シアターダンスとは|特徴とメリットを解説

ダンスにはさまざまな種類があります。うちの娘が楽しんでいるのは、シアターダンスです。日本では珍しいジャンルのダンスですが、始めるととっても楽しいのですよ。

今回は、シアターダンスについて解説します。

シアターダンスの特徴やメリットをまとめたので、参考にしてください。

シアターダンスとは

ジャズダンス

シアターダンスとは、ブロードウェイミュージカルをもとにしたダンスのこと。

あまり日本ではメジャーなダンスではありません。
日本でももちろんミュージカル公演はありますが、やや敷居が高いイメージが。劇団四季のミュージカルは有名ですが、アメリカほどは日本に根付いていないことから、シアターダンスのレッスンもあまり日本ではおこなわれていません。

基本的にシアターダンスはバレエやジャズダンスが基礎要素として組み込まれているダンスです。

シアターダンスの特徴

ジャズダンス

シアターダンスの特徴を紹介します。

  • 複合的
  • 高い表現力が必要
  • 演技力が必要
  • 歌いながら踊る
  • 難易度が高い
  • ダンスにテーマ性がある
  • 大勢で踊る
  • フォーメーション変化が多い

複合的

シアターダンスの特徴1つめは、複合的なことです。

これは、さまざまな要素があわさったダンスだということ。
先述したように、シアターダンスはバレエやジャズダンスの要素がありますが、作品によってはそれ以外の要素も加わります。(中東をテーマにしたミュージカルなら、ベリーダンスなど)

複数のダンスの要素が入っていることが、シアターダンスの特徴の1つです。
バレエのみの経験があるという人でも、シアターダンスは苦戦するでしょう。

高い表現力が必要

シアターダンスの特徴2つめは、高い表現力が必要なことです。

シアターダンスはミュージカル作品のなかでパフォーマンスされます。ストーリーのなかでダンスをおこなうため、キャラクターの喜怒哀楽など表現をすることが求められるのです。

どのようなダンスでも表現力は必要ですが、シアターダンスはダンスでストーリーを表現するため、他のダンスと比較しても、高い表現力が必要とされるのです。

演技力が必要

シアターダンスの特徴3つめは、演技力が必要です。

先述したように、シアターダンスはミュージカル作品のなかでパフォーマンスされるダンスのこと。自分自身として踊るのではなく、作品のなかのキャラクターのひとりとしてダンスを踊ります。

たとえば、劇団四季のミュージカルの『アナと雪の女王』なら、役者は自分ではなく、アナやエルサになりきって歌って踊っています。

このように、ただ歌う、ただ踊るのではなく、役柄としてパフォーマンスをするため、高い演技力が求められます。
ちなみに歌っている途中でセリフを話す、セリフを話すように歌うこともあり、これは普通の歌のうたいかたとは違います。

歌いながら踊る

シアターダンスの特徴4つめは、歌いながら踊ることです。

これはご存じの方も多いですよね。
シアターダンスはミュージカル作品のなかでパフォーマスされるので、歌いながらダンスを踊ります。ミュージカル映画だと、後から音声をつけていることもありますが、生の舞台では本当に歌いながら踊るのです。

歌を事前に録音していて、その上から声を出してパフォーマンスすることもありますが、基本的に生の舞台では実際に歌って踊ります。

この歌も、演技力が求められ、自分自身として歌うのではなく、ミュージカル作品のなかの役柄として歌います。また、観客にも歌詞が聞き取りやすいように歌うため、カラオケとは違ったミュージカル特有の歌い方をするのも特徴です。活舌をはっきりと、口を大きくあけて歌います。

歌とダンス、どちらも中途半端ではシアターダンスとは言えません。どちらも完成度が高いのがシアターダンスと言えるため、歌もダンスも高い技術が必要です。

難易度が高い

シアターダンスの特徴5つめは、難易度が高いことです。

先述したように、シアターダンスでは、歌いながらダンスを踊ります。これはそうかんたんにはできません。同時に2つのことをするため、難易度は高いです。

また、演じながら踊ることもとても難しいため、シアターダンスはレベルが高いと言われています。

うちの娘も大好きな『ハイスクールミュージカル2』の「What Time Is It」は、学校の授業が終わり、明日から夏休みの高校生たちの喜び、開放感があふれるシーンです。
主人公の男の子(ザック・エフロン)と女の子(バネッサ・ハジェンズ)はカップルなので、女の子は愛しい彼氏を輝くような瞳で見つめています。

このように演じながら、歌をうたい、ダンスを踊るのはとても難しいです。

さらに、シアターダンスそのものもレベルが高いと言えます。
バレエやジャズダンスが基礎となっていて、しなやかな動きも必要なので、高い技術も求められます。

実際にシアターダンスのレッスンは、バレエやジャズダンス歴2年以上の人を対象にしていることも多く、ダンスの基礎力がないとなかなか踊れません。

ダンスにテーマ性がある

シアターダンスの特徴6つめは、ダンスにテーマ性があることです。

1つ前で紹介した『ハイスクールミュージカル2』の曲であれば、「勉強からの解放」、「夏休みへのワクワク感」がテーマとしてありました。

このように、ミュージカル作品のストーリーの一部としてダンスシーンがあるため、テーマが必ずあります。

こちらも同じ『ハイスクールミュージカル2』のワンシーンです。

カップルの男女がすれ違ってしまうシーンで、女の子は悲しそうに涙目になって歌っていますね。こちらは喜怒哀楽で言えば、「哀」が表現されています。このように、ミュージカルの歌やダンスシーンには強いテーマ性があるのです。

むしろ、ここは伝えたい! というシーンに歌やダンスを持ってくるのがミュージカルの定番と言えます。伝えたいテーマがはっきりしていて、それを歌やダンスで表現するのがシアターダンスです。

テーマをしっかりと表現できるパフォーマーではないとシアターダンスを踊り切れないため、シアターダンスは難しいとも言われるのです。

大勢で踊る

シアターダンスの特徴7つめは、大勢で踊ることです。

ミュージカル作品のほとんどのシーンでは、大勢で踊ります。
ミュージカル映画やミュージカルドラマの場合は、カメラワークの都合上、少数なこともありますが、舞台の上ではダンサーが多く集まって踊るのです。

『グレイテストショーマン』の「This Is Me」を例にあげてみましょう。

最初はひとりで歌っていますが、どんどん役者が増えていき、最終的には大人数で歌いながら踊ります。

このように、大人数で踊ることもシアターダンスの特徴です。大人数だと盛り上がるからです。ミュージカルはダンスシーンにテーマを持ってくるので、注目してもらいたいポイント。ダンスシーンを盛り上げるためにも、ダンサーをたくさん配置します。

大人数で踊るということは、タイミングを合わせなくてはいけません。それだけ練習も必要で、高い協調性も求められるダンスです。

フォーメーション変化が多い

シアターダンスの特徴8つめは、フォーメーション変化が多いことです。

これは振付家にもよりますが、ダンスシーンのなかでも演技をするので、「Aさんが前に出てきたかと思えば、Bさんが次に出てくる」というようにフォーメーションが変わります。

歩きながら歌う、会話をしているかのように歌って踊るなど、動きにも変化があるのも特徴です。

たとえば『ディセンダント2』の「You and Me」ではフォーメーションが変わっていきます。

主人公である紫色の髪の毛の女の子マル(ダブ・キャメロン)が最初は真ん中にいますが、次第に円形になり、青色の髪の毛の女の子のイーヴィー(ソフィア・カーソン)が真ん中に移動してくのです。

ダンスをしながら、複数のキャラクターに焦点をあてることもあるため、このようにフォーメーションを変えていきます。

フォーメーションチェンジが多い振り付けはとても難しいです。自分の次の立ち位置に踊りながら移動をするので、本来の正しい立ち位置に移動できないこともあります。正しい位置にいないと、フォーメーションが崩れて見えて台無し。このようにフォーメーション変化は難しいのです。

何度も繰り返してフォーメーションの確認をするため、高いスキルも必要です。

シアターダンスを習うメリット

メリット

シアターダンスを習うメリットを紹介します。

  • 表現力が身につく
  • 歌が上手になる
  • しなやかな体になる
  • 協調性が身につく
  • 語彙が増える
  • 脳の発達につながる
  • アピールポイントになる

表現力が身につく

シアターダンスを習うメリット1つめは、表現力が身につくことです。

先述したように、シアターダンスでは高い表現力が求められます。
ディズニーのミュージカル映画の『ディセンダント』であれば、主人公たちは悪役(ヴィランズ)の子どもたちなので、悪役になりきって歌って踊っています。悪い顔をしているのですよね笑

お芝居のシーンでは演じられていても、歌とダンスシーンになると急にキャラクターが変わって素の自分がしまっては、観客は「あれ?」と思ってしまいます。歌やダンスでもそのキャラクターになりきってパフォーマスをしなければいけないため、表現力が身につきやすいのです。

歌が上手になる

シアターダンスを習うメリット2つめは、歌が上手になることです。

これはスクールによっても異なりますが、ダンススクールのシアターダンスクラスでは、本当に歌いながら踊ることもあるので、歌のスキルもアップします。

スクールによっては口パクでダンスだけを踊るところもありますが、歌をうたうスクールであれば、ダンスだけでなく歌のレッスンが受けられて、上達はするでしょう。

シアターダンスの歌い方は普通の歌唱方法とは違い、口を大きく開けて、活舌よく歌います。
歌詞にも意味が込められていて、歌詞はセリフのような役割になっているからです。しっかりと客席まで歌詞を届けるためにも、はっきり発音して歌うため、やや特殊な歌い方をします。はっきりと大きな声で歌えるようにもなるでしょう。

これは学校の音楽の成績にもよい影響が出るはずです。カラオケが得意になることもあるでしょう。

しなやかな体になる

シアターダンスを習うメリット3つめは、しなやかな体になることです。

すでに記載したように、シアターダンスはバレエやジャズダンスの要素が含まれています。ジャズダンスはバレエをルーツに持つため、柔らかい動きがあるのが特徴。

どんなダンスでも柔軟性は必要ですが、シアターダンスでは足を高く上げる、遠くに足を出すことがあり、しなやかな動きが必要です。ストレッチをしっかりとするため、体がしなやかになるでしょう。

協調性が身につく

シアターダンスを習うメリット4つめは、協調性が身につくことです。

こちらもすでに記載しましたが、シアターダンスは大勢で踊ることがほとんどで、みんなでタイミングを合わせて、振り付けをそろえて踊ります。
脚の高さ、手の角度など同じようにして、シンクロさせて踊るのです。そのためには、協調性が求められます。「わたしはもっと足が高く上がるから、こうしたい!」と勝手なことをしていると、よいダンスには仕上がりません。

役柄になり切りながらも、ダンスは周囲に合わせる必要があり、協調性が求められます。
協調性が身につけば、学校生活にも役立つはず。新しいクラスに入る、就職するなど、知らない人ばかりの環境でも、すぐになじめるでしょう。

語彙が増える

シアターダンスを習うメリット5つめは、語彙が増えることです。

シアターダンスで踊る曲の多くは歌詞がついていて、それを歌いながら、または口パクしながら踊ります。
その歌詞から覚える言葉もあるでしょう。

実際にうちの娘はミュージカル劇団に所属していますが、劇団で習った歌から覚える言葉はたくさんあります。子どもの場合は特に、国語のお勉強のように、シアターダンスから言葉の表現を覚えることもあります。

脳の発達につながる

シアターダンスを習うメリット6つめは、脳の発達につながることです。

同時に2つのことをするってとても大変。ダンスの振り付けを覚えて、それと同時に歌詞も覚え、歌とダンスを披露するのは、慣れていないととても難しいです。

わたしは子どものときからバレエをやっているので、踊ることは苦手ではないですが、同時に歌うことは難しく感じます。2つのことをするので、頭を使うのですよね…。これはよい脳トレにもなります。

シアターダンスを踊ることで脳が働き、脳に必要な酸素が運ばれて血流がよくなります。そうすると脳の発達にもよいのです。

また歌って踊ることは、「デュアルタスク」です。これは脳の活性化によいとされていて、認知症予防のために高齢者施設でおこなわれることもあるほど。
デュアルタスクとは、ながら作業のこと。
「テレビを見ながらご飯を食べる」、「動画を見ながら、ノートを書く」のように日常生活にもデュアルタスクがあります。

シアターダンスもまさにデュアルタスクで、普通のダンスよりも脳を働かせるため、よい刺激となります。

アピールポイントになる

シアターダンスを習うメリット7つめは、アピールポイントになることです。

シアターダンスは日本ではまだあまりなじみのないダンスで、珍しいと言えます。
「シアターダンスを習っている」と伝えれば、珍しがられてすぐに覚えてもらえるでしょう。

受験や就職の面接でも、「学生時代はシアターダンスをやっていた」と言うと、面接官が興味を持つことがあります。「運動系の部活を頑張っていた」というアピールはよく聞いても、「シアターダンスをやっていた」というのはあまり聞かないからです。

周囲と差別化できることもメリットと言えます。

シアターダンスとミュージカルダンスは同じ?

疑問

シアターダンスと似た言葉でミュージカルダンスというものがありますが、両者の違いはなにかあるのか解説します。

こちら結論からですが、シアターダンスとミュージカルダンスは同じです。
呼び方が違うだけで、ダンスのジャンルとしては同じです。

シアターダンスは子どもでも習える?

疑問

シアターダンスは子どもでも習えるのか解説します。

結論からですが、子どもを対象にしたミュージカル劇団や子ども劇団であれば、シアターダンスを習うことができます

しかし、多くのシアターダンスレッスンの場合は、「バレエ歴2年以上」、「ジャズダンス歴2年以上」のように、ダンス経験がある人を対象にしていることが多いです。

これはシアターダンスがバレエやジャズダンスを基礎とした難易度の高いダンスだから。

まったくの未経験者の場合は、シアターダンスを習うよりも前に、一度バレエやジャズダンスを習って、基礎力を身につけてから習うことをおすすめします。

シアターダンスレッスンをしているスクールであれば、スクールの中にバレエやジャズダンスクラスもあるはずなので、まずはそちらを受けて、ダンススキルの基礎を身につけてください。
おとなの場合は、まったくの未経験でシアターダンスを習うのはとても大変。ダンスもろくに踊れない状態なのに、歌までうたうことになるので、非常に苦戦します。

最初のうちはダンスだけ、歌だけのレッスンで、すぐに歌って踊ることはしません。

そもそもシアターダンスは初心者向きではないレッスンなので、未経験のおとなはバレエやジャズダンスから始めましょう。

子どもの場合は、ミュージカル劇団などでシアターダンスのレッスンをしているので、まずは劇団に所属することをおすすめします。
子どもの場合は、未経験者を対象にレッスンをしていることがほとんどで、バレエやジャズダンス経験がなくても入会できる劇団はあります。

子どもにおすすめのシアターダンス

ジャズダンス

子どもでも踊りやすいシアターダンスを紹介します。

ホールニューワールド

ジャズダンスの初級レベルで踊りやすい振り付けのシアターダンスです。やららかい動きが特徴的ですね。こちらを見ていただければわかるかと思いますが、ジャズダンスの動きが入っているため、まったくの未経験だと難易度が高く感じられます。

Let it go

こちらはシアターダンスというよりも体操なので、ダンス未経験の子でもかんたんにできる振り付けです。歌をうたいながらやってみましょう。小学校低学年の子でも楽しみやすいので、チャレンジしてみてくださいね。

アンダーザシー

体操よりもやや難易度が上がり、ダンスっぽくなったこちらの振り付けは、ダンス未経験の子でも踊りやすいです。

英語の歌ですが、映画『リトルマーメイド』を見た子はぜひチャレンジしてみませんか。

【シアターダンス】おすすめはYTJ

YTJ

シアターダンスを習いたい子におすすめしたいのが、YTJです。
YTJ(ユースシアタージャパン)はミュージカル劇団で、年中から中3までが活動する若手中心の劇団。
(高校生から28歳まではYTJプロとして活動します。)

子どもに対して1からシアターダンスのレッスンをしているので、未経験者も大歓迎です。また英語の歌をうたいながら踊るため、英語のフレーズや英単語も遊び感覚で覚えられるのも、YTJの魅力と言えます。

うちの娘は、ほぼダンス未経験でYTJに入りました。
歌いながら踊るのが楽しいみたいで、今では振り付けや歌詞をすぐに覚えられるようになっています。声を出しながら踊っているので、声がよく通るようにも。ハキハキとした印象になり、国語の音読も得意になりました。

おとな向けダンススクールだと、シアターダンスは経験者向けですが、子ども向けのYTJは未経験の子でもレッスンが受けられます。(入会オーディションに合格しなければいけませんが)

また、シアターダンスの基礎となるバレエのレッスンも追加でおこなっていて、希望者は格安で受けられます。YTJは企業の協賛金や公演チケットの収益などがあるため、英語・歌・ダンス・演技が安い費用で学べるのです。

興味がある方は、YTJに入ってみませんか。
現在、新規メンバーを募集しています。
ダンス・歌・英語を一緒に学ぶ!2024年1月活動開始新メンバー募集 | ユースシアタージャパン (ytj-studio.jp)

締め切りは2023年11月26日。

未経験者の方もぜひ! 一緒に頑張りましょう。

まとめ

シアターダンスについて解説しました。

シアターダンスの特徴は次のとおりです。

  • 複合的
  • 高い表現力が必要
  • 演技力が必要
  • 歌いながら踊る
  • 難易度が高い
  • ダンスにテーマ性がある
  • 大勢で踊る
  • フォーメーション変化が多い

シアターダンスを習う主なメリットは次の6つ。

  • 表現力が身につく
  • 歌が上手になる
  • しなやかな体になる
  • 協調性が身につく
  • 語彙が増える
  • 脳の発達につながる

ECCジュニア

Posted by eri