ミュージカルスクールとは|実際どんなことを習うの?YTJは習い事?

近年、習い事としてミュージカルが注目されてきています。海外の学校ではドラマ教育というものもあり、ミュージカルが子どもの教育にもよいとされているのです。

今回は、習い事としてのミュージカルについて解説します。

レッスンではどんなことを習うのか、ミュージカルを習うメリットや費用についてまとめました。娘が通うYTJについても記載したので、ぜひご参照ください。

ミュージカルは習えます

ミュージカルは習うことができます。

  • ミュージカル劇団に入る
  • ミュージカルスクールに通う
  • ダンススクールのミュージカルクラスに通う

上記3つでミュージカルを習うことができます。

おとな向けのミュージカルスクールもありますが、子ども向けも。
子どもの習い事としてのミュージカルは近年注目をされています。それは成長に必要なことが、ミュージカルを通じて習えるから。(くわしくは後述します)

次でミュージカルで学べることを見てみましょう。

ミュージカルスクールで習えること

ミュージカルスクール、ミュージカルクラスで習えることをご紹介します。

【習い事】ミュージカルレッスンの内容|歌

習い事としてのミュージカルスクール、ミュージカルクラスでは、のレッスンは欠かせません。

ミュージカルは舞台で歌うので、いわゆるボーカルスクールとは少し指導が異なります。ただ上手に歌えばよいのではなく、客席の一番奥にいるお客さまにも伝わるように歌います。

ミュージカルでは基本的に手持ちマイクはありません。小さな声で歌えば、お客さまに聞こえないため、歌声はお腹から声を出します。腹筋もかなり鍛えられますよ。

またミュージカルは演劇なので、その役柄に合った歌い方をするのも特徴です。自分の歌い方をすればよいのではなく、役になり切って歌う必要があります。

そのため、ただ音程を外さずに綺麗な声で歌えたらよい、というわけではありません。演じるキャラクターならどう歌うのか、を考えながら歌います。

歌うときの表情も気を付ける必要があり、役柄や歌詞に合った表情で歌うのも特徴です。

【習い事】ミュージカルレッスンの内容|ダンス

ミュージカルのレッスンでは、ダンスも必須です。

こちらも一般的なダンススクールのレッスンとは異なります。ミュージカルのお話によって踊るダンスのジャンルは異なります。

一般的なダンスであればみんなで揃えることが重要です。ミュージカルのダンスも同様ですが、前提としてキャラクターを演じながら踊る必要があります。

ミュージカルで踊るダンスの種類の多くは、ジャズダンスですが、ストーリーによってはヒップホップを踊ることもあります。また、基礎レッスンとしてバレエを取り入れているミュージカルスクールも多いので、ミュージカルを習うことで、さまざまなダンスに親しむことができます

【習い事】ミュージカルレッスンの内容|発声

ミュージカルでは、発声のレッスンも受けられます。

ミュージカルは舞台の上でパフォーマンスをします。

みなさんはミュージカルって演技が大袈裟だなと感じたことはありませんか?
1つ1つの動きがオーバー、表情がやりすぎ、と感じて苦手な人もいるかと思います。

テレビドラマとミュージカルでは、演技が違うように感じますよね。この違いの原因は、お客さまのいる場所と言えます。

テレビドラマであればすぐ近くにカメラがあり、その向こうに視聴者がいるため、日常会話のように自然に演技をします。
しかし、ミュージカルでは舞台の客席はとても広く、客席の奥にいるお客さまにもわかるように演技をする必要があるのです。そのため、ミュージカルでは大きな演技をします。

セリフも日常会話のように話せば、お客さまには聞こえません。舞台には原則として字幕がないので、聞き取りやすいように発声をする必要があります。

このことから、ミュージカルは発声も重要視するのです。お腹から声を出す方法もしっかりと指導してもらえますよ。

【習い事】ミュージカルレッスンの内容|演技

ミュージカルレッスンでは、演技の指導もあります。

歌やダンスも演技の一部ですが、歌やダンスのない場の演技指導もしてもらえるスクールがほとんどです。

子ども向けのミュージカルスクールであれば、「このキャラクターは今どんな気持ちだろう?」と子どもに考えさせます。

 

主なレッスンの内容は、歌、ダンス、セリフの発声、演技ですが、この他にも姿勢の指導、歩き方の指導があるスクールも。
舞台でのパフォーマンスは所作が大きい方がよいです。小さくチョコチョコと動いていると、客席の奥にいるお客さまが「何をしているんだろう?」と思わないように、動きも大きくします。
そのため、歩き方、姿勢などの所作の指導をするスクールもあるのです。

実際に舞台に立っている人は、ピンと背筋が伸びた人が多いです。

ミュージカルを習うメリット

わたしはミュージカルを習うメリットはたくさんあると思っています。娘がまさにミュージカル劇団にいますが、入ってかなり成長したなと。ここでは、ミュージカルを習うメリットについて解説します。

ミュージカルを習うメリット|歌・ダンスが上達する

ミュージカルを習うメリットは、歌・ダンスが上達することです。

先述したように、ミュージカルのレッスンでは歌やダンスが学べます。レッスンを通じて、歌やダンスが上達することがメリットです。

歌が上手になるだけでなく、舞台でお客さまの前で歌を披露するため、度胸がつきます。ミュージカル劇団に所属するわたしの娘も、音楽の授業で歌うのは楽しいみたいです。歌のテストでもひとりで大丈夫と以前言っていました。

ダンスが上達すると、小学校や中学校の運動会、学芸会、体育の授業でも活躍しやすいでしょう。学校によっては、授業の一環でダンス大会があるそうです。ミュージカルレッスンで日頃からダンスを習っている子であれば、活躍できるはず。

ミュージカルを習うメリット|チームワークが学べる

原則としてミュージカルは、大勢でパフォーマンスするものです。(ひとり劇もありますが…)

指導者、一緒にパフォーマンスをする仲間、いわゆる裏方さん(照明や装置の操作をしてくれる方、道具を作ってくれる方)などたくさんの人たちが関わって成り立っています。

1つの舞台を成功させるためには、チームワークが欠かせません。日頃のミュージカルのレッスンを通じてもチームワークが学べますが、舞台本番を経験することでチームワークの大切さが学べるはず。

ミュージカルを習うメリット|ハキハキとした印象になる

ミュージカルを習うメリットは、ハキハキとした印象になることです。

ミュージカルのレッスンでは姿勢の指導も受けます。さらに発声の指導もあるため、姿勢がよく聞き取りやすく話せるようになるのです。

うちの娘もミュージカル劇団に週1~2回レッスンを受けていますが、かなりハキハキしてきました。ご近所の方に、「声がよく通って元気ね」と言っていただけたことも。

もっと子どもをハキハキとさせたいと思う保護者は、ミュージカルを習わせるのもよいかもしれません。

ミュージカルを習うメリット|本番に強くなる

ミュージカルを習うことで、本番に強くなります

おとなでもあまり人前で歌う、踊るって恥ずかしいですよね…。普段はできても、知らない人の前だと緊張してよいパフォーマンスができないかもしれません。

しかし、ミュージカルを習って何度も舞台を経験することで、人前に出ることに少しずつ慣れていきます。全く緊張しないというのは難しいですが、緊張をどうやってコントロールするかを学べるはずです。

本番に強くなることで、子どもであれば学校での発表にも強くなるでしょう。国語の音読や研究発表、学芸会、運動会など、学校で緊張するシーンは多々ありますが、そのときにもよいパフォーマンスができるようになるはずです。

これはおとなになってからも役立ちます。会社でのプレゼンテーション、会議で意見を求められるときなども、緊張する中でもしっかりと対応できるでしょう。

ミュージカル劇団・ミュージカルスクールの費用相場

ここまでミュージカルを習うメリットを解説しましたが、「うちの子にもミュージカルを習わせたい!」と思った方もいるでしょう。費用の相場が気になりますよね。

ミュージカルスクールによって費用は異なりますが、ネットで調べたところ相場は15,000円から20,000円です。

レッスン代とは別に、次の費用がかかります。

  • レッスン着、レッスンシューズ
  • 本番の衣装
  • チケット代

費用は、子どもの習い事としては比較的高額かと思います。その理由は、ダンス・歌・発声などさまざまなことを学ぶからでしょう。広いスタジオでレッスンする必要があるため、テナント料がかかるのも背景になるかもしれませんね。

レッスンの頻度は、子どもの習い事の場合は週1回から2回がほとんどです。

【習い事】ミュージカルがおすすめな子どもの特徴

ミュージカルの習い事が向いている子どもの特徴をまとめます。

歌やダンスが好きな子

歌やダンスが好きな子は、ミュージカルの習い事に向いています。

幼稚園や小学校で、歌やダンスのイベントを楽しめる子だと、ミュージカルも楽しめるでしょう。
元々歌やダンスが好きではない子にミュージカルを習わせて、上達させたいと思う保護者もいるかと思います。実際に歌やダンスが嫌いな子がミュージカルスクールに所属することもあるようですが、子どもによってはレッスンが苦痛になることも…。

「行きたくない!」と子どもが言うこともあるので、習い事が続かない可能性もあります。元々歌やダンスが好きな子のほうがスムーズにレッスンに参加しやすいです。

目立つのが好きな子

ミュージカルは、目立つのが好きな子におすすめです。

  • 学芸会で主役をやりたい子
  • 授業で積極的に発言する子
  • 班長、学級委員をやりたい子
  • 家族の前や友だちの前で踊るのが好きな子

上記のような子は、目立つのが好きな傾向にあるので、ミュージカルを習い事にするのもおすすめです。人から注目をされて、自分を表現することに喜びを感じられる子には、レッスンが楽しいはず。

目立つのが好きな子は、華がある子が多いです。目立つのが苦手な子も少なくはない中、見られるのが好きなことは才能とも言えるので、ぜひ伸ばしましょう。

 

引っ込み思案な子、恥ずかしがり屋な子であれば、ミュージカルを習うなんてとんでもない! とてもうちの子には舞台はやらせられない、と考える方もいるかと思います。しかし、ミュージカルを習うことで自分の殻を破り、引っ込み思案を克服することもあります。

実はミュージカルをやってみたら楽しめたということもあり得るので、まずは体験レッスンに参加してみるのもよいかと思います。

ミュージカル劇団やミュージカルスクールの選び方

ミュージカル劇団やミュージカルスクールの選び方を解説します。

場所で選ぶ

毎週レッスンを受けるとなると、あまりにも遠方だと通うのが大変です。ミュージカルを習うのが子どもの場合は、保護者がスクールまで送迎することになりますが、遠いスクールだと送迎も大変ですよね…。

そのため、ミュージカルスクールは、場所で選ぶことをおすすめします。

継続して通うには片道1時間以内がおすすめです。1時間以上だと、通うだけで疲れてしまうのでおすすめしません。

自宅近くにミュージカルスクールがないか探してみましょう。

観劇して選ぶ

ミュージカルスクールは、観劇をしてから選ぶのもおすすめです。

実際に劇を見て、「ここのメンバーとして自分もパフォーマンスをしたい!」と思えるスクールだとよいでしょう。その劇団によって演目の傾向は異なるので、可能であれば複数のミュージカル劇団を観劇して、自分に合うもの、自分がやりたいミュージカルに近いスクールを選びましょう。

体験レッスンを受けてから選ぶ

体験レッスンがあるスクールであれば、積極的に受けてみましょう。

指導がわかりやすいかも選んでください。

  • スクールの雰囲気はよいか
  • スタジオに清潔感はあるか
  • 指導がていねいか
  • 劇団員や生徒との相性はよいか

などをチェックしてみてください。

本番の回数で選ぶ

ミュージカルスクールや劇団であれば、本番があってナンボだと思います。
その本番の回数で選びましょう。

おとなであれば、半年に1回本番があるとなかなか大変に感じることもあるかと思います。仕事をしながらだと、どうしてもレッスンを欠席してしまうこともありますよね…。1年に1回がちょうどいいと感じる人もいます。しかし、子どもだと年1回は少ないことも。

ミュージカルスクールの年間スケジュールを聞いてみて、本番はどれくらいの頻度であるのか調べてみましょう。

指導者で選ぶ

ミュージカルの指導者でも選びましょう。

  • 劇団四季出身者
  • 現役劇団員

など指導者でも選ぶことをおすすめします。体験レッスンでも、相性をチェックしたいですね。
よいパフォーマーがよい指導者とは限りません。実際にレッスンを受けてみて、わかりやすい指導か、ついていける講師かを見てみましょう。

YTJはどんなミュージカル劇団?

うちの娘はYTJ(ユースシアタージャパン)というミュージカル劇団に所属していて、毎週レッスンを受けています。

YTJの特徴は若手の劇団です。年中から28歳までが所属していて、英語でパフォーマンスを披露するのが特徴です。全国にスタジオがあり、わたしは娘を関東のとあるスタジオに通わせています。

公式サイトによると、YTJのメンバーは8,000人。大規模劇団と言ってよいと思います。

YTJは習い事なのか?趣味でやってもいいの?

YTJは習い事なのか気になりますよね。わたしもよくママ友に聞かれます。「今日はYTJのレッスンがある」と伝えると、「それは習い事なの?」と質問されることが多いです。

結論から言うと、YTJは習い事ではありません。趣味ともちょっと違います。

趣味として楽しむことはもちろんできますが、YTJは公演を目指すことが目的です。子どもでもプロ意識が求められます。習い事だと、旅行に行くからレッスンを休む、気乗りしないからレッスンを休むこともあるかもしれません。

しかし、YTJの場合は劇団なので、レッスンを休んだ子がいると多少なりとも周囲に影響がでます。もちろん体調不良なのに無理をして出席する必要はないですが、振り付けレッスンのときに休むとその分ついていけなくなることがあり、周囲にも影響が出ます。

プロ意識を持ってレッスンに参加する必要があるのです。

また、他の習い事とは異なり、YTJはオーディション制です。習い事であれば、入会金やレッスン費用を払えば、基本的に誰でも習えますよね。しかし、YTJは選考試験をして通過した子のみが入会することができるのです。

ここにも普通の習い事との違いがあります。

YTJは芸能プロダクションなのか?

YTJは、ミュージカル劇団で、お客さまの前でパフォーマンスをします。その際は、チケット代をちょうだいしているため、メンバーたちはプロ意識を持ってパフォーマンスをします。

YTJ公式サイトにも、メンバーへの出演依頼を受け付けています。
YTJメンバーへの出演依頼 | Youth Theatre Japan

この特徴から、ママ友からYTJは芸能プロダクションなの? と聞かれることもありますが、結論から言うと芸能プロダクションではありません。

あくまでYTJの公演に立つためにレッスンをしているミュージカル劇団です。YTJに所属するメンバーのほとんどは、芸能人を目指しているのではなく、YTJの公演でパフォーマンスがうまくできるよう日々レッスンに取り組んでいます。(俳優志望の子もいるかもしれませんが…)

YTJの卒業生はどんな進路に進むのか

YTJは芸能プロダクションではないことがわかりました。普通のミュージカル劇団なのですが、YTJの卒業生たちはどんな道に進むのでしょうか。

まず、YTJのメンバーは、中学校3年生までで高校生以降になると「YTJプロ」という扱いになります。中学生メンバーの場合は、一旦卒業をして、YTJプロに進む子、そうでない子に分かれます。
わたしが聞いた話だと、選抜メンバーの場合は、YTJプロに進む子が多いようです。

YTJプロに進まずにYTJから離れる場合でも、高校でダンス部、演劇部に所属して、YTJで身につけたスキルに磨きをかける子もいます。

進学、留学するなどを経て、舞台とは違う世界に就職するメンバーもたくさんいます。

また、劇団四季、宝塚歌劇団など有名なミュージカル劇団で活躍する人、テーマパークダンサーになる人も一部います。

YTJに入れば有名人になれる、芸能人になれる、ということはありませんが、YTJでのレッスンがきっかけで舞台でのパフォーマンスを目指すメンバーもいるようです。

舞台などパフォーマンスの道に進まないのであれば、YTJでの活動は活かせないのでは…と思うかもしれません。ダンス部などに所属しなくても、YTJで学んだことは学校生活、社会人生活に行かせるかと思います。

うちの娘はYTJに入ってから、学校の持ち物を自分で用意するようになりました。忘れ物をしないように工夫するようになり、ずいぶんしっかりした印象です。ハキハキとごあいさつできるようになり、周囲の方から褒めていただくこともあります。

YTJで学んだことはきっと役立ちます。興味があれば、参加してみませんか。

YTJには体験レッスンがありません

ここまでYTJについて書きましたが、気になる方もいますよね。一度体験レッスンに参加して子どもとの相性を確認したいかと思いますが、YTJには体験レッスンはありません…。

興味のある方は選考試験を受けることになります。

スタジオ見学をすることは可能ですが、見学を受け付けている時期は限られているようです。

事前見学予約 – Youth Theatre Japan (ytj.gr.jp)

YTJに質問がある場合は、選考試験の二次試験で質問するのがおすすめです。

体験レッスンはありませんが、最初の1ヶ月をとりあえずレッスンを受けてみて、合わなければ1ヶ月以内であれば返金してもらえる制度があります。相性に不安がある方もまずは参加してみてから判断するのもよいかもしれませんね。

まとめ

ミュージカルは習うことができます。ダンス、歌が上手になるだけでなく、発声が学べるためハキハキした印象になります。姿勢もよくなるため、凛とした印象にも。

レッスン費用は15,000円から20,000円で、さらに発表会の参加費や衣装代を考えると、子どもの習い事としては高額と言えます。

歌やダンスが好きな子、注目されるのが好きな子に向いているので、習ってみませんか。
娘はYTJというミュージカル劇団に所属していて、毎週レッスンを楽しんでいます。興味がある方はぜひ。