるYTJに入ることで、人前で話せるようになるかもしれません。

YTJに入って音読や学芸会が楽しめるようになった娘の話

最後にうちの娘の話です。娘は自宅ではとても元気な子で、「見て見てー」と言ってリビングでわたしの前で踊りを披露してくれる明るい面があります。

しかし、家族以外の前ではそういう一面はあまり出さず、ちょっとシャイでした。
わたしの前では踊るのが好きみたいだし、もっと好きなことをやらせたいな、と思いYTJへ。たまたま隣駅にYTJのスタジオができたので、気軽な気持ちで選考試験を受けて入会させました。

最初こそ、娘は緊張していましたが、すぐに友だちができて楽しく通えるように。初めての発表会は「大丈夫かな」、「どうしよう」と言っていて、やや口数が多かったので緊張している様子。しかし、終わると「~~ちゃんのここすごかったよね!」と大きな声で話して大興奮。すっかり、楽しめていたみたいです。終わると安心したのもあるかもしれません。その日はずっと発表会の話ばかりでした。

娘は、人前で何かをすることが楽しいと思うようになりました。
YTJに入ったことで、声も通るようになり、学校の先生から褒められたことがあったそうです。それが嬉しくなって、国語の授業で自分から手を上げて、積極的に音読をしていると担任の先生から教えてもらいました。

「まさか娘が挙手をして音読するなんて」という気持ちです。わたし自身、学生時代は音読が嫌いだったので、これにはびっくり。

YTJのメンバーは学芸会や運動会でもよく活躍するとは、保護者仲間から聞いていましたが、その通りでした。学芸会の前日も、「ママ、絶対見に来てね!」と張り切っています。祖父母にも電話をして、「学芸会でこんな話をやるんだよ!」とあらすじを伝え、自分の役柄や頑張って来たことを自信満々に報告。

学芸会本番を楽しみにするようになったのです。

人前で何かをする、自分を見てもらう、ということが好きになれました。

まとめ

人前で話すのが苦手な方はたくさんいますよね。社会に出てからプレゼンなどもあり、人前で話す機会はたくさん。可能であれば、子どものうちに慣れておきたいものです。

人前で話すときは、その内容を紙にまとめましょう。そして、本番を想定して実際に声に出して読むことが大切。スマホで録音、撮影して、自分の読む様子を客観視しましょう。これは子どもだけでなく、おとなにもおすすめです。

YTJに入ることで、人前に出る機会が増えます。シャイな子も引っ込み思案な性格の子も、克服できる可能性があります。実際にうちの娘は学芸会大好き、発表大好きな子に。娘なりに緊張しているようですが、それ以上に終わったあとの喜びや、お客さまの歓声が楽しみみたいです。

人前で持っている力を出し切れる子にしたい方には、YTJもおすすめです。興味があればぜひ。