子どもの学習場所はリビング・カフェ・子ども部屋どこがいいの?

新学期になり、子どもの勉強場所について考えている保護者さんも多いでしょう。カフェやファミレスに行くと、ときどき勉強をしている子どもも見かけますよね。

これって本当に効率がよいのでしょうか。

今回は、子どもの学習場所について解説します。

リビング、カフェ、子ども部屋のどこがよいのか、どこがおすすめか、メリット・デメリットを踏まえて記載しました。

子どもの学習場所について考えている方、学習机の設置場所について悩んでいる方はぜひご参照ください。

子どもの学習場所はどこがある?

子どもの学習場所はどこがあるのでしょうか、まず見てみましょう。

子どもの学習場所|子ども部屋

子どもの学習として最初に思いつくのは、子ども部屋かと思います。

子ども部屋に勉強机を置いて学習させる保護者はとても多いです。子ども部屋は学習の定番の場所とも言ってよいでしょう。

かつては勉強=子ども部屋、だったかと思います。実際にわたしも学生時代は自分の部屋で勉強をしていました。しかし、近年は状況が変わってきています。子ども部屋以外で勉強する子も多いです。子ども部屋以外の勉強場所を次で見てみましょう。

子どもの学習場所|リビング

子どもの学習場所として、リビングが挙げられます。

リビングで学習する子どもは近年増えていて、ネットの記事でも「リビング学習」という言葉を聞くようになってきました。

リビングに学習机を設置している家庭もあるほどです。学習机はリビングではなく子ども部屋にあっても、ときどきリビングに来て勉強する、という子もいます。

子どもの学習場所|カフェ、ファミレス、フードコートなど

子どもの学習場所として、カフェ、ファミレス、フードコートもあります。

こちらも最近よく見かけるようになりました。小学生の場合は、カフェなどでひとりではなく、保護者さんと一緒に勉強する子が多いです。パッと見る感じだと、宿題をしている様子。

家に帰るまでに、カフェで宿題を済ませてしまおうとするご家庭も多いのでしょう。

ファミレスやフードコートは、ドリンクバーやウォータサーバーがあることが多く、長居しやすい空間です。休憩ついでに宿題をする子も見かけます。

中学生くらいになると、ファミレスやフードコートで勉強している集団も。友だちと勉強するとなると、ファミレスやカフェ、フードコートを選ぶ子も多いようです。

みんなはどこで勉強している?

子ども部屋、リビング、カフェ・ファミレス・フードコートなど、子どもの勉強場所は複数あることがわかりました。では、みんなはどこで勉強しているのでしょうか。

ここではリビングと子ども部屋にスポットを当てて比較してみます。

日本家政学会誌「学習場所と家族の存在が子どもの学習動機づけに及ぼす効果」によると、

リビング学習をしている女子は、53.3%、男子は48.0%
子ども部屋学習をしている女子は、39.6%、男子は42.1%

です。

参考:「学習場所と家族の存在が子どもの学習動機づけに及ぼす効果ja (jst.go.jp)

だいたい半数の子どもがリビングで勉強をしていることがわかりました。

子ども部屋学習よりもリビング学習のほうがやや多いと考えてよいでしょう。

女子のほうがリビング学習の傾向が高く、男子は子ども部屋学習が多い傾向にあります。女の子のほうがひとりでいるよりも、家族といる時間を好むのかもしれませんね。

リビング学習のメリット

リビング学習のメリット|保護者が関与しやすい

子ども部屋ではひとりになりますが、リビングであれば保護者がいることが多いです。

そのため、リビング学習のメリットとして保護者が関与しやすいことが挙げられます。どういうことかと言うと、子どもが学習で悩んでいたときに、保護者が勉強をみてあげられるということ。

「パパ、ここわからないから教えて」と子どもが言いやすい環境なのです。

リビング学習のメリット|子どもが集中しやすい

リビング学習のメリットとして、子どもが集中しやすいことが挙げられます。

いやいや、リビングなんていろんな音がするし集中しにくいでしょ! と思う方も多いですよね。はい、わたしもそんな気がしていました。

しかし、人は音がないほど集中しにくいそうです。シーンとした空間だと不安になってしまう、緊張してしまうことがあり、集中するにはある程度の雑音が必要と言われています。

周囲がザワザワとしていると、目の前のことに集中しなければ、という気持ちが自然と生まれるとのこと。

…とは言っても、あまりにも大きな騒音であれば、集中はできません。幼児がいて、ギャーギャーと泣いている空間であればさすがに集中は難しいです。自然な雑音くらいがよいでしょう。

リビング学習のメリット|保護者が監視しやすい

リビング学習のメリットとして、保護者が監視しやすいことが挙げられます。

子ども部屋だと「ちゃんと勉強してる?」と扉を開けて確認しなければいけません。ちょっとこれって負担がかかりますよね。子どもも毎回保護者さんが見に来るのは嫌なはず。

リビングであれば、視界に入る場所で勉強をしているので保護者が監視しやすいと言えます。

子どもが今、きちんと宿題をやっているのか、
わからなくて悩んでいるのか、

などチェックしやすいのです。

リビング学習のデメリット

リビング学習のデメリット|リビングが散らかる

リビング学習のデメリットは、リビングが散らかることです。

どうしても勉強をすると消しゴムのカス、鉛筆の削りカスなどが出てきます。消しゴムのカスってテーブルにつきやすく、掃除しにくいのですよね…。

さらに、子どもが教科書やノートを置きっぱなしにすると、リビングの見た目も悪くなります。

きちんと片付けができる子どもならいいですが、片付けが苦手な子であれば、勉強のあとに散らかってしまうこともあり得ます。

その都度「リビングを片付けなさい!」とガミガミ言うことは、デメリットとなるでしょう。

リビング学習のデメリット|学習環境を整える必要がある

リビング学習をさせるためには、ある程度学習環境を整える必要があり、これはデメリットと言えます。

子ども部屋にある学習机であれば、座ればすぐに勉強ができることが多いですが、リビングであれば一度筆記用具やノートを子ども部屋から持ってくる必要があるのです。

それだけではなく、リビングにあるテーブルとイスは学習のために設計されていません。リビングにあるイスやデスクでは学習しにくく感じることもあるでしょう。

教科書、ノートを広げて勉強できるようにテーブルのスペースを確保する必要も。

リビング学習のデメリット|テレビがつけられない

リビング学習のデメリットとして、テレビがつけられないことが挙げられます。

子どもが勉強しているのにテレビをつけてしまうと、集中を妨げることになるかもしれません。さらに、子どもが勉強の手を止めて、テレビを観てしまう可能性も。

そのため、勉強に集中させるためにテレビを消す必要があるのです。

子ども部屋学習のメリット

ここからは子ども部屋学習について見てみましょう。まずはメリットからまとめます。

子ども部屋学習のメリット|ひとりの方が集中できる

子ども部屋学習のメリットとして、ひとりの方が集中できることが挙げられます。

子どもによっては、ひとりのほうが集中しやすい子もいます。人に見られるのが苦手、緊張してしまう子であれば、ひとりで子ども部屋で学習した方が集中しやすいでしょう。

先述したように、ある程度雑音があるほうがより集中できます。子ども部屋で勉強をさせる場合は、音楽をかけるとよいかもしれません。

子ども部屋学習のメリット|学習道具が近くにある

子ども部屋学習のメリットとして、学習道具が近くにあることが挙げられます。

教科書、参考書、ノート、プリント、筆記用具など学習に必要なものは学習机にあるはずです。すぐに道具が使える環境にあることが、子ども部屋学習のメリットと言えるでしょう。

反対にカフェなどでは学習道具が近くにないことも。必要だと思ったときに、すぐに道具を取り出せる環境にあるのは、大きなメリットと言えます。

子ども部屋学習のメリット|きょうだいに邪魔されない

子ども部屋学習のメリットとして、きょうだいに邪魔されないことが挙げられます。(子ども部屋が別の場合に限る)

ひとり部屋の場合は、特にきょうだいに邪魔されにくいです。リビングだと下のきょうだいが騒いでいて気になってしまうことがあっても、子ども部屋であれば邪魔が入らず集中しやすいのです。

きょうだいと一緒に遊んでしまい勉強に集中できない子の場合は、ひとりになれる子ども部屋がよいでしょう。

子ども部屋学習のデメリット

子ども部屋学習のデメリット|保護者が監視しにくい

子ども部屋学習のデメリットとして、保護者が監視しにくいことが挙げられます。

リビングであれば、視界に子どもが入るので勉強の様子がわかりますが、子ども部屋に入られると様子がわかりにくいのです。

きちんと勉強をしているのか監視しにくいことがデメリットと言えるでしょう。

対策として、次のことをおすすめします。

  • 扉を開ける
  • スマホを持ち込まない

子ども部屋の扉を開けたままにするのもよいでしょう。スマホを子ども部屋に持ち込ませないこともおすすめです。

勉強とは関係なくスマホは自分の部屋で使わない、というルールを作っている家庭もあるほど。おうちでルールを決めて、子ども部屋でもきちんと勉強できるようにするとよいですよ。

カフェ学習のメリット

ここからはカフェ学習のメリットについて解説していきます。

カフェ学習のメリット|習い事の帰り、学校帰りに宿題などを済ませられる

習い事の帰り道や学校の帰り道に、カフェがあればそこで勉強をすることも可能です。家に帰る前に宿題を済ませることができるのがメリットと言えます。

仕事終わりに子どもを迎えに行ったあとに、カフェに立ち寄って宿題をやらせている保護者さんもいらっしゃいます。

カフェ学習のメリット|飽きにくい

カフェ学習のメリットは飽きにくいことです。

子ども部屋やリビングの景色はいつも同じなので、飽きてしまうこともあるでしょう。飽きて集中できない子もいますよね…。

カフェであれば飽きにくいと言えます。もしも飽きてしまったら、別のカフェに変えることでまたリフレッシュした気持ちで勉強できるでしょう。

同じカフェだとしても、座席の位置が変わるだけでも気分転換になります。自宅よりもカフェなどお店のほうが飽きずに新鮮な気持ちで勉強できるかもしれません。

カフェ学習のメリット|集中しやすい

カフェ学習のメリットは、集中しやすいことです。

すでに書いたようにある程度の雑音があると人は集中しやすいと言われています。さらに「人に見られている」という感覚があることでも集中しやすくなるとされています。

おしゃれな空間であれば、「よしやるぞ!」というやる気も自然と生まれてくるでしょう。

カフェ学習のメリット|誘惑が少ない

カフェ学習のメリットは、誘惑が少ないこと。

リビング学習であれば、テレビという誘惑があります。さらに保護者さんなど家族がリビングにいれば、おしゃべりしてしまうことも…。近くに漫画があれば、読もうとしてしまう子もいるかもしれません。

実際にわたしも、自分の部屋で勉強しようとして、関係のない書類を見ていたり、急に掃除したくなったりしていました。

このように、リビングや子ども部屋学習ではある程度誘惑があるのです。

カフェ学習であれば、テレビや漫画など余計なものがないため、誘惑が少ないと言えます。ついつい誘惑に負けて勉強時間に違うことをしてしまう子にはカフェ学習が向いています。

カフェ学習のメリット|保護者も楽しめる

カフェ学習のメリットは、保護者も楽しめるということです。

スタバやタリーズなどで子どもと一緒に入店して、保護者さんもドリンクを注文すればほっと一息付けます。おいしいドリンクを飲むことで、育児疲れ・仕事疲れも癒されるはず。

子どもが集中して勉強している間に、リラックスできるかもしれません。

カフェ学習のデメリット

カフェ学習はよいことばかりではありません。ここではデメリットを記載します。

カフェ学習のデメリット|学習道具が近くにない

カフェ学習のデメリットは、学習道具が近くにないことです。

たとえば、さんすうの宿題でコンパスが必要だったとしましょう。やろうとしたけれど、今コンパスがなくて宿題ができない、ということもあり得るのです。すると一気にやる気を失う子も。

リビングであれば、簡単にコンパスを取りにいくことができます。子ども部屋であれば、机の引き出しなどにコンパスが入っているのですぐに取り出せますよね。

カフェは自宅ではないので、このようにすぐに道具を用意できないのです。カフェなら、わからないことがあっても参考書が見られません。

学習道具が近くにないことは、カフェ学習のデメリットと言えます。

カフェ学習のデメリット|お金がかかる

カフェ学習の最大のデメリットがこちら。お金がかかることです!

カフェのドリンクってちょっとお高い…。親子で入店する場合、ひとり分のドリンクを注文するのは気が引けてしまい、子どもの分と自分の分を頼むこともありますよね。そうすると、1000円近くかかってしまうこともあるのです。

さらに子どもが「オヤツ食べたい」、「お腹すいた」と言い出すと、フードを追加で頼むことも…。

リビングや子ども部屋で勉強するのはお金がかかりませんが、カフェであればそれなりにお金がかかってしまい、頻繁に通うことは難しいかもしれません。

カフェ学習のデメリット|勉強禁止のカフェもある

カフェ学習のデメリットは、勉強禁止のお店があること。入口などに「長時間の勉強は禁止」と書いてあるお店もあります。

長時間ってどれくらい? と気になるのですよね…。だいたい1時間以上だとNGなのかなと個人的には思います。

また、場合によっては「勉強禁止」と書いてあるお店も。この場合は一切勉強はNGなので、注意が必要です。

感染症の影響で長時間入店できないお店や、混雑状況によって2時間制となるお店もあるので、事前に勉強するのに向いているお店かチェックしておきましょう。

おすすめはリビング学習!勉強しやすいリビングにするためには

子ども部屋学習、リビング学習、カフェ学習がありますが、おすすめはリビング学習で、実際にリビングで勉強する子は増えています。

ここでは、リビングを学習しやすい環境にするためのコツを解説します。

片付ける

リビングで集中して勉強しやすいように、片付けをしましょう。テーブルの上に、ノートや教科書、筆記用具を置けるように机の上を片付けてスペースを確保してください。

テーブルの上に飲み物や食べ物があると、うっかりこぼして教科書やノートを汚してしまうことも…。

勉強のときは、なるべく周囲にモノを置かないことをおすすめします。

イスとテーブルの高さを見直す

リビング学習をさせる際は、イスとテーブルの高さを見直してください。

リビングにあるイスやテーブルは、学習を前提としていません。多くは食事のために設計されているはずです。

子どもの足がぶらぶらしていないか確認しましょう。足がぶらぶらしていれば、集中はしにくいです。足置きを置くなどをしましょう。即席で段ボールを足置きに設置するとよいですよ。イスが低い場合は、クッションなどを使ってみてください。

【猫背での勉強はおすすめしません】

イスとテーブルの高さが合っていないと、猫背になってしまうこともあり得ます。猫背は実は勉強に影響が出ることが…。

猫背になると、背骨が肺を圧迫し、呼吸が浅くなるのです。そうすると脳が酸素不足に…。そうすると、脳が正常に活動できなくなり、勉強の効率も低下するでしょう。

姿勢をよくすることは、見た目ではなく学習効率にも影響するので、よくチェックしてくださいね。

では、どのようなイスとテーブルであれば勉強によいのか、と気になるでしょう。

結論から言うと、イスに座ってテーブルに腕を伸ばしたときに、肘が直角になるのが理想的とされています。

自宅のリビングで勉強をさせている方は、子どもの肘が90度になっているかも見てみてくださいね。

【肘をつくこともおすすめしません】

イスとテーブルの高さが合わず、肘をついてしまうこともあるかもしれませんが、こちらもおすすめしません。

肘をついて、さらに頬杖をつくと、歯並びや顎関節に影響が出ます。健康な子どもの骨の成長に影響するため、頬杖をつかないように、テーブルやイスの高さを合わせましょう。

【脚組みもおすすめしません】

イスの高さが悪くて足を組んでしまう子もいますが、こちらもおすすめしません。

足を組むと体が歪んでしまうので、気を付けましょう。クセになっている子の場合は、都度注意をすることで少しずつ治していくとよいですよ。

足を長時間組むことで、しぶれてしまうこともあります。しびれると集中力が妨げられるので、なるべく姿勢よく、足を組まずに勉強させてください。

照明を見直す

リビングの照明を見直しましょう。

間接照明でぼんやりしていると、影ができてしまい勉強しにくいため、照明を変えたほうがよいかもしれません。

一般的にリビングの照明はオレンジ系が多いです。これはリラックス効果や料理をおいしそうに見せる効果があるからとされています。

学習の場合は、覚醒効果や集中力を高める効果のある青みがかかった昼光色がおすすめです。

リビングの電気をまるごと変えるのは大変なので、机上ライトを買うとよいでしょう。

テレビを消す

子どもがリビングで勉強するときは、テレビを消すことをおすすめします。

ついついテレビがついていると観てしまうこともあるので、子どもが集中しやすいようにテレビを消しましょう。家族にも協力が得られるように、子どもが勉強するときはテレビを消す、というルールを決めておくとよいかと思います。

まとめ

子どもの学習場所には、子ども部屋、リビング、カフェ・ファミレス・フードコートがあります。

近年リビング学習が増えていて、保護者が関与しやすい、集中しやすい、保護者が監視しやすい、というメリットもあり、おすすめです。

しかし、デメリットも。散らかりやすい、テレビがつけにくい、イスとテーブルの高さが勉強向きではないなどがあります。

リビングで学習させる場合は、環境を整えてからにすることをおすすめします。イスの高さを調整する、卓上ライトを使うなどをしてみてくださいね。

学習

Posted by eri